【十三夜2024】時期や意味は?読み方や食べ物、お供物は?
『 十三夜 』ときいてなにを思い浮かべますでしょうか。
十三夜という言葉をあまり聞いたことがない方も多いかと思います。
十三夜とは実は、お月見をする日 なのです。
「えっ?お月見って十五夜でしょう。中秋の名月っていうじゃない」と思いますよね。
そうなんです、「十五夜」のお月見は広く知られていますが、どちらもお月見の日なのです。
『十三夜』のほうはよく知られていないのですが、とてもきれいなお月見ができるのですよ。
そこで今回は、十三夜の時期や意味、食べ物やお供物などについてご紹介します。
時期を知っておくと、たとえ十五夜が曇って見えなくとも十三夜にお月見できますよ。
十三夜とは?意味は?
『 十三夜 』は「 じゅうさんや 」と読みます。
陰暦で9月13日の夜のことを指し、この日には月見をする習慣があって「後(あと・のち)の月」とも言われています。
陰暦とは月の満ち欠けを基準として定められていて、旧暦とも言います。
陰暦(旧暦)9月13日は現在の10月上旬~11月上旬頃を指します。
十五夜は中国から伝わってきた慣習ですが、十三夜は日本が発祥となっているのですね。
旧暦八月の十五夜は台風の季節なので曇ることも多かったようで、十三夜の方が晴れてきれいな月を見られる確率が高かったために広まったようですよ。
ほかの呼ばれ方
余談ですが、この十三夜は、福岡県では「 女名月(おんなめいげつ)」と呼ばれており、この日は女性が偉いそうです。
また長野県では「 小麦の月見 」と呼ばれていて、この日の天気が良ければ小麦が豊作だと言われているそうです。
地方にはさまざまな慣習があるのですね。
「女名月」がなぜできたのかなど、その地方の方に詳しく聞いてみたいものです。
さてこの「十三夜」ですが、満月ではなく、大体8割ほどのお月様といわれています。
少し欠けているところが、より趣深い情景とされていますよ。
夜はかなり冷えてきますが、曇りのない澄んだ夜空にとてもきれいなお月様が見られます。
十三夜の月を動画で撮られている方がいらっしゃっいますので、気になる方はぜひ見てみてくださいね。
「後の月」について。
先ほど十三夜は「 後の月 」ともいわれているとお話ししましたが、俳句の世界では秋の季語として使われています。
読み方は「 のちのつき 」です。
俳句をたしなまれる方でしたら知っている方がおられるかもしれません。
昔の方にとって、十三夜は当たり前のように月見の日として存在していたのでしょう。
松尾芭蕉と正岡子規の俳句をご紹介しますね。
[松尾芭蕉]
木曾の痩せもまだなほらぬに後の月
[正岡子規]
後の月つくねんとして庵にあり
2024年の十三夜はいつ?
お月見予定の方はカレンダーにしっかりと印をつけておいてくださいね。
10月ですから季節柄夜は冷え込みそうなので、お月見の際は暖かい格好でお月見をしましょう。
十三夜の食べ物やお供えするものは?
お月見につきものなのはやはりお団子ですよね。
お団子の数には2つの説があります。
・『十三夜』は13個で、「十五夜」は15個
こちらが現在多く使われています。
・ 平年なら12個で、閏(うるう)年では13個
陰暦の名残でこの数が使われていました。
そのほかに供えるものとして、栗 や 枝豆があります。
このお供えから「 栗名月(くりめいげつ)」「 豆名月(まめめいげつ)」ともいわれています。
ほかにも季節の果物、ススキ(秋の七草の一つです)や御神酒を供えます。
お団子は最後にみんなでいただいてお月見が終わりとなります。
秋の七草とは?
ススキは秋の七草の一つですが、秋の七草はご存知でしょうか。
種類はこちらになります。
女郎花(おみなえし)、桔梗(ききょう)、葛(くず)、薄(すすき)、撫子(なでしこ)、萩(はぎ)、藤袴(ふじばかま)
食欲の秋とは言いますが、秋の七草は春の七草のように食べることはできません。
十五夜と十三夜どちらも見たほうが良い?
十五夜または十三夜のどちらか一方のお月見しかしないことを「 片見月(かたつきみ)」と呼び、縁起が悪いと言われたりします。
しかし「絶対に両日見ないと!縁起悪くなるし‥」と、そこまで気にするに必要はないようですよ。
現在ではどちらかというと、「どちらも見逃すのがもったいないので、どちらもみましょうね。」という感じに解釈されているようです。
十五夜には満月の風情があり、十三夜には冷えた夜空にきれいに輝く風情がありますので、せっかくですからそれぞれの時期にお月様をめでてみませんか。
情感あふれるお月見
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十三夜の時期や意味、食べ物などをお送りしました。
昔から日本人は月を見ながら何を思っていたのでしょうか。
「月でウサギがお餅をついている」「かぐや姫が月に帰っていく」と郷愁を感じるのでしょうか。
十三夜の題材で歌も詠まれていたり、樋口一葉も小説を書いています。
今年はぜひ『十三夜』もお月見してみてくださいね。
日本らしい風情が味わえることと思いますよ。