節分の食べ物の由来と意味。恵方巻き・いわし・そばの理由は?
全国的に、節分には豆を撒き「鬼は外、福は内」と叫ぶイベントですが、いつごろから節分行事をするようになったのでしょうか。
節分の言葉の意味は、季節の境目のことでした。
本来は節分は4つあるのです。
立春、立夏、立秋、立冬の季節があります。
それらの境目が節分でした。
例えば立春は、太陽黄経が315度になる瞬間をいいます。
節分は立春の前日になります。
太陽の黄経によるので、毎年節分は前後します。
2月3日が多いですが、3日が節分なのは、1985年から2024年までのことになります。
2日から5日まで変化する年もあるのですね。
3日だと思い込んでおられた方も多いのではないでしょうか。
さて、その節分の由来や節分の行事に食べられるものには、どのような意味があるのでしょう。
地域によりその風習はさまざまのようです。
今回は、節分の食べ物の由来や、意味についてご紹介します。
・節分に恵方巻きやいわしを食べる意味や由来は?
・そばやけんちん汁、こんにゃくを食べる意味は?
・福茶とは?飲むようになった由来や作り方は?
・ほかにも節分におすすめの縁起の良い食べ物はある?
節分に恵方巻きやいわしを食べる意味や由来は?
節分に恵方巻を食べるのは?
御酢商組合が販売促進のために、歳徳神のいらっしゃるその年の恵方を向いて事をなすと福に恵まれることから、「巻き寿司を恵方を向いて丸かぶりすると福がある」と、チラシを撒いて宣伝したのがはじまりでした。
豆まきは?
節分は古来、中国から伝わった追儺の儀式を宮中で執り行ったのが、節分行事のルーツと言われています。
禍を表す鬼を追い払うのです。
豆まきは追儺の儀式の際に、神社の風習としてあった豆打ちの儀を習合して執り行われ、それが民間にも伝わったものとされています。
豆を撒くほか、数え年の数の豆を食べたりします。
豆には、魔(オニ)の目の意味でマメという説と、京都の鞍馬山に鬼が出たときに毘沙門天のおつげで鬼の目に豆を投げつけて退治した説があります。
節分にいわしを食べる理由は?
そもそも節分には、鬼を除けるために魔除けとして焼いたいわしの頭と柊(ひいらぎ)を玄関に飾る風習があったのです。
いわしは臭いもの、柊はトゲがあって痛いもので、いずれも鬼が嫌うものでした。
玄関に柊にいわしの頭を刺してかざったのです。
頭をとった身は食べていたわけです。
古くは「土佐日記」の中に、平安時代の正月の注連縄に、柊の枝と「なよし(ぼら)」の頭がさしてあったとの記載があります。
「ぼら」は「いわし」に変わりましたが、古い歴史のあるものなのですね。
そばやけんちん汁、こんにゃくを食べる意味は?
節分にそばを食べる由来は?
節分にそばを食べる地域は、出雲地方で主に食べられ、山陰や長野県でも節分そばが食べられているようです。
いずれもそばの産地ですね。
昔は、『節分に食べるそばを「年越しそば」と呼んでいた』そうです。
立春が一年の始まりという考え方もあり、立春の前日である節分が「年越し」にあたるというわけです。
江戸時代には節分を年越しと考える方が多かったようです。
節分にけんちん汁を食べる由来
けんちん汁は、関東地方で節分に食べられているようですが、もともとは、神奈川県の建長寺に由来する精進料理でした。
普茶料理の野菜や豆腐を炒めて、油揚げか湯葉で巻いて揚げた「ケンチャン」と合わさりアレンジされて、
現代のような、大根、にんじん、さといも、こんにゃく、豆腐、ゴボウなどをゴマ油で炒め、出しでのばした“けんちん汁”となったという説もあります。
精進料理で身体が温まるので、寒い頃の節分の行事や初午やえびす講などでも振舞われていたそうです。
節分にこんにゃくを食べる由来
こんにゃくを節分に食べだしたのは四国地方の風習らしく、大晦日に大掃除したあとに身体の大掃除としてこんにゃくを食べたそうです。
昔はこんにゃくを「腸の砂降ろし」と呼び、デトックスとして食べていたわけですね。
福茶とは?飲むようになった由来や作り方は?
平安時代、疫病が流行したときに、空也上人が疫病を鎮めようと、十一面観音像を彫り、その観音様にお供えした『梅と昆布を入れた茶』を飲んだ多くの病人が快復し、病床であった村上天皇もその茶を飲んで快復しました。
村上天皇は以来、それにちなんで年のはじめにお茶を飲むようになり『皇服茶』と呼ばれました。
皇服茶は、幸福をもたらす意味とされ「大福茶」と呼ばれ、庶民の間でも年のはじめに飲まれるようになりました。
昔は節分も年の初めとされていたので、節分の日に「福茶」が飲まれるようになったと言われています。
【服茶のレシピ】
豆、昆布、梅干し、山椒に煎茶やお湯を注ぎます。
ほかにも節分におすすめの縁起の良い食べ物はある?
節分によく食べられるもの7つ
恵方巻の代わりに、巻くところが似ている「節分ロールケーキ」もコンビニで見かけますね。
これなら小さなお子さんも、丸かぶりできますね。
節分にくじらを食べる地方
山口県では、節分にくじらを食べるのだそうです。
くじらは“大きい”の代表で、志を大きく、心は広くの意味があるそうです。
節分のルーツは平安時代に宮中で執り行われていた追儺がはじまり
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節分の食べ物の由来や意味についてお送りしました。
その宮中の追儺行事を今も引き継いでいるのが、平安神宮の『大儺之儀(だいなのぎ)』です。
古式ゆかしい節分行事ですね。
「平安神宮 節分祭」
鬼を退治する役の呪術師を方相氏といい、中国の古い文献には方相氏は熊の毛皮を被り、4つの目のある黄金の面をつけていたそうです。
いつしか方相氏も鬼と同一視され、鬼の面を被った方相氏が鬼を退治する節分行事を執り行っている神社もあります。
いずれも見ごたえのあるイベント行事として人気があるようです。
立春の前に厄を祓い、福を招く節分行事。
お子様たちに由来を説明しながら、節分行事を楽しまれてはいかがでしょうか。
興味を持って節分料理を食べていただいて、皆様のご家庭に福が招かれますように願っております。