ヒートショック対策と予防!症状は?温度差のある入浴時に注意!
寒い冬になると必ずと言っていいほど耳にするヒートショックという言葉。
メディアなどで取り上げられることもありますよね。
「入浴の際に気を付けて」と聞いたりもしますが、ヒートショックとは一体どのようなものなのでしょうか。
また、ヒートショックにならないためには、どのように対策し予防したら良いのでしょうか。
今回は、意外と知っているようで知らないヒートショックについてまとめてみました。
・ヒートショックとは?どんな症状のこと?
・ヒートショックになりやすい人や状況は?
・ヒートショックにならないために予防しよう!
・ヒートショックになったときの対処方法は?
ヒートショックとは?どんな症状のこと?
ヒートショックという言葉を耳にしても「なんだか危なさそうだけど私には関係なさそう。」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし場合によっては、命の危険になることもある恐い現象。
ぜひ、ならないよう対策し予防したいものです。
まずは、ヒートショックとは何なのか、詳しくみていきましょう。
ヒートショックって何?
ヒートショックとは「短時間の急激な温度変化によって血圧が急激に上昇したり下降する現象」のことを言います。
例えば、「真冬に暖かいリビングから寒い脱衣所へ移動し、服を脱いで暖かい浴室に入る」などの状況がこれに当てはまります。
この時の血圧は次のように変動しています。
1.寒い脱衣所へ移動するときに、身体から熱が奪われないよう毛細血管が収縮するため、血圧は上昇。
2.湯船の熱いお湯に触れると、交感神経が緊張し、血圧は上昇。
3.肩までしっかり湯船に浸かると、心臓に負担がかかり、さらに血圧は上昇。
4.湯船の中で体が温まると血管が拡張し、血圧は急激に下降。
5.湯船から出ると水圧がかからなくなり、血圧はさらに下降。
6.そしてまた寒い脱衣所へ移動すると、再び毛細血管が収縮するため、血圧は急激に上昇。
このように、短時間の間で血圧の変動が大きいと、身体にはかなり大きな負担が掛かっていることになります。
ヒートショックになると、どんな症状が出るの?
ヒートショックの原因は「短時間の急激な温度変化によって血圧が急激に上昇したり下降する」ことが原因だということがわかりました。
が、実際にヒートショックになってしまった場合、どのような症状が現れるのでしょうか。
人によって様々ともいわれていますが、その中でも多いといわれている主な症状は次の3つです。
1.脈が速くなり動悸がする
2.激しい胸の痛み
3.激しい頭痛や意識障害
これらの症状は、急激な血圧の上昇・下降いわゆるヒートショックが原因で、心筋梗塞や脳梗塞が起きることで現れる症状です。
軽症で済めば良いですが、後遺症が残ったり最悪命に関わる場合もあります。
実際、このヒートショックが原因で年間に約1万人以上の方が命を落としているといわれていますので、正しく対策し予防することが大切だといえますね。
ヒートショックになりやすい人や状況は?
ここまでで、ヒートショックの原因や症状は分かりました。
一定の条件が揃うと、誰であってもヒートショックになってしまうということになりますが、その中でもヒートショックになりやすい人や状況があるといわれています。
ヒートショックになるリスクが高い人とは?
ヒートショックになりやすいといわれている方の特徴は
1.高齢者の方
2.心臓に持病がある方
3.糖尿病や肥満症、無呼吸症候群の方
といわれています。
これらに当てはまる方は、血圧が高めの方が多いのが特徴です。
この「高血圧」こそがヒートショックになるリスクを高めているということなのです。
該当する方はヒートショックにならないよう、しっかり予防しましょう。
ヒートショックになりやすい状況とは?
ヒートショックになりやすい人がいるということは分かりましたが、さらに、ヒートショックになりやすい状況や環境もあります。
1.リビングなどに比べ、トイレや浴室が寒い
2.熱いお風呂や一番風呂に入る
3.飲酒後に入浴する
これらの状況や環境は、温度差が激しいため血圧の上昇・下降も激しくなります。
ヒートショックが起こりやすくなるので、正しく対策しヒートショックにならないようにしましょう。
ヒートショックにならないために予防しよう!
ヒートショックになりやすい人や状況、環境についてわかりましたが、中には「わたし、該当しちゃってる」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、そんな方でも大丈夫。
次はヒートショックにならないための予防法をご紹介します。
浴室や脱衣室を暖かくする
各お部屋ごとの温度差がヒートショックを起こす原因になるということがわかりました。
であれば、できるだけ温度差が出ないように対策すればいいのです。
具体的には浴室暖房などを利用することが理想ですが、なかには浴室暖房が備わっていないというお宅もあるでしょう。
その場合、脱衣室は暖房器具を置くことで暖かくすることができます。
また、浴室は浴槽にお湯を溜める際、シャワーで高い位置から浴槽に向かってお湯を出すことで浴室全体を温めることができます。
入浴の仕方を工夫する
日常生活の中でも、入浴するときが温度差を感じやすく、同時に血圧も上昇・下降しやすくなります。
できるだけ温度差を少なくするように心がけたいものですね。
具体的には、一番風呂は避けて二番目以降に入浴することや、浴槽のお湯の温度を38℃~40℃のぬるめに設定する。
また、いきなり浴槽に浸かるのではなく、かけ湯などをして体がお湯の温度に慣れてから半身浴をするなど、身体に負担の少ない入浴を心がけましょう。
見落としがちなトイレも気を付けましょう
ヒートショックといえば、気を付けるのは入浴時と思いがちですが、実は見落としやすいトイレも注意が必要です。
暖房器具を設置するなどの対策をして、暖かくしておきましょう。
また、いきみすぎたりした場合も心臓へ負担がかかるので、排便の際は気を付けましょう。
ヒートショックになったときの対処方法は?
もしも、ヒートショックになって倒れてしまったら…どのように対処したら良いのでしょうか。
救急車を呼ぶ
まずは、必ず救急車を呼んでください。
ヒートショックが起こった場合は、それが原因で心筋梗塞や脳梗塞になっている場合があります。
命に関わることも考えられますので、早めの対応が肝心です。
呼吸・意識・脈があるか確認する
呼びかけたり、鼻や口元に手をかざすなどして、呼吸や意識の有無を確認しましょう。
脈は手首では分かりにくくなっていることもあるので首元で確認するのが好ましいようです。
そして、呼吸がない場合は人工呼吸や心臓マッサージで心肺蘇生を試みます。
いびきや嘔吐がみられる場合は要注意!
いびきは脳の血管に障害がみられる場合によくみられる症状です。
この場合は重症であることがほとんどだそうです。
また、嘔吐も吐物が喉に詰まり窒息する恐れがありますので、ガーゼを手に巻いて掻き出すなどして、喉に詰まらないよう対処しましょう。
そしてこの、いびきや嘔吐の症状がみられた場合は脳の血管の障害が疑われるので、絶対に頭を動かしてはいけません。
ヒートショックは正しく対策し予防しよう!
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いかがでしたか?
「ヒートショック」と聞いただけでは想像もできないくらい、最悪の場合は命に関わることもある、とても恐ろしい現象だったのですね。
年齢なども関係なく一定の条件が揃えば、誰にでもなる可能性があるものということも分かりました。
正しく対策をしてヒートショックを予防し、今年の冬も元気に乗り越えましょう。