梅干しの土用干しの方法。時期や時間帯は?雨や保存の仕方は?
季節が冬から春に向かう頃、梅の花が一面に咲きわたります。
その梅が実をつけるのが、ちょうど6月頃。
青い実はとても香り高く、その香りを生かした梅酒や梅ジュースを毎年楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
そして、梅の加工品といえばもう一つ。
おにぎりの具としても人気の梅干しです。
梅干しはその名のとおり梅を干して作るのですが、その工程はなかなか大変です。
今回は、おいしい梅干しにするために適した時期や作り方をご紹介します。
・梅干しの土用干しの時期はいつ?時間帯は?
・梅干しの土用干しの方法は?ざるがない場合は?
・雨に濡れた場合は?洗っても大丈夫?
・土用干し後の梅干しの保管方法は?梅酢に戻さなくてもいい?
梅干しの土用干しとは?どんな意味があるの?
土用干しとは、夏の土用の時期に行われる「干す」作業のことを意味します。
虫やカビを防ぐために書籍や衣類を干すこともありますし、農業のお米づくりにおける作業工程の一つでもあります。
では梅干しの土用干しは、どんな作業をするのでしょうか?
梅は収穫すると、まず塩漬けにします。
その後、赤紫蘇漬けにすることで、よく知られているあの赤い色が付けられます。
そして、夏の土用の時期に3日間ほど日干しすることを、“梅干しの土用干し” と言います。
梅干しの土用干しの時期はいつ?時間帯は?
梅干しの土用干しをする時期
土用干しは、梅干しを作るうえで最後の仕上げの工程です。
3日間日干しにするので、晴天が続く日を選ばなければいけません。
適しているのは夏の土用の時期と言われていますが、それは梅雨明けの時期だからです。
7月下旬~8月初旬は、一年で最も暑く、晴天が続く日だと言われています。
ただ、戻り梅雨という言葉があるように、梅雨が明けても雨が降ってしまう日はあるので注意が必要です。
土用干しの時間帯
基本的には日光に当てることが目的なので、日中の時間帯が土用干しに適しています。
惜しみなく日光が降り注ぐところならば、1~2時間くらいで裏返した後、さらに1~2時間置きましょう。
1日4時間くらいが目安になります。
おおよそ、11:00~14:00頃の時間帯が最適です。
16:00頃には終えることを目安にしてください。
また、家によって日当たりのよい場所や時間帯も異なります。
午前中のほうが日が当たりやすいのであれば、もう少し早い時間から干してもよいかもしれませんね。
時間によって、日当たりの良い場所へ動かすことも必要です。
梅干しの土用干しの方法は?ざるがない場合は?
梅干しの土用干しの方法
梅干しを土用干しにするには、まず平らなざるに梅を並べていきます。
このとき、梅同士がくっつきすぎないように、適度に間隔を空けるようにしましょう。
そのざるを日の当たる場所に置いておくのですが、できれば風当たりの良さも大切にしたいところです。
ざるの下に大きめのブロックなどを置いて、ざるが地面から浮いている状態を作ることができると、なお良しです。
干し始めたら、1~2時間で一度裏返しましょう。
特に1日目は梅がざるにくっつきやすくなっているので、注意して早めに裏返すほうがよいかもしれません。
ざるがない場合は?
家にざるがない場合は、野菜を外で保存するときなどに使う干物ネットでも代用できます。
そこに梅を並べて吊るしておけば、日も風も当たりやすく立派な土用干しになります。
ざるもネットもない場合
大きめのお盆にクッキングペーパーやオーブンシートを載せて、その上に梅を並べるという方法もあります。
この場合、ざるに比べて風通しが悪いので、カビや菌の繁殖に十分注意をしてください。
雨に濡れた場合は?洗っても大丈夫?
どれだけ気を配っていても、突然の雨で梅が濡れてしまうこともありますよね。
その場合は、すぐに流水で梅を洗ってください。
その後、ざるに並べて日光に当て、水気を飛ばします。
完全に水分が飛んだら、まんべんなく梅酢をつけます。
こうすることで、雨に濡れていない状態の梅に戻すことができます。
そこから、土用干しを再開しましょう。
土用干し後の梅干しの保管方法は?梅酢に戻さなくてもいい?
梅干しの土用干しが終わったら、瓶などの容器で保存します。
すぐに食べることもできるのですが、梅は保存食としても有名なので、しっかりと保存して長く食べられる状態にしておきたいですね。
梅干しの保存の方法ですが、梅酢に戻すか戻さないかというのが大きなポイントです。
どちらでも問題ないのですが、味や食感に違いがあるので、好みによって保存方法を変えるのがよいでしょう。
【保存方法1】そのまま別の容器に入れて保存
干して乾燥している状態の梅なので少し表面が固いのですが、味が凝縮されて濃い梅干しが好きな方、固い食感が好きな方にはこの方法がおすすめです。
また、保存しているうちに梅干しから自然と梅酢が出てくるため、月日を重ねるうちにしっとりとした梅干しになっていくので変化も楽しめます。
こちらの動画は天日干しから保存までの手順がとてもよく分かりますよ。
【保存方法2】一旦梅酢にくぐらせた後、別の容器に入れて保存
梅酢にくぐらせた後に再び干すというのを数日繰り返すことによって、色が鮮やかになり風味も豊かになります。
お好みの味になるまで数日試してみてはいかがでしょうか。
【保存方法3】梅酢に戻してそのまま保存
梅酢に戻して保存することで、しっとりとしたみずみずしい梅干しになります。
ふっくらとした梅干しが好き、梅酢の味も楽しみたいという方におすすめです。
また、長期保存ができるのも特徴です。
土用干しをきっちりこなして、立派な梅干しに
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梅干しの土用干しの方法や保存の仕方などをお送りしました。
梅干しができるまでには工程がたくさんあるので、結構手間がかかりますよね。
その中でも、土用干しが一番億劫だという声もよく聞きます。
3日間を無事に乗り切れるかどうか心配もあると思いますが、「終わり良ければすべて良し」という言葉もあるように、仕上げの段階をきっちりこなしましょう。
梅干しの達人を目指して、おいしい梅干し作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。