台風の目の意味!大きさや気圧は?中の状態や天気はどうなってるの?
台風に目があるというのを聞いたことはありませんか?
台風は生き物ではないのに、目があるなんて奇妙な感じがするかもしれませんね。
しかし天気図で台風の画像を見ると、台風に『目』があるのが分かります。
今回は、そんな台風の目の意味や仕組みを中心にご紹介します。
・台風の目の大きさや気圧は?
・台風の目の中はどんな状態?天気は?
台風の目の意味は?どういう現象でおきるの?
台風の目とは、台風の中心部の雲がない部分のことです。
台風眼(たいふうがん) と呼ばれることもありますね。
なぜ、中心部を台風の「目」というのでしょうか?
衛星写真で台風の画像を見るとその理由が分かります。
台風全体を衛星写真で見ると、白い雲の塊に見えます。これは中心に向かって風と雲が吹き込んでくるためにそう映ります。
勢力が強い台風の場合は、その中心部分だけに雲がなく、海の青色や、陸の緑色などが見えます。
これがまるで台風の「目」のように見えるのです。
台風の目は勢力が強い証
こちらの動画は宇宙から見た台風の目。
ぽっかりと穴が空いているのがはっきりと分かりますね。
約15秒ほどなのですぐに見れますよ。
でも実は、台風の目は勢力が強いものにしかできません。
台風は低気圧なので、周囲から風が吹き込みます。この風は、反時計まわりに吹いていますが、中心に行くほど速くなります。
風の速度が速いと強い遠心力が働いて、中心部に風が吹けなくなるのです。
しかし、勢力が弱いと風の速度も遅くなるため遠心力も弱くなり、中心部に風が吹きんでしまうのです。
ですから、そういった台風では、台風の目がないということになります。
逆にいうと、目がはっきりしている台風は、勢力が強い台風なので特に注意が必要ということですね。
台風の目の大きさや気圧は?
台風の目の大きさ
台風の目は、上陸するとほとんど目を確認できないような形に変化してしまいます。
海上などでハッキリした目が見える場合、直径100Km近くになることもあります。
地上での大きさは、平均すると直径40km~50kmぐらいです。
台風の目の気圧
台風の目は『熱帯低気圧』という名の低気圧の中心ですから、低気圧になっています。
「中心気圧」という言葉で表されます。
以前は、台風の大きさは天気図上での1000hPaの等圧線の大きさで決まり、台風の強さは中心気圧によって決めていました。
台風の中心気圧はだいたい900hPa台のことが多くなりますが、中心気圧が低いほど強い台風となります。
基準としては、990hpa以上は弱い台風、960~989hpaで並み、930~959hpaは強い台風となります。
900hpaを超えると猛烈な台風という表現が使われます。
台風の目の中はどんな状態?天気は?
こちらの動画は台風や台風の目の動きを約5分間にまとめたもの。
ひたすら反時計回り(左回り)に回転しているのが分かりますね。
実際の動きはこれよりもはるかにゆっくりとしたスピードです。
動画を見ると一見中心も回転しているように見えます。
しかし、台風の目の中の天気は、快晴で無風です。
天気図で台風の目の部分には雲がありませんよね?
雲がないので雨もなく、風もないのです。
強い台風に直撃された時、台風の中心が自分のいる場所を通過すると、大雨や暴風が吹き荒れていたのに、急に晴れることになります。
「台風の目に入った」状態なので、台風が去ったわけではありません。
台風の目の周囲は、最も風雨が強い部分です。
台風の目の中にいるのは、数分~数十分程度。
台風の目を出ると、ふたたび吹き返しの風と雨に襲われます。
台風が直撃して急に晴れた時には、台風が去った訳ではなく、台風の目に入っただけかもしれませんから、油断しないようにしましょう。
台風の目から分かること。
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台風の目の意味や仕組みについてお送りしました。
「台風の目は、勢力の強い台風の中心に現れる雲のない部分」ということ。
「台風の目の中は、雲がないために晴れている」ということが分かりましたね。
勢力の弱い台風には、台風の目がありません。
逆に台風の目がハッキリした台風が近づいてきたら、強い台風なので、警戒しましょう。