葵祭2018の日程とコース。斎王代は誰?交通規制情報
葵祭は京都三大祭りの1つで、平安時代より脈々と受け継がれてきた王朝風俗の強く残る伝統的なお祭りです。
上賀茂(かみがも)神社・下鴨(しもがも)神社の祭礼で、平安貴族の衣装を身にまとった総勢500余名が、平安朝の優美な古典行列をつくって上賀茂神社まで練り歩きます。
行列に参加する人の冠や衣装に“葵の葉”を挿すことから、『葵祭』と言われているんですよ。
都大路に繰り広げられる雅やかな王朝絵巻、葵祭2018の日程とコース、斎王代情報などについて下記の流れでご紹介いたしますね。
・葵祭2018の日程とスケジュール。
・葵祭の見どころは?
・葵祭の行列コースと通過時間。
・葵祭の混雑状況とおすすめ観覧場所。
・葵祭のアクセス方法と駐車場情報。
・葵祭の斎王代の選び方と費用について。
葵祭2018の日程とスケジュール。
日程:2018年5月15日(火)
時間:10:30~
※雨天の場合は順延5月16日(水)
京都御所10時30分発~下鴨神社11時40分着
下鴨神社14時20分発~上賀茂神社15時30分着
スケジュール
葵祭関連行事は5/1~5/20頃まで行われます。
4月 | 斎王代発表、上賀茂神社と下鴨神社参拝 |
5月1日 | 賀茂競馬足汰式(くらべまえあしぞろえしき)(上賀茂神社) |
5月3日 | 流鏑馬神事(やぶさめしんじ)(下鴨神社) |
5月4日 | 斎王代以下女人列御禊神事
(さいおうだい・みそぎしんじ)(上賀茂神社・下鴨神社) |
5月5日 | 賀茂競馬(かもくらべうま)(上賀茂神社)
歩射神事(ぶしゃしんじ)(下鴨神社) |
5月12日 | 御蔭祭(みかげまつり)(下鴨神社) |
5月15日 | 葵祭 |
5月15日以降 | 献茶祭(上賀茂神社)、煎茶献茶祭(下鴨神社) |
4月に葵祭最初の儀式として行われる“斎王代献茶”は、上加茂・下鴨両社の斎院があったとされている櫟谷七野(いちいだにななの)神社で行われます。
ここはその昔、皇后が天皇の愛を取り戻した逸話があることから、復縁にご利益があるとされていて、復縁の隠れパワースポットにもなっています。
葵祭の見どころは?
葵祭の見どころを大別すると、神社で行われる神事の、社頭の儀(しゃとうのぎ)と、御所~下鴨神社~上賀茂神社へ向かう奉幣使(ほうへいし)の行列、路頭の儀(ろとうのぎ)になります。
社頭の儀
社頭の儀は、行列が下鴨・上賀茂両社に到着した際に行われる儀式で、まず勅使が御祭文を奏上し、御幣物を奉納します。
続いて神馬が引き回わされ、平安朝を偲ばせる雅な雰囲気のなかで、舞人による「東遊(あずまあそび)」の舞が奉納されます。
路頭の儀
京都御所から下鴨神社、上賀茂神社にかけて約5時間もの時間をかけて練り巡っていきます。
絢爛たる衣装をまとった女官たちが雅やかに歩いて行くさまは、まるで王朝絵巻を見ているような感慨深い気持ちになりますよ。
また葵祭といわれるだけあって、よく見ると人の冠や牛馬や乗り物すべてに葵の葉っぱ(葵桂:あおいかつら)が飾られています。合計12,000枚以上使われているんですよ。ちょっとしたアクセントがとてもおしゃれですね。
行列は近衛使代(このえづかいだい)を中心とした本列と、斎王代を中心にした女人列(斎王代列)があります。
路頭の儀の主役は、本来は勅使であるはずなのですが・・・皆さんの注目は斎王代。やはり、美人に目が行くのは仕方のないことでしょうね(^^)
路頭の儀の華“斎王代”
男性でなくとも、きらびやかな十二単をまとい、輿に乗った斎王代には目を奪われると思います。
しかもその十二単は新車が軽く2台くらい買えてしまうという高価なもの。これはもう、斎王代を見なかったら葵祭のどこを見た?と責められても仕方ありませんね。絶対に見逃さないで下さいね。
行列の詳しい名前と、それぞれの役割などがお知りになりたい方はこちらを参照されて下さい。
それぞれどんな役割の人たちなのか?を知りながら路頭の儀を観覧すると、更に楽しいものになるでしょう。今年の斎王代については下記にご紹介しますね。
葵祭2017の斎王代をご紹介!
葵祭2017、第62代斎王代は京都市左京区にお住まいの、同志社大学学生、富田紗代さんに決定しました!
タップダンスを得意とするほか、同志社女子中・高時代はソフトボール部でピッチャーを務めた経歴の持ち主で、現在は政策学部で学ぶ才色兼備の学生さんだそうですよ。
毎年、斎王代は4月の中旬ごろに葵祭行列保存会から発表されます。最新情報や動画などもありますので、気になる方はこちら(葵祭公式)のHPでチェックしてみてくださいね。
こちらの動画は第61代の斎王代(西村和香さん)の葵祭行列の様子です。京都らしい荘厳さと華麗さが見事ですね!
間近で見ると、その豪華さや神秘さに圧倒されることでしょう。
葵祭の行列コースと通過時間。
・京都御所 出発(10時30分)→堺町御門→丸太町通(10時50分)→河原町通(11時)→下鴨神社到着(11時40分)社頭の義
・下鴨神社出発(14時20分)→下鴨本通→洛北高校前(14時40分)→北大路通→北大路橋(14時55分)→賀茂川堤→上賀茂神社到着(15時30分) 社頭の義
雨天の場合は?
雨天の場合でも雨が小雨の場合は決行します。
悪天候の場合は、順延となります。
もし雨の具合が微妙なときは、午前6時より京都市観光協会にて案内をしているので、電話で問い合わせをしてみると良いでしょう。京都市観光協会 電話:075-752-7070
順延日も悪天候だった場合は、残念ながら中止となります。
葵祭の混雑状況とおすすめ観覧場所。
葵祭の例年の人出は8万人~9万人と言われていますが、これは下鴨神社近辺だけの人数なので、沿道総出を数えるとその倍、といったところでしょう。
下鴨神社、上賀茂神社境内、およびその近辺は相当な混雑が予想されます。
行列コース沿道は2重3重の人垣なので、グイグイ押されることを想定して下さい。
そこで、この近辺でゆっくり行列をご覧になりたい方へのちょこっとアドバイスとして、小さな脚立を持参することをおすすめします。
沿道の人々からちょっと退いて、脚立の上からなら視界も良好。カメラワークも思いのままですよ。
路頭の儀(行列)を見るだけなら、神社から離れることをおすすめします。
イチ推しは、北大路橋から御園橋をつなぐ加茂街道。
ここなら並木道なので日陰もあって待ち時間を快適に過ごせますし、直線道なので遠くからやってくる行列を終始ゆっくり見ることができます。
人は居ますが、余裕で場所取りできるくらいの人出ですし、後ろから押されることも無いと思います。
有料観覧席券について
有料観覧席券は、1席2,050円、パンフレット付き。2017年4月4日より下記にて販売されています。
・インターネット:旅の発見ティー・ゲート、チケ探、楽天チケット
・ローソン・ミニストップ、セブン-イレブン、サークルKサンクス、ぴあ、ファミリーマート店頭
・JTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行店頭
・京都市観光協会、京都総合観光案内所
有料観覧席設置場所と通過時間は下記のとおりです。
・京都御苑(建礼門前南側) 10時30分頃
・下鴨神社参道 11時40分頃
社頭の儀も観覧するには?
葵祭では、平安貴族の姿を再現た行列、路頭の儀(ろとうのぎ)だけでなく、下鴨神社と上賀茂神社に到着した際には社頭の儀(しゃとうのぎ)を行います。
社頭の儀は幣物を奉納、 神馬の引き回し、 舞人による「あずまあそび」の舞を奉納するもので、一般には公開されていませんでした。
近年は席に余裕がある場合は、一般人も立ち入って社頭の儀を観覧することができるようになっています。
チケットなどは販売していないので、神社に初穂料を5,000円ほど支払うかたちになります。人数に限りがありますので、希望する場合は早めに神社にお参りしましょう。
葵祭のアクセス方法と駐車場情報。
京都御所
住所:京都府京都市上京区京都御苑
電話:075-211-1215 (宮内庁京都事務所参観係)
地図:
電車の場合:京都市営地下鉄今出川駅より徒歩10分
車の場合:神高速京都東ICから7km25分
下鴨神社
住所:京都府京都市左京区下鴨泉川町59
電話:075-781-0010
地図:
電車の場合:
①JR京都駅より市バス205系統で21分、バス停:下鴨神社前下車、徒歩すぐ
②京阪電気鉄道出町柳駅より徒歩7分
車の場合:
名神高速京都東ICから10km40分
上賀茂神社
住所:京都府京都市北区上賀茂本山339
電話:075-781-0011
地図:
電車の場合:
①京都市営地下鉄北山駅4番出口→市バス4系統で11分
バス停:上賀茂神社前下車、徒歩すぐ
②JR京都駅→市バス9系統で27分、バス停:上賀茂御薗橋下車、徒歩5分
車の場合:
名神高速京都南ICから13km55分
駐車場
5月15日の京都御所・下鴨神社・上賀茂神社の駐車場、および京都御所の臨時駐車場、ならびにその近辺の有料駐車場は満車状態だと思って下さい。
朝8時30分の時点で既にどこも満車状態で、1時間30分以上の待ち時間となります。
その頃になると交通規制が始まるので、更に道路が渋滞し、全く動けなくなってしまう状態に陥ります。
せっかく葵祭を観覧に来て、渋滞の車の中で見過ごしてしまうのは残念ですね。交通に便利な駅近辺の駐車場を利用して、パーク&ライド方式をおすすめします。
交通規制
行列の先頭がコースにさしかかる予定時刻より、交通規制が敷かれます。
通過所要時間は約1時間ですので、この時間から約1時間は通行止めになると予測しておいて下さい。
葵祭の斎王代の選び方と費用について。
斎王代の選び方は?
斎王(さいおう:いつきのひめみこ)は、潔斎して神に仕える巫女です。もともとは未婚の内親王、女王などの皇族がお務めされていました。
最近では、伊勢神宮の遷宮で黒田清子さん(元紀宮清子内親王)が臨時斎宮に立たれていますね。
葵祭では、承久の乱(1221年)以降、天皇家による斎王は途絶えていましたが、昭和28年以降、斎王に代わる人を立てるようになりました。
この斎王代の選考基準については極秘です。一般公募などは一切されていません。
ですが毎年、主に20歳代の、京都ゆかりの寺社や文化人、実業家のご令嬢などから選考されているようですよ。
歴代の斎王代の傾向から察するに、京都の歴史に深く関わる学問をされていたり、日舞や茶道、華道をたしなまれていたり、長年葵祭に貢献されてきたご実家のご令嬢であったり、歴史ある寺社のご息女であったり。
見目麗しいだけの理由では無く、京都の上流階級で育ったお嬢様であることが条件のようです。あとはご実家が資産家であること、これが必須条件になります。
それは、斎王代になると莫大な資金を自腹で払わなければならなくなるからです。次にそのことをお話いたしますね。
斎王代はどれくらい費用がかかる?
京都のお祭りは、どのお祭りも全て自腹で参加することが条件です。これは歴史ある京都のステータスにもなっているようですね。
気になる斎王代にかかる費用ですが、まず十二単で最低でも500~600万円。
神事は5月15日の1日だけではありませんから、この間に悪天候の日があったりするとクリーニング代だけでも更に数百万。
各神事ごとにお稚児さんその他の心づけなど、トータルで最低でも1,500~2,000万以上かかると言われています。
これを全て自腹で裁量しなければなりませんから、おのずと資産家のご令嬢であることが必須条件になってくるのですね。
中には親子2代、3代で斎王代を勤められるお宅も少なくないのだとか。お金持ちの子供はお金持ち、ということですね(笑
条件が非常に限られるので、なるほど納得!といった感じですね。
優雅で華やかな貴族の祭典
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葵祭の見どころについてご紹介しました。
葵祭は石清水祭、春日祭とともに三勅祭の1つとされるお祭りです。
祇園祭りが庶民のお祭りであるのに対し、国家的な行事として行われてきた貴族の祭典であったため、とても風雅な伝統を受け継いでいます。
葵の葉を身にまとって初夏の京都を巡業する、華やかで雅やかな葵祭。
悠久の時の流れに思いを馳せながら、5月の青空の下、思わずため息のもれる王朝絵巻をご覧になってみませんか。