喪中の初詣はいつから?【寺と神社の違い】お守りの購入・処分や厄払いは?
お正月といえば初詣。
初詣を、新年の習慣にしている人は多いと思います。
厄年に当たる人は、厄払いにも行きますね。
でも「今年は喪中だから初詣や厄払いには行けないな」という方もいることでしょう。
そもそも喪中の時に初詣はしてはいけないものなんでしょうか。
喪中は一般的には人が亡くなってから1年間を指すことが多いですが、どのくらいの期間参拝してはいけないのでしょうか。
今回は、そんな喪中期間中の参拝についてです。
喪中の初詣はいつから参拝していいのか、お寺と神社との違い、お守りやお札を授けてもらっていいのかなどを詳しくご紹介します。
喪中時の初詣はいつからできる?
喪中の期間とは?
一般的に喪中というと、親しい人が亡くなってから1年間を指すことが多いもの。
年末の喪中の挨拶状も、1年以内に不幸があった場合に出しますよね。
ところが、喪中期間が1年間という根拠は特になく、完全に慣例なんです。
喪中とはそもそも次の通り、亡くなった人を偲んで喪に服す期間のこと。
この期間中は心の中に死の穢れがあるので、初詣だけでなくおめでたい場所、華やかな場所へ行くのは避けて、静かに個人を悼みましょうという期間です。
喪中には、実は戦前までは法令で定められた日数がありました。
それによると、喪中は長くても50日間なんです。
50日というと、多くの宗派で四十九日法要が行われたあと。
すなわち、四十九日法要が無事済めば喪が明けたということになりますね。
なので、死後1年といわず、だいたい一ヶ月半が過ぎたり、日数を待たずとも四十九日法要が済めば喪が明けたとみなして初詣に行っても大丈夫ですよ。
忌中の期間を過ぎれば参拝しても大丈夫
喪中の期間は約一年間です。
このうち、忌中と呼ばれる期間は、神社へ参拝(初詣も含む)してはいけないことになっています。
忌中の日数は次のとおりです。
【祖父母】30日間
【兄弟姉妹・子ども】20日間
忌中期間は、参拝だけでなく結婚式などのお祝いの席にも出席しない方がいいとされています。
このように50日を過ぎれば、普段の生活の状態に戻ってもかまいません。
そして、お寺に初詣に行くのか、神社に初詣に行くのかで少し意味合いが変わります。
次の項目ではお寺に初詣に行く場合、神社に初詣に行く場合のことを書いていきますね。
お寺と神社の違いは?
神社に参拝してはいけない理由は?
神社の境内は清廉な地であることから、穢(けが)れを持ちこんではいけない場所です。
そして『死は穢れ』とされています。
死を穢れととらえるのは神道、つまり神社の考え方。
なぜ「死」=「穢れ」なのでしょうか?
穢れは“気枯れ”、つまり、気力がなくなっている状態に通じるという説があります。
身近な人が死ぬと、悲しみで気落ちしますから、気枯れ=穢れの状態にある、ということになるのです。
そういったわけで、身内が亡くなって一定期間は神社に参拝してはいけないということになっているのです。
喪中でもお寺の初詣は行って大丈夫!
一方、仏教は死が穢れとは捉(とら)えません。
確かに人が亡くなったらお葬式でお寺の境内に入りますよね。
なので、お寺への初詣は喪中でも大丈夫とされています。
そして前述しましたように神道でも喪中とされるのは1年間ではなく、だいたい50日です。
なので、1年間と言わず、おおよそ50日が過ぎたら初詣に参拝して大丈夫ですよ。
気になる場合は、鳥居をくぐらないで横を通り抜けるなどの気持ちを表すと良いですね。
ただ、喪中というのは気持ちの面が大きいものです。
知り合いの神主さんが以前こんなことをおっしゃっておりました。
「初詣は新しい年の福を願う、華やかで明るい場所。
やみくもに喪中だから初詣に行けないというのではなく、例え喪が明けていてもまだ落ち込んでいて明るい場所に行きたい気持ちになれないなら、無理して初詣にこだわらず、落ち着いてから参拝にきてくれたらいいんです」。
つまり、逆も同じで、いつまでも落ち込まずに吹っ切れたい!という場合は、1年を待たずに初詣や参拝をしても良いのです。
この辺りは神社やお寺、地域や人によっても考え方はさまざまではあると思いますが、一つの考え方としてご紹介しました。
お守りやお札は買ってもいいの?処分方法は?
お寺のお守りと、神社のお守りは意味合いが違います。
お寺のお守りやお札は、御経などによって祈りが込められているもの。
神社のお守りやお札は、神様が宿っているものとされています。
神道の神様は穢れをきらうので、喪中の間は神社でお守りやお札を授けてもらうのは避けましょう。
お寺でお守りやお札をいただくのは大丈夫です。
ただ、先ほど説明しましたように、喪中期間でも、忌中が明けていれば神社へ参拝してかまいません。
ですから、もちろんお札やお守りを買ってもOKですよ。
忌中期間の場合は?
では、忌中期間にお守りやお札が欲しい場合はどうしたらよいのでしょうか?
その場合は、忌が明けてから参拝して拝受しましょう。
もし、受験や出産などを控えていて、忌明けを待てない場合は、代理の人に買ってきてもらうという方法もありますよ。
処分方法は?
古くなったお守りやお札は、授けていただいた神社やお寺以外でも処分をお願いして大丈夫です。
喪中であればお寺に初詣に行き、そこで処分をお願いするか、もしくは喪や忌が明けてから神社に持って行きましょう。
郵送で引き受けてくれる場合もあるので、購入先の神社やお寺に電話で確認してみても良いでしょう。
また、自宅で燃えるゴミとして処分することもできます。
ただ、白い紙の上にのせ感謝をしながら塩を軽く振り、そのまま包んで処分するとより丁寧ですね。
喪中時に厄払いはしてもいいの?
初詣で手を合わせるだけならともかく、お祓いはどうなのかと考えてしまいますよね。
お守りは代理の人に頼むとしても、厄年のお祓いはどうしたらいいのでしょうか?
お寺は厄払い可能
先に言いましたように、お寺であれば死を穢れとして捉えません。
仏教では、死は俗世から離れて極楽浄土へ行くこととされているので、死を穢れと捉えないのです。
なので、お寺へ初詣へ行って厄払いをしてもらうのは喪中や忌中でも問題がありません。
喪中や忌中にお払いをする必要がある場合は、神社ではなくお寺にお願いすると無難ですね。
神社は忌中を過ぎれば可能
神社では、忌中は参拝できないので、厄払いのためでも神社に入ってはいけません。
忌中の期間が終わるのを待って厄払いをしてもらいましょう。
50日以上経っていれば神社としても喪中ではないので問題ありません。
お寺と神社の『厄』の違いとは?
厄について神社とお寺では考え方が異なります。
神社では、厄は、避けるものではなく『乗り越えていくもの』。
厄を無くすのではなく、大難を小難に、小難を無難にするために祈祷します。
一方、お寺では、『仏様のお力で厄を払う(除く)』とされています。
このように考え方に違いがあるため、神社では「厄払い」、お寺では「厄除け」と言います。
忌中の間が過ぎれば参拝しても大丈夫!
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喪中時の初詣や厄払い、お寺と神社の違いなどをお送りしました。
喪中期間中の参拝についてのポイントは3つ。
2. 神社でお守りを買いたい時や、お祓いをしてもらいたい時は、忌明けを待つか代理を立てる。
3. お寺は、忌中に参詣してかまわない。
この3つを押さえておけばOKです。
自分の気持ちが前向きにならなければ、例え喪が明けていても無理して初詣に行く必要はありません。
また、喪中には亡くなった人を悼(いた)むために、お寺で静かに初詣をするのもいいのではないでしょうか。