上様の意味と由来。読み方は?領収書の宛名は認められない?
仕事で使った経費を精算する時には、必ず領収書が必要となりますね。
その領収書をもらう時に宛名を書いてもらうのですが、お店側から「上様でいいですか?」と聞かれたりしたことがあるかと思います。
社会人になりたての方でしたら「上様って何?」と疑問に思ったはずです。
そこで領収書に「上様」と書かれるようになった由来や意味などを含めて、領収書について調べてみたいと思います。
・上様の意味は?読み方は?
・上様が領収書で使われる由来は?
・領収書の宛名に上様と書いても大丈夫?税務署に経費と認められない?
上様の意味は?読み方は?
「上様」の意味は?
「上様」と言うのは、自分より年上の方に対して敬うという意味を持っています。
お店の方や取引先の方にとっては、お客様という立場が上の方に当たりますので、「上様」という言葉が使われるようになったようです。
「上様」の読み方は?
読み方は2通りあり、「うえさま」もしくは「じょうさま」と読みます。聞き慣れているのは「うえさま」のほうが多いと思います。
上様が領収書で使われる由来は?
では領収書に「上様」が使われるようになったのは、どのような意味からなのでしょうか。「上様」の由来については2つあります。
テレビの時代劇などで将軍様を呼ぶ時「上様」と呼びますね。
この場合はとても偉い方の氏名を呼ぶのは失礼に当たるということで、それに変わる呼称として「上様」が使われるようになりました。このとき読み方は「うえさま」になります。
お客様の中でも特に上の呼称として「上客様」「上得意様」という言葉があります。
それを省略して「上様」となったとされています。このとき読み方は「じょうさま」になります。
このようにお店の方にとってお客様は立場が上にあたり、「その方の会社や氏名をそのまま書くのが失礼になるのでは」とか「お名前を伺うのは失礼に当たるので」と考えるお店側の都合により、領収書に「上様」という言葉が書かれたようです。
領収書の宛名に上様と書いても大丈夫?税務署に経費と認められない?
それでは領収書に上様と書いてあったのなら、税務署ではどのように扱われるのでしょうか。
領収書に必要なことは?
まず領収書に書かなければいけない事項は次の4点です。
・日付
・宛名
・金額
・領収者
これらから考えて領収書にはきちんとした宛名が必要となります。
「上様」という表示は漠然としたものであり、誰かを指しているわけではないので、この場合は会社の経費として申請をしたとしてもわからないことになります。
消費税法上においては?
消費税法第30条及び施行令49条というものがあります。
この税法によりますと、
ことになっています。
ですからこの場合に限り、「上様」でも効力があると考えられています。
ただし税務署ではこの扱いがあったとしても、税務署より前の段階での会社に提出の際には、金額にかかわらず宛名が「上様」の場合は、経費として認めてもらえないというところがほとんどのようです。
レシートの扱いは?
予備知識としてですが、レシートも領収書と同じ扱いが受けられます。
消費税が導入されてから、レシートにも日付・金額・購入したもの・人数(飲食店においては)などが記載されています。
ただしレシートも宛名を記入する欄がありませんので、会社によっては経費として認められないというところもありますので担当の係の方に確認は必要です。
「上様」は使われなくなってきています。
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領収書は“誰が誰に対して支払いをした”という証明書です。
便利に使われていた「上様」という漠然とした宛名は、今ではほとんど取扱ができなくなってきているようです。
ですが名前を名乗っても聞き取りづらい場合や、むずかしい場合がありますよね。
その時は名刺を見せて書いてもらうとか、宛名を他のメモに書いてその通りに書いてもらうとかの心遣いをすると、スムーズに領収書の発行がされるのではないでしょうか。