山笑う・山滴る・山粧う・山眠るの意味。季語の時期や俳句は?
俳句の教室を見かけることが多くなってきました。
以前はテレビで講座を放送していたり、同好の方々が集まって俳句を詠んでいたりということを聞くぐらいでした。
今は大手の趣味の講座を開講しているとこでも数講座開いていますし、通信教育でも見かけます。
俳句は難しそうと思っている方が多いかと思いますが、難しい決まりごとはさほどありません。
これから俳句をいくつか紹介させていただきます。
それを読んで難しいことではなく季節感を感じていただけたらと思います。
・山滴るの意味と時期は?季語に使った俳句は?
・山粧うの意味と時期は?季語に使った俳句は?
・山眠るの意味と時期は?季語に使った俳句は?
俳句とは?
俳句を詠むとき決まりごとは2つあります
・ 五・七・五の音で連なる定型詩であること。
・ 必ず季語が入ること。
これだけなのです。
後はその時感じた思いを言葉にしていくだけです。
上手な歌を詠むとかは、少しづつ勉強しなければなりませんが、まず俳句に親しんでいただくのが一番です。
季語とは?
決まりごとの一つ「季語」とは、春・夏・秋・冬のその季節を表す言葉をいいます。
ちなみに季語が入っていないと川柳と呼ばれます。
その季語も現在5,000以上あるといわれています。
例えば「春」という季節の表す季語には、「梅、桜、鶯(うぐいす)、立春」などがあります。
詳しくは季語の一覧が載っている「歳時記」という本がありますので、参考にしていただければと思います。
それでは実際に「季語」をキーワードに、俳句を紹介させていただきたいと思います。
山笑うの意味と時期は?季語に使った俳句は?
「山笑う(やまわらう)」という季語です。
季節は「春」です。
それでは俳句を紹介させていただきます。
『故郷やどちらを見ても山笑ふ』 正岡子規
『音たてて筑紫次郎や山笑ふ』 熊本たろう
『水底の石のゆらめき山笑ふ』 長谷川櫂
『筆取りてむかへば山の笑ひけり』 蓼太
山滴るの意味と時期は?季語に使った俳句は?
「山滴る(やましたたる)」という季語です。
季節は「夏」です。
この季語は、ほかに「滴る」「苔滴り」の使い方があります
それでは俳句を紹介させていただきます。
『笠一つしたたる山の中を行く』 正岡子規
『ひと亡くて山河したたる大和かな』 角川春樹
『滴りのそばを歩むや鳳来寺』 尾花ゆう花
『滴りの打ちては揺るる葉一枚』 富安風生
山粧うの意味と時期は?季語に使った俳句は?
「山粧う(やまよそおう)」という季語です。
季節は「秋」です。
この季語は、ほかに「野山の錦」「紅葉の錦」「草の錦」の使い方があります。
それでは俳句を紹介させていただきます。
『山の神来てゐるらしき山粧ふ』 井上 雅
『九重を中に野山のにしきかな』 蓼太
『眼をつぶれば今日の錦の野山かな』 高浜虚子
山眠るの意味と時期は?季語に使った俳句は?
「山眠る(やまねむる)」という季語です。
季語は「冬」です。
それでは俳句を紹介させていただきます。
『山眠る如く机にもたれけり』 高浜虚子
『夏も殷も周も滅びて山眠る』 角川春樹
『とぢし眼のうらにも山のねむりけり』 木下夕鶴
『日のさせばあたたかさうに山眠る』 紺野いつみ
季節の情感を端的に表現しましょう。
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山笑う・山滴る・山粧う・山眠るの意味や俳句をお送りしました。
まだほかにも素敵な俳句がたくさん詠まれています。
今回ご紹介した俳句も、詳しい説明はなくても季語の解釈から全体の情感だけでも伝わったことと思います。
ストレートに伝えることも大事ですが、日本人が古来から大事にしている“言葉”を使って表現してみてはいかがでしょうか。
難しいことからではなく、旅先からのお便りに俳句の一つで物語るのも良いかもしれませんね。