啓蟄の意味と時期。読み方や語源は?カエルや蛇も出てくる?
啓蟄。
春の季語にも使われる言葉ですが、あまり馴染みのない人も多いかもしれません。
季語だけでなく、時候の挨拶にも使われるので、覚えておくと便利な言葉です。
それに、春の訪れを感じるいい言葉ですから、この機会に「啓蟄」という言葉を使う時期や正しい意味を知っておきましょう。
・啓蟄の意味は?読みは?
・啓蟄の時期はいつ頃?
・啓蟄の時期は本当に虫が冬眠から覚めるの?カエルや蛇は?
・啓蟄の時期はひな人形の片付け時
啓蟄の意味は?読みは?
啓蟄は「けいちつ」と読みます。
その意味は、漢字の意味から読み説く事ができます。
「蟄」は「虫などが土で冬ごもりする」という意味です。
「虫などが土で冬ごもりしている状態」が「開かれる」・・・つまり、「冬籠りの虫が這い出る」という意味になるのです。
春になって、冬眠していた虫たちが地上に這い出て来る日を意味しています。
啓蟄の時期はいつ頃?

出典:http://blogs.yahoo.co.jp/
啓蟄は、二十四節季の一つです。
二十四節季というのは、中国で生まれた暦です。
日本では、江戸時代から使われて生活に根付いてきました。
二十四節季は、一年を24節に分けます。
365日を24で割ると、一節がだいたい15日ぐらいになります。
この15日くらいを一節としてそれぞれに名前をつけたのが二十四節です。
季節に合わせた暦なので、毎年同じ季節に同じ節気がめぐってきます。
順番は、「立春」から始まって「雨水」そして「啓蟄」となります。
ですので、啓蟄は二十四節気の3番目の季節となります。
毎年、3月6日頃と、その日から春分までの期間を啓蟄と呼びます。
啓蟄の時期は、春の訪れを感じながらも、まだまだ寒いと感じる日もある時期です。
一雨ごとに気温が緩んで、山菜や筍が八百屋に並ぶ頃ですね。
雨といえば、立春のあと、初めて鳴る雷のことを「虫出しの雷」といいます。
ちょうど啓蟄の頃に鳴ることも多いため、冬眠中の虫が驚いて出て来る雷として「虫出しの雷」と呼ばれるようになりました。
啓蟄の時期は本当に虫が冬眠から覚めるの?カエルや蛇は?
虫が冬眠から覚める条件には、気温と日照時間が関係しています。
年によって気温が上がる時期に差はありますが、春の日照時間は季節の移ろいによって確実に長くなります。
日照時間が長くなると、植物が育ち、花が咲き、虫たちのえさも育ってきます。
そこで、虫が冬眠から目覚めてくるわけです。
とはいえ、虫が冬眠から目覚める条件として最低気温が5℃を下回らないことというのがあります。
気温5℃ですと、地面が凍ったり霜が降りたりしなくなる気温です。
いくら日照時間が延びても、地面が凍っていては、植物も育ちませんし、虫も出てこられないのでしょう。
目覚めた虫たちが、実際に活動を始めるのは日平均気温が10℃を超えるようになってからといわれていて、例年ですと、東京や大阪で3月下旬頃に当たります。
虫たちが、活動を始めると、それを捕食するカエルなども当然活動を始めます。
そもそも「虫」は「蟲(むし)」の略字です。
「蟲」は、もともと生き物全体を指す字でした。
この啓蟄という季節が決められた頃の蟲が意味していたのは、虫だけでなく、カエルや蛇も含まれていたと考えた方がいいでしょうね。
啓蟄の時期はひな人形の片付け時
啓蟄には、ひな人形を片付けるのが良いと言われています。
ひな祭りは、毎年3月3日ごろですよね。
ひな人形を年中飾る風習がある地域もあるようですが、ひな祭りを過ぎたら直ぐにひな人形を片付ける方が良いとされている地域が多いようです。
啓蟄の頃は、ひな祭りの直ぐ後ですから、片付けるのにベストタイミングなのです。
ちなみに、ひな人形を飾り始める時期は「啓蟄」の一つ前の二十四節気「雨水」の時期が適していると言われています。
ひな人形の片付けの他に、啓蟄に行われる行事としては、「菰(こも)はずし」があります。
啓蟄は、虫が動き始める季節という事に因んで行われます。
この行事は、江戸時代から、松の害虫となるマツカレハの幼虫(まつけむし)を、駆除するために行われてきました。
マツカレハの幼虫は、寒い冬には、寒さを逃れるために松の木に巻いたむしろ(菰:こも)に入り込むので、春先に、集まった幼虫を菰ごと燃やして一網打尽にする目的で行われてきました。
でも、最近、菰の中にはマツカレハの幼虫よりもマツカレハの天敵のヤニサシガメの方がたくさん集まっていることがわかりました。
あんまり、害虫駆除には効果がない事が分かったので、風物詩として行われているようです。
そういうわけで、皇居などでは菰巻き・菰外しは行われなくなりました。
啓蟄は、早春の季節
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今回は、「啓蟄」という言葉を使う時期や正しい意味を中心にご紹介しました。
啓蟄は、二十四節季の三番目の季節で、寒いながらも春の日差しを感じ、虫たちの活動が始まろうとするいい季節だということが分かりましたね。
ちょうど筍や山菜を食べられる季節でもありますから、ぜひ食卓でも春の訪れを感じてみてください。