【小寒2025年】時期と意味。寒の入りや寒の明けとは?寒の内は?
日本には春夏秋冬よりもさらに細かく分けられた季節の節目がたくさんありますね。
冬の最も寒い時期を表す『小寒』や『大寒』、「寒の入り」や「寒の明け」といった言葉を見聞きすることもあると思います。
今回は、小寒の意味や時期、寒の入りや寒の明け、寒の内などについてご紹介します。
小寒の時期の花や、寒の入り・寒の明けを使った俳句、寒の内にある寒四郎や寒九、そして寒の戻りについてなど、小寒に関わるさまざまなことをお伝えしていきます。
この記事の目次
『寒の入り』『寒の明け』とは?寒の内は?
『寒の入り(かんのいり)』は、字を見ただけで、寒い季節の訪れを感じますね。
でも、「寒の入り」は、気温によって決まっているわけではありません。
二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつ、『小寒(しょうかん)』が「寒の入り」と呼ばれているのです。
つまり “ 小寒=寒の入り ” というわけですね。
小寒についてはこちら。
小寒は二十四節気の23番目にあたります。
ちなみに二十四節気というのは、中国で生まれた暦で、日本では江戸時代から使われて生活に根付いてきました。
寒の期間(すごく寒い時期)は、小寒などの冬真っ只中の頃から暦上の春となる立春の日(2/4頃)まで続きます。
この小寒から立春の前日までの間を『寒の内(かんのうち)』または『寒中(かんちゅう)』といいます。
そして、立春のことを、『寒の明け』といいます。
小寒2025年の時期や期間は?
小寒は二十四節気の1つで、23番目ということをお伝えしました。
そして小寒は寒さが一段と厳しくなる頃でもあり、別名「寒の入り」ともいわれていますね。
二十四節気の順番でいうと、冬至 → 小寒 → 大寒 となります。
今年の小寒の時期と期間はこちら。
[2025年 小寒の時期]1月5日(日)
今後3年間の小寒の時期はこちら。
[2026年]1月5日(月)
[2027年]1月5日(火)
[2028年]1月5日(水)
小寒の次の大寒が1月20日なので期間はこのようになります。
[2025年 小寒の期間]1月5日(日)~ 19日(日)
そして、前述しました “寒の内” と “寒の明け(立春)” はこちら。
[2025年 寒の内]1月5日(日)~ 2月2日(日)
[2025年 寒の明け(立春)]2月3日(月)
なお、大寒については下記の記事をご参照ください。
→ 大寒の時期と意味。過ごし方や縁起の良い食べ物は?
小寒の七十二候は?
小寒は例年1/5頃で寒さが極まる直前頃、まさに寒の入りです。
小寒は二十四節気の1つですが、実はそれぞれをさらに細かく分けた七十二候というものも存在します。
小寒の約15日間にあたる3つをご紹介します。
芹乃栄(せりすなわちさかう・せりさかう)
1/6~9頃:水辺に芹の苗が群れはえてくる頃。
1/7の人日の節句には七草粥を食べる風習があります。
七草粥に使う春の七草は、せり、なずな、ごぎょう(ははこぐさ)、はこべら(はこべ)、ほとけのざ(こおにたびらこ)、すずな(かぶ)、すずしろ(大根)です。
旬の魚:鱈(たら)
旬の日:1/7はつめきりの日‥新年が明けて初めて爪を切る日
旬の行事:どんど焼き
水泉動(すいせんうごく・しみずあたたかをふくむ)
1/10~14頃:凍っていた泉の水(地下水)が動き始める頃。
旬の野菜:春菊‥カロテン豊富
旬の魚:氷下魚(こまい)
旬の草花:柊(ひいらぎ)
旬の兆し:寒九(かんく)の雨‥寒の入りから9日目に降る雨のことで豊作の吉兆とされている
旬の行事:鏡開き、十日えびす
雉始雊(ちはじめてなく・きじはじめてなく)
1/15~19頃:きじが鳴きはじめる頃(オスのメスへの求愛)。
1/15は小正月で、旧暦では満月のタイミング。
女性がやっと一息つけることから別名、女正月ともいわれています。
旬の野菜:蕪(かぶ)‥別名すずなで、春の七草の1つ。葉にはカロテン、カルシウム、鉄分、白い部分にはビタミンC、カリウムが豊富。
旬の魚:鮟鱇(あんこう)
旬の野鳥:雉(きじ)
旬の草花:蝋梅・臘梅(ろうばい、別名は臘月・ろうづき)
寒四郎や寒九の意味は?寒の戻りは?
寒の内の期間には、小寒や大寒のほかにも“寒”を使った表現がいくつかあります。
一つは『 寒四郎(かんしろう)』。
寒四郎とは、寒の入りから4日目のことで、この日の天候がその年の収穫を表すという、いわば占いのような日でした。
寒四郎の日が晴れていればその年は豊作、雨や雪など悪天候であれば凶作とされていました。
もう一つは『 寒九(かんく)』です。
数字の通り、寒の入りから9日目のことで、寒四郎と同じく天候でその年の収穫を占っていました。
寒九の場合は寒四郎とは反対で、雨が降ると恵みの雨と考えられ、豊作になるといわれていたそうです。
寒九に降る雨のことは「寒九の雨」と呼ばれていましたよ。
寒の戻りとは?
「寒」を使った季節を表す言葉に、『寒の戻り』があります。
寒の戻りとは、寒の明けである立春(2/4頃)から4月頃の間、春に向かいだんだんと暖かくなってきたと感じていたところで、急に冷え込んでしまうことです。
低気圧の通過後、西高東低の気圧配置になることがあり、一時的に寒気が流れ込んできてしまうのです。
まるで「寒」の時期に戻ったような寒さになってしまうので、寒の戻りと表現するわけですね。
小寒の時期に咲く花は?
「小寒」のころは花が少ない時期ですが、その分咲いている花が鮮やかに見える時期でもあります。
小寒の頃に見頃を迎える花をご紹介しますね。
蠟梅 (ろうばい)[「蝋梅」「臘梅」]
十二月下旬から春先まで咲く梅に似た花です。
原産地は中国で、17世紀ごろ日本に渡来したとされています。
別名「唐梅(からうめ)」、「南京梅」、「金梅」。
香りが梅よりも強いので「香梅」ともいわれています。
水仙 (すいせん)[雪中花(せっちゅうか)]
春先から咲く品種もありますが、冬に見頃を迎える水仙も多いです。
早咲きの水仙が見頃を迎えるのは、正に小寒の頃です。
寒椿 (かんつばき)
名前に「寒」がつくだけに、冬の寒さ厳しい時期に見頃を迎えます。
山茶花 (さざんか)
寒椿と見た目も時期も似ているために混同されやすい花です。
童謡「たき火」にも登場する、冬を代表する花ですね。
寒の内に行われる行事は?
寒稽古
寒の内に行われる代表的な行事に、「寒稽古」や「寒中水泳」があります。
寒さが最も厳しくなる寒の内だからこそ、寒さに耐えることで身体や心を鍛えられるとして昔から行われてきたのでしょう。
寒中見舞い
また、身近な行事としては、「寒中見舞い」がありますね。
寒中見舞いは寒の内に出す季節の挨拶状で、厳しい寒さの中、相手の身体を気づかうメッセージを送るものです。
寒中見舞いは、喪中で年賀状を送ることができない場合や、松の内(1月7日)までに年賀状を送ることができなかった場合に寒中見舞いを出すことが一般的ですよね。
寒中見舞いは松の内が終わった1月8日以降に出すようにしてくださいね。
また、立春(2/4頃)を過ぎてしまった場合は、「余寒見舞い(よかんみまい)」となります。
七草粥
1月7日の人日(じんじつ)の節句(七草の節句)には、七草粥を食べる習慣がありますね。
春の七草は、邪気をはらい、健康になるとされています。
この春の七草が入った粥を食べて一年間の無病息災を祈る七草粥は、お馴染の習慣ですね。
せり
なずな
ごきょう(ははこぐさ)
はこべら(はこべ)
ほとけのざ(こおにたびらこ)
すずな(かぶ)
すずしろ(だいこん)
『寒の入り』『寒の明け』を使った俳句は?
寒の入りや寒の明けを使った俳句をご紹介します。
寒さが始まったことを感じさせる「寒の入り」の俳句と、寒さがゆるみ暖かさを感じられる「寒の明け」の俳句の対比を楽しんでみてくださいね。
“寒の入り” を使った俳句
月花の愚に針たてん寒の入 松尾芭蕉
よく光る高嶺の星や寒の入 村上鬼城
寒に入る日の新聞をひろひよみ 星野立子
すべり台児は頭から寒に入る 萩山栄一
“寒の明け” を使った俳句
ふるさとの菓子噛み割りし寒の明け 横光利一
寒明くる白い障子を北にはめ 清水径子
寒明けぬ鳥の名前のひとつずつ 永末恵子
けものらの耳さんかくに寒明けぬ 三橋鷹女
「寒」を楽しむ心も忘れずに
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小寒の意味や時期、寒の入りや寒の明けなどについてお送りしました。
美しい四季をしっかりと感じられるのは日本ならではの特権です。
寒い時期には寒さに負けてしまいそうにもなりますが、冬の「寒」を一つの風情として楽しむ心も忘れずに持ち続けていたいものですね。