【お彼岸2024】春秋の時期や意味は?おはぎとぼたもちの違いは?
お彼岸の時期はあまり正確に覚えていないという方も多いかもしれませんね。
春と秋の2回あることはわかっていても、聞かれると詳しくは答えられなかったりしますよね。
意味なども問われると、お彼岸って?時期はいったいいつなんだっけ?などちょっとあたふたしてしまうかもしれません。
今回は、そんなお彼岸の意味や時期、おはぎやぼたもちの違いなどについてご紹介します。
この記事の目次
お彼岸の意味は?
お彼岸という言葉はよく耳にしても、意味までご存知の方は少ないかもしれません。
お仏壇にお供え物を用意する日だなあ、というくらいになんとなく思いますよね。
お彼岸というのは実は仏教用語。
対義語に此岸(しがん)という言葉があります。
『彼岸』は死後の世界や悟りの境地を指し、現在私たちが存在する迷い多い現世を『此岸』といいます。
また、それぞれ彼岸は西の方角に位置し、此岸は東の方角に位置するとされています。
春分の日・秋分の日は太陽が真東からのぼり、真西に沈むので東と西をつなぐということであの世とこの世が近くなるとされています。
だから、お墓参りに行ってご先祖を偲ぶ時期になっているわけですね。
春と秋のお彼岸 時期と期間は?
お彼岸は毎年あるのになかなか覚えられないですよね。
それは毎年日にちが変わることも影響しているからかもしれません。
“○月○日”と決まっていてくれていれば覚えられるのですが、春分の日や秋分の日は毎年変わりますのでお彼岸の時期も当然変わってきます。
なのでなかなか覚えられないような感覚に陥るのですね。
でも、ポイントとなるのは春分の日・秋分の日ですので、その点を覚えておくと忘れることがなくなりそうですよ。
2024年 春のお彼岸はいつ?
2024年の春分の日は3月20日(水祝)です。
ですから、2024年 春のお彼岸の期間は、
ということになります。
関東では間もなく桜の開花宣言!という頃ですね。
2024年 秋のお彼岸はいつ?
2024年の秋分の日は9月22日(日祝)です。
なので、2024年 秋のお彼岸の期間は、
になります。
夏の暑さがひと段落する頃です。
春のお彼岸と秋のお彼岸の時期を見ると、まさに暑さ寒さも彼岸までですね。
ただ気候の変動もありますので、気候で判断するより日付で見たほうが確実だと思いますよ。
春秋 お彼岸の意味や違いは?おはぎを食べる理由は?
込められた意味の違い
先ほどからお彼岸は春と秋の2回とご紹介してきましたが、春のお彼岸と秋のお彼岸には実は違った意味があるんです。
お彼岸の行事が私たち民衆に広まったのは江戸時代のこと。
そして、明治時代には国家の祭日に定められ、昭和には現在の春分の日・秋分の日となり、国民の休日とされました。
法律によると、
春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日。
秋分の日は「祖先を敬い、亡くなった人をしのぶ」日。
とされています。
自然や生物の息吹を感じる春と、神々や先祖からの恵みや自然の実りに感謝する秋。
大昔から、自然とともに生活してきた私たちに根付いているわけが分かりますね。
お供えする物の違い
お供え物も少しだけ違うんですよ。
“ 春 ” のお彼岸にお供えするのは『ぼたもち』。
ぼた餅という名前は、春のお彼岸にお供えする牡丹に見立てています。
“ 秋 ” のお彼岸では『おはぎ』になります。
こちらもまた、この季節に咲く萩の花に見立てられおはぎとなりました。
お彼岸におはぎを食べる意味は?
よく、お盆には死者の魂が帰ってくるといわれます。
お彼岸には、夜と昼の時間がほぼ同じになることから、あの世(夜)とこの世(昼)の隔たりがなくなり、こちらの気持ちがあちらに通じやすくなる、と言い伝えられています。
(ちなみに昼と夜の長さは、厳密には昼の時間の方が少し長くなっています。)
お彼岸におはぎを食べる意味は、この言い伝えに由来し、一番気持ちが通じるこの時期に、ご先祖様に最高のお供えをして、精一杯の感謝を表したい、と始まった風習なのです。
ご年配の方から「子供の頃、バナナは入院しないと食べられなかった」といった話を聞いたことがある方もいるかもしれません。
昭和初期でさえ、甘いものはそれだけ貴重だったのです。
まして、それ以前はいわずもがなですね。
特にお砂糖は、超高級品でした。
それに加え、栄養価の高い小豆と、贅沢な白米。
この3つの食材で作るおはぎ(ぼたもち)は、最高レベルのお供え物だったというわけですね。
おはぎのほかに、ぼたもちもありますが、この違いについて次にご紹介しますね。
おはぎとぼたもちの違いや由来は?作り方は?
おはぎとぼたもちの違いは?
おはぎとは別に、ぼたもち、という言葉もよく聞きますね。
実は、春のお彼岸に食べていたのは、このぼたもちと呼ばれるもの。
秋がおはぎで、春はぼたもち。
ではこのふたつは違う料理かというとそうでもないんです。
実は材料に違いはありません。
ではどこが違うかというと、おはぎは粒あん、ぼたもちはこしあん。
形も多少違って、おはぎは小さめの俵型、ぼたもちは大きめの小判型をしていることが多いのです。
おはぎの名前の由来は、秋に咲く萩の花。
つまり、“お萩”。
ぼたもちの名前の由来は、春に咲く牡丹の花。
つまり、“牡丹もち”。
形もそれぞれの花の特徴に似せて、おはぎは可憐な萩の花のように小ぶりで長細く、ぼたもちはゴージャスな牡丹の花のごとく、大きく広がっているのですね。
地方によっても風習が変わってくるようですが、使う材料も同じで一見同じに見えてしまうものでも、季節や使う素材の状態で呼び名が変わる。
さすが表現力豊かな日本人。
四季のある国らしく、なんとも風流ですね(^^)
あんこの形状の違いにも、大きな意味があります。
原料のあずきの収穫時期がちょうど秋のお彼岸と重なることから、皮が柔らかく一番美味しい時期の新豆は、風味を堪能できるよう粒あんで、約半年保存された古豆を使う春のお彼岸には、劣化を感じにくいこしあんにして頂く。
それぞれの時期にふさわしいあずきの楽しみ方を、工夫していたというわけですね。
また、ぼたもち(おはぎ)は、お正月のお餅とは違いやわらかいので、“カイモチ(やわらかい餅の意味)”とも呼ばれています。
餅のようにつくのではなく、すりつぶして作るため音がしないことから「夜船」や「隣知らず」とも言われているんですよ。
ほかにも米粒の形状が残っているので「半ごろし」というちょっとおそろしいネーミングもあります^ ^;
作り方は?
それではここで、ごく簡単なおはぎのレシピをご紹介いたしますね。
ぼたもちも材料が少し違うだけでほとんど作り方は同じです。
[材料]
※小さめのもの約15個分
・ もち米 210g
・ 普通の米 90g
米は合わせて2合分となります。
うるち米(普通の米)を3割ほど混ぜて炊くのは、冷めた時にかたくならず、美味しく頂けるようにとの配慮です。
・ 粒あん 800g程度(お好みで)
・ 塩 小さじ1/3
[作り方]
① もち米と普通の米を混ぜてよく洗い炊飯器に入れ、2合の目盛より気持ち少なめに水加減して炊く。すし飯用の目盛がある場合は、そこに合わせるとちょうどよい。
② あんこを50gずつにざっとまるめておく。
③ ごはんが炊きあがったら蒸らさずすぐに塩を混ぜ、すりこぎでご飯粒の食感が半分ほど残るくらいの感じにすりつぶす。やりすぎると粘り気がでてしまうので、ほどほどに。
④ ③を15等分し、俵型にまとめる。
⑤ 掌にラップを広げ、②を丸く平らに延ばす。その上に④をのせ、ラップを沿わせるような要領で包みこみ、形を整えて完成!
あんこはもちろん手作りにこしたことはありませんが、あまり気負わず、市販品を使うのもひとつの手だと思います。
デパ地下や製菓材料店に瓶詰、缶詰、乾燥など、甘さも形状もさまざまなタイプが揃っていますし、和菓子屋さんにもあんこだけを販売してくれるところがありますよ。
もし手作りにチャレンジするのなら、ぜひおばあちゃんやお母さん、お姑さんなどに秘伝のレシピを教えてもらい、家族の絆を深める良い機会にしていただきたいと思います。
上記の作り方とは少し異なりますが、こちらの動画では簡単なおはぎの作り方をご紹介しています。
作りたては格別の美味しさですよ。
『おはぎの作り方』
手作りおはぎで楽しくお彼岸を過ごしましょう♪
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春と秋のお彼岸の時期や意味、おはぎとぼたもちの違いなどについてお送りしました。
お彼岸について今まであまり考える機会はありませんでしたが、お彼岸の時期やお彼岸の持つ意味を確認したことでさまざまな思いがこみ上げてきました。
私の生まれ育った地方ではおはぎやぼたもちではなく、彼岸団子といって祖母や母たちはお団子を作っていました。
おはぎとぼたもちではないですが、春のお彼岸ではよもぎ団子が用意されるんです。
よもぎの旬は春ですから、これも季節を感じるひとつの方法ですよね。
幼いころはよもぎの香りもあんこもあまり好きではなかったですが、今は少し春の暖かさを感じる頃になるとよもぎ団子が無性に恋しくなります。
それぞれができるおもてなしをぜひご先祖様にしてあげてくださいね。