精霊馬の意味と読み方!作り方や置き方は?処分の仕方は?
精霊馬は「しょうりょううま」と呼ばれるもの。
お盆の時期に、キュウリとナスで作られた動物のようなものを見たことはありませんか?
子供がいたずらで作ったような変な形をしたものがあるなと思った方もいることでしょう。それが「精霊馬」と呼ばれているもので、ちゃんとした意味もあるんですよ。
子供がふざけて、黒ひげ危機一発ゲームのように適当に爪楊枝をさしたものではないんです。
精霊馬の存在を知っている方も、どのような意味があるのかについては疑問符なところもあると思います。
そこで今回は、精霊馬の気になる意味や由来について、そして精霊馬の作り方から処分方法などについてご紹介します。
今までお盆に用意していなかった方も、意味があり手軽に作ることができるので、次回のお盆ではぜひ精霊馬を作ってみてくださいね。
・精霊馬の作り方や置き方は?
・精霊馬の処分の仕方やタイミングは?
精霊馬の意味や由来は?読み方は?
精霊馬の意味は?
『精霊馬』の読み方は、先程も言いましたように「しょうりょううま」といいます。“せいれいうま”や“せいれいば”とちょっと間違えやすいですね。
そもそもなぜ『精霊』を「しょうりょう」と読むかですが、【せいれい】は自然全てに宿る神様で、【しょうりょう】は死者の魂を意味します。
この場合、お盆に迎え入れるのは亡くなった方の霊魂ですから、読み方は死者の魂の方の「しょうりょう」となるのですね。
そして、精霊馬の精霊はご先祖様の霊のことで、馬は精霊を乗せて運ぶ動物のこととされています。
お盆の時期、ご先祖様の霊があの世とこの世を行き来できるよう、お供え物と一緒に精霊棚や仏壇に飾ります。
精霊馬はキュウリとナスを使用し、キュウリは馬、ナスは牛に見立てて作られます。
ナスは牛に見立てているため精霊牛と呼ばれることもありますが、一般的にはキュウリの馬とナスの牛を総称したものが精霊馬と呼ばれています。
精霊馬の由来は?
なぜ精霊馬で、野菜を馬と牛の動物に見立てるのか不思議ですよね。これにはやはり理由があります。
馬は足の速い動物。ですので、『ご先祖様の霊が少しでも早く帰って来られるように』という願いが込められているんです。
そして牛は歩みの遅い動物。そのため、『一度帰ってきたご先祖様の霊ができるだけゆっくりと帰ってほしい』という名残惜しい気持ちが表現されているんですよ。
さらに牛には、たくさんのお供え物を持ち帰っていただけるようにという意味も込められています。その際に、ご先祖様がお買い物もできるように精霊馬にお金を付ける地域もあります。
キュウリやナスなどの夏野菜を使用する理由として、今年も無事収穫できましたということ報告する意味もあったようですね。
キュウリとナスを用いたものが一般的ではありますが、野菜ではなく藁で精霊馬を作る地域もありますよ。
起源をたどると、宗教的なことではなく、はるか昔の人々が、自然や作物などを深く敬っていた自然崇拝から起こっているともいわれています。
ですので宗教的かどうか気になる方は全然気にしないで大丈夫ですよ。
ご先祖様が馬や牛に乗れない!と心配になるかもしれませんが特に心配はいりません。また馬や牛以外の精霊馬を作っても大丈夫ですよ。
家族でご先祖様のためにわいわい賑やかに作れば、迎えられるご先祖様も嬉しいと思います。
精霊馬の作り方や置き方は?
精霊馬の作り方【動画あり】
精霊馬は、材料さえ揃えられれば誰でも簡単に作ることができます。
作り方をご紹介していきますので、精霊馬を作りたい方はぜひ参考にして作ってみてくださいね。
見た目通りとても簡単なので、子供と一緒に作るのもおすすめですよ♪
【材料】
・ 割り箸2膳
・ キュウリ1本
・ ナス1本
・ とうもろこしのひげ(なくてもOK)
野菜は動物に見えるように、まっすぐのものではなく反りのあるものがおすすめです。
その際、反りは上向きか下向きか前か後ろかで悩むこともあると思いますが、見かけとしては前向きの上側に沿っている方が前に向かって進んでいる感じがして良いと思います。
ただ後ろ側でもしっぽがピンと張って勢いを感じますし、下向きでものんびり歩いている感じもしていいですよね。
向きに決まりはありませんので、好きな方向でいいですよ。
割り箸を割り、それぞれ半分でカットして、全部で8本にします。
ナスが立つように、バランスよく割り箸をさします。ナスのへたは、牛の頭に見立てるためとらないでおきましょう。
とうもろこしのひげでしっぽを作ります。
ナスの牛のできあがり!とても簡単で、自分で作ったものだとなんだか愛着がわきますよね。
今までのやり方と同じように、キュウリにも割り箸を刺し、とうもろこしのひげをつけて、馬を作っていきましょう。
こちらも簡単にキュウリの馬のできあがりです!反りが長いとキリンのようですが、いろんな形があっておもしろいですね。
さらに詳しく知りたい方は、精霊馬の作り方動画も参考にしてみてくださいね。
精霊馬の置き方は?
精霊馬の置き場所は、お盆に時期に作る精霊棚の上か、もしくは仏壇の上に置きましょう。
8月13日の迎え盆では、ご先祖様の霊が帰ってくるので内向きに、8月16日の送り盆では、ご先祖様があの世へ向かうので外向きに置くのが一般的です。
ご先祖様の霊が東から帰ってくるとされている地域では、馬は西向き、牛は東向きに置く場合もありますよ。
地域によって若干の違いはありますが、家庭によっても微妙な違いがあったりしますので、だいたいで大丈夫ですよ。
大切なのは、ご先祖様を送り迎えする気持ちです。
精霊馬の処分の仕方やタイミングは?
お盆の終わる8月16日、送り火をする場合は一緒に焚いて処分をします。
家での処分が難しい場合は、お寺のお焚き上げへ持って行きましょう。
どちらも難しい場合は、精霊馬を塩でお清めしてから半紙などのきれいな白い紙に包み、燃えるごみとして処分します。
自然の摂理に従って、土や自然に還すという方法もあります。たとえば自分の畑で採れたものであれば、その畑に埋めてあげるとよいでしょう。
もしくは川に流すというやり方もありますよ。人工的なものを使っていないので、そのまま流しても大丈夫です。
ご先祖様のための精霊馬
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精霊馬の意味や由来、作り方や処分の仕方などをお送りしました。
お盆の間ご先祖様がこの世に帰ってこられるのはたったの4日間。
少しでもゆっくり過ごしてもらえるよう願いを込めて、精霊馬を作りましょう!
きっとご先祖様も喜びますよ。