彼岸花(赤・白・黄色)【花言葉と由来】別名や英語名は?不吉な花?
彼岸花はその名の通りお彼岸の頃に咲く花。
それほど花に興味がない方でも、すぐに赤い花を思い浮かべることができるのではないでしょうか。
古くから日本人に親しまれた花ですが、それだけにいろいろと迷信や言い伝えが多い花でもありますよね。
今回は、彼岸花に関する言い伝えや花言葉、由来などをご紹介します。
由来をひも解くと、ぎょっとするような迷信にも深い意味があったりして、興味深いですよ。
この記事の目次
彼岸花(赤・白・黄色)の花言葉は?由来は?
彼岸花は赤というイメージをお持ちの方がほとんどだと思いますが、赤以外の色もあります。
彼岸花はもともと中国が原産で、日本では稲作の伝来と共に広まりました。
原種は、白、赤、黄、オレンジ、ピンクなどの色があります。
何百という品種があって、品種改良でどんどん新しいものが生み出されています。
『松戸市 祖光院の彼岸花』
花言葉は?
花言葉も色によって違います。
白色:思うはあなた一人、また会う日を楽しみに
赤色:情熱、独立、再開、あきらめ、悲しい思い出、思うはあなた一人、また会う日を楽しみに
黄色:追想、深い思いやりの心、悲しい思い出
赤い彼岸花は、“赤”のイメージから、情熱・独立など華やかな花言葉も付けられています。
そのほかは、「悲しい思い出」や「再会」など、別れを連想させるものが多いですね。
やはり、お彼岸に咲く花で、墓場でよく見られていることから連想されたものだと言われています。
想うはあなた一人、の由来は?
また、白い彼岸花の「想うはあなた一人」には、彼岸花の咲き方から付けられた花言葉とされています。
彼岸花は、長い茎の上にだけ花だけが咲き、花が落ちてから葉が出ます。
この様子を韓国では、「葉は花を想い、花は葉を想う」として「相思華(サンチョ)」と呼び、この花言葉ができたといわれております。
彼岸花別名は?英語名は?
彼岸花にはたくさんの別名があります。
代表的なものだけでもこれだけあります。
曼珠沙華(まんじゅしゃげ、かんじゅしゃか)
死人花(しびとばな)
地獄花(じごくばな)
幽霊花(ゆうれいばな)
剃刀花(かみそりばな)
狐花(きつねばな)
捨子花(すてごばな)
毒花(どくばな)
痺れ花(しびればな)
天蓋花(てんがいばな)
狐の松明(きつねのたいまつ)
狐花(きつねばな)
葉見ず花見ず(はみずはなみず)
雷花(かみなりばな)など。
なんだか不吉な印象の名前が多いですが、別名が多いということは、それだけ生活に密着して親しまれてきたということでもありますね。
ちなみに学名は放射線状に花が咲く姿から、ラテン語で放射状を意味する「Radiata(ラディアータ)」。
正式には『Lycoris radiata(リコリス ラディアータ)』といいます。
radiataは放射状を意味する言葉ですが、Lycorisは海神ネレウスの美しい娘たちの一人、海の精「Lycorias(リコリアス)」からきています。
英語名は、『Spider lily(スパイダーリリー)』です。
英語(英名)の「レッドスパイダーリリー」は、その花姿がクモに似ていることに由来しています。
また、「ハリケーンリリー」は、彼岸花が咲く時期に、欧米ではハリケーンが頻繁に起こることから名付けられました。
海外で呼ばれる名前には怖い印象はありませんね。
彼岸花は不吉な花?恐い名称をもつ理由は?
日本では、彼岸花は不吉な花という印象が付きまといますね。
名前にもそれが表れています。
そもそも、「彼岸花」という花の名前も、「お彼岸の頃に咲く花」という意味のほかに、「飢餓の時に食べて飢えを凌いだ悲願の花」という意味も込められていると言われています。
彼岸花が不吉な花とされる理由は?
「死人花(しびとばな)」や「地獄花(じごくばな)」などの恐ろしい名前は、どのような由来があるのでしょうか。
彼岸花が、墓地の近くに咲くことから連想された名前ですが、それだけではありません。
彼岸花は、花が咲いた後に葉っぱが伸び、秋に咲いて春に枯れるという通常の草花とは逆の生態をもっています。
その葉と花を一緒に見ることがない性質から「葉見ず花見ず」と呼ばれ不吉な花とされたのです。
恐い迷信の由来は?
彼岸花にまつわる迷信も恐ろしいものが多いですね。
「彼岸花を摘むと死人がでる」
「彼岸花を摘むと手が腐る」
なぜこんなにも恐ろしい迷信が生まれたのでしょうか。
「火事になる」というのは、花色や花姿が炎を連想させるからでしょう。
「死人が出る」「手が腐る」という言い伝えは、彼岸花のもつ毒によるものとされています。
彼岸花にある毒は不用意に食べると大変危険なのです。
子供が誤って触ったり、口にしたりしないように、危険な花だと言い聞かせてきたのでしょう。
天界に咲く花
こうやって見てみると、なんだかかわいそうなぐらい不吉な印象ばかりですが、「曼珠沙華(まんじゅしゃげ・かんじゅしゃか)」という名前には良い意味があります。
「曼珠沙華」とは、サンスクリット語で、「天界に咲く花」「見る者の心を柔軟にする」 という意味があります。
「おめでたいことが起こる兆しに天から降ってくる花」とされているんですね。
彼岸花が田んぼやお墓の周りに多く見られるのはなぜ?
彼岸花にはアルカロイドという毒があります。
昔は土葬だったため、遺体を動物が掘り起こしたりしないために彼岸花を植えました。
田んぼの畦道(あぜみち)に彼岸花が多いのも、その毒でモグラや野ネズミを防除する意味がありました。
それだけではなく、飢饉に備えて植えたという説もあります。
彼岸花の毒は、水によくさらすと抜けます。
そして、彼岸花はでんぷんを多く含んでいるので、毒さえ抜けば食べられるのです。
ですから、昔は飢餓に苦しい時に、危険を覚悟して毒を抜いて食用にすることもあったそうですよ。
彼岸花を見に行くなら
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彼岸花の花言葉や由来をお送りしました。
彼岸花の開花の時期は、9月下旬あたりです。
自生している原種は彼岸である秋分の日前後に花を咲かせます。
品種改良によって7~10月頃までに見頃の時期を迎えるものもでてきました。
また、乾燥状態が続いた後に大雨が振ると、一斉に花が咲くという現象があります。
これが「雨後の彼岸花」とも呼ばれる由縁です。
もし彼岸花を見に出かけるなら、雨が止んだ後を狙うとよいですよ!