伏見稲荷大社の千本鳥居!意味や由来は?所要時間や本数は?
京都には素敵な観光地が多いですよね。
なかでも有名な場所の1つが伏見稲荷大社の千本鳥居。
伏見稲荷大社は京都市内にある由緒正しい神社で、特徴的な深紅の鳥居がとても目を引きます。
真っ赤な鳥居がトンネルのようにずらりと並んだ千本鳥居の写真は、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか。
きれいな赤い鳥居が山の上まで続いている光景は圧巻!
「千本鳥居」はなぜ建てられているのか?など素朴な疑問もでてきますね。
いろいろ知っている方がより楽しめます。
今回は、伏見稲荷大社の千本鳥居の歴史や意味、観光のポイントなどについてご紹介します。
この記事の目次
伏見稲荷大社の千本鳥居の意味は?由来や歴史は?
伏見稲荷大社は「お稲荷さん」の愛称で知られる稲荷神社(全国に約3万社)の総本宮。
主祭神は「宇迦之御魂大神」で商売繁盛や五穀豊穣をはじめ、安産や万病平癒、学業成就などにご利益があるといわれています。
国内だけでなく外国人観光客にも絶大な人気を誇ります。
「外国人に人気の日本の観光スポットランキング」では、何年も連続で1位を獲得しており、国内外ともに知名度が頭一つ抜けた存在感のある神社なんです。
それでは伏見稲荷大社の千本鳥居の意味や由来、歴史についてご紹介しますね。
千本鳥居の意味は?
伏見稲荷大社の千本鳥居といえば朱色の鳥居です。
伏見稲荷大社の神様は、神社の建てられている付近の山である「伏見山三ヶ峰(ふしみやまみつがみね)」にいらっしゃると考えられており、伏見山三ヶ峰は神様への尊敬の意を込めて「お山」と呼ばれています。
伏見稲荷大社の奥から始まる千本鳥居はこの「お山」の入り口になる部分なんです。
そして、鳥居は神様のいる世界と人間が住む世界を隔てる門と考えられてきました。
千本鳥居は人間のいる世界と神様がいる世界をつなぐ門として建てられ、伏見稲荷大社の神様に会いに行くための道という意味があるんですね。
千本鳥居の由来は?
千本鳥居の「千本」は鳥居の数が千本あるという意味ではなく、「たくさん」という意味で千本と呼称されています。
千本鳥居は二手に分かれていますが、なぜ分かれているのかの理由は諸説ありますが、はっきりとはわかっていません。
また鳥居の由来は諸説あり、イスラエルやインド、中国から伝わったという説、ユダヤ教と関連があるという説、古事記の天岩戸説などさまざまです。
千本鳥居の歴史は?
伏見稲荷大社の歴史は長く、遡ると1300年以上も昔からある神社です。
その中でも、千本鳥居の歴史のルーツは江戸時代から始まります。
元はお山に入るまでの関門として、複数の鳥居が建てられていた千本鳥居ですが、現在のようなぎっしりと立ち並ぶ千本鳥居ができたのは、江戸時代から明治時代にかけてです。
現在立ち並んでいる千本鳥居のほとんどは、江戸以降の参拝者の手によって奉納されていきました。
千本鳥居は「願いごとのお礼」
最大の見どころである千本鳥居。
その神秘的な光景は今となっては見慣れた方も多いと思いますが、そもそもなぜこんなにビッシリと鳥居が並んでいるのでしょうか。
そもそもなぜ鳥居を建てたかというと、鳥居は下を「通る」ものなので、鳥居を神社に奉納することで願いが「通る」という語呂合わせにあやかって始まったとのことです。
これは、願いごとが「通る」ようにとの願かけや、実際に願いごとが「通った」お礼として、鳥居を奉納する習慣が江戸時代以降に広まった結果なんですよ。
皆が奉納した鳥居が積もり積もって、現在の形になったということですね。
今も鳥居の奉納は受け付けられており、奉納理由は記念日や会社の設立記念などさまざまですが、ずっと増え続けています。
ちなみに願いが「通った」あとは、一回り大きい鳥居に建て替えるという風習もありますよ。
千本鳥居の大きさや本数は?色の意味は?
伏見稲荷大社の千本鳥居は本当に千本あるのか気になりませんか?
また、鮮やかの朱色、色にも何かあるのか、知りたい方も多いことでしょう。
伏見稲荷大社の千本鳥居の大きさや本数、色の意味をご紹介します。
大きさは6種類
千本鳥居の大きさは、5〜10号までの6サイズがあります。
号は鳥居の柱の直径を示しており、1号が3センチ。
なので、1番小さい5号が直径15センチ、1番大きい10号は直径30センチということですね。
5号 | 直径15cm |
6号 | 直径18cm |
7号 | 直径21cm |
8号 | 直径24cm |
9号 | 直径27cm |
10号 | 直径30cm |
柱の太さが異なるだけで、どの鳥居も高さは2m前後です。
意外と高さがあるんですね。
千本鳥居の本数はどれくらい?
まず鳥居そのものの総数ですが、伏見稲荷大社と稲荷山の鳥居は小さいサイズから人が通れるサイズまでたくさんあります。
2010年時点では、人が通れるサイズの鳥居の数は3,381基でした。
しかし小さいサイズなど道中の鳥居を含めると1万基を超えるようです。
悠久の歴史を感じますよね。
そして伏見稲荷大社にはたくさんの鳥居が立ち並んでいますが、その中でも「千本鳥居」と呼ばれるのは入り口に2列で並んでいる鳥居の街道だけ。
千本鳥居の実際の数は現在は約800基ほど。
右が約421基、左が約408基です。
昭和30年代頃は千本に近い数があったとのことですが、鳥居の太さを太くしたことから数が減ったそうですよ。
1,000には届かないまでも、膨大な数であることがわかりますね。
修繕や増設を日々繰り返しているので、総数は日によって変わるようです。
千本鳥居はなぜ朱塗りなの?
稲荷神社の鳥居はどこも特徴的な明るい朱色ですよね。
鳥居が朱塗りされている意味としては、古くから魔力に対抗する色として朱色が使われていました。
この「あけ」という言葉には、「赤」「明」「茜」などの明るい希望の気持ちを表す語感もあります。
そのため朱色は魔力に対抗する色とされているほか、生命や大地、生産の力もあるとされています。
ですので祀っている神様である「稲荷大神様」の豊穣の力を表す色という意味も持っているんですね。
さらに、このような信仰上の意味のほかにも、朱塗りをする理由があるんです。
朱塗りする時に使う朱色の材料は丹と呼ばれる塗料で、これはわかりやすい成分で言うと水銀の塗料になっています。
これは昔から木の防腐剤や虫よけ効果として利用されていた塗料なので、木でできた鳥居を長持ちさせるために朱塗りにしているようですよ。
千本鳥居の距離や所要時間は?
伏見稲荷大社に参拝するのであれば、千本鳥居の所要時間やおすすめのコースを知りたいですよね。
観光地としても人気のスポットなのでおすすめのコースで写真なども撮りながら散策してみましょう!
千本鳥居の距離や所要時間、おすすめコースをご紹介します。
千本鳥居の距離は?
伏見稲荷大社の境内にはあちこちに朱色の鳥居が立っていますが、これらすべてが千本鳥居ではありません。
伏見稲荷大社の奥から千本鳥居を通り、奥社奉拝所まではおよそ約150mです。
奉拝所から先、お山の上まで続いている鳥居を追いかけていくと、だいたい2時間から3時間ほどですが、千本鳥居だけであればそこまで時間はかかりません。
千本鳥居を周る所要時間は?
伏見稲荷大社はその名の通り、稲荷山の斜面に境内が広がっています。
本殿とその裏の千本鳥居は山の麓にあるので、ここだけ参拝するのであれば往復でも30分くらいで回れるでしょう。
もし稲荷山の最高峰、一ノ峰まで行くのであれば、往復で約2時間ほど見ておいた方がいいかもしれません。
また、その場合は、普通に山登りをすることになるので、ヒールやサンダルは避け、きちんと歩けるスニーカーや踵のない靴を選ぶことをおすすめします。
千本鳥居を通る時のルールは?
千本鳥居の上には通行の時のルールが貼られています。
といっても、ルールというのは至ってシンプル。
千本鳥居を通る時は右側通行と決められているんです。
これは宗教的な理由ではなく、単にたくさんの人で賑わっている千本鳥居で、混雑解消のために決められています。
神社側の配慮なので、ルールは守って観光しましょう。
千本鳥居のおすすめコースは?
【千本鳥居マップ】
ゆっくり記念写真が撮れるコース
『表参道→楼門→本殿』
こちらのコースの見どころは、楼門ときつね像です。
千本鳥居と並び人気のあるきつね像は写真を撮るのがおすすめ!
記念写真をとった後は、本殿へ参拝し祈祷受付でおみくじを引いて帰りましょう。
所要時間は30分前後です。
幻想的な風景を体験できるコース
『表参道→楼門→本殿→千本鳥居→奥社奉拝所』
こちらのコースの見どころは千本鳥居です。
千本鳥居を抜けて戻ってくるお手軽な参拝コース。
これは体力がないという方や時間がないという方にも挑戦しやすいコースで、本殿から千本鳥居を通り、奥社奉拝所に出てから引き返します。
スムーズにいけば約40分くらいで周れるコースですが、見どころは千本鳥居だけではないんです。
まずは本殿でしっかりとお参りしたら、裏へ回って千本鳥居へ。
鮮やかな朱色が立ち並ぶ幽玄なトンネルを約10分ほど歩くと、奥社奉拝所にたどり着きます。
通り抜けた先、奉拝所の傍には参拝客に人気の「おもかる石」という石があります。
おもかる石は、願い事を念じながら持ち上げた時、想像より軽く感じたら願いが叶う、重ければ叶えるのには努力が必要、という運試しのできる石です。
千本鳥居に負けないくらい人気なので、人も良く並んでいます。
おもかる石を試してから戻る場合は、並ぶ時間も含めて約90分くらいは見ておくほうがいいでしょう。
頂上を目指すコース
ここからは、山の斜面を登って頂上を目指します。
約20分ほど歩いたところにある四ツ辻からは、京都の町を望めます。
さらに約10分ほど歩くと、もっと遠くまで見渡せる荒神峰というビュースポットもあります。
ここから最高峰の一ノ峰までは約30分です。
参拝をしたら、あとはのんびりと下山しましょう。
伏見稲荷大社の千本鳥居の混雑具合は?おすすめの時間帯は?
伏見稲荷大社を知らなくても、千本鳥居の名前は知っている人は多いですよね。
千本鳥居を見たい!という方がたくさんいるので、伏見稲荷大社はとても混雑します。
メディアでも取り上げられることもあり、どちらかというと日本人よりも外国人観光客の方が多いかもしれませんね。
土日はもちろん混雑しますが、平日も大変混雑します。
境内も混雑しますが、最寄り駅も大混雑。
混雑を避けたいのであれば平日の早朝がおすすめです。
時間帯は7:00から8:00くらいが一番おすすめ。
それ以外は観光客が途切れることなく訪れます。
ちなみに伏見稲荷大社の参拝時間は24時間なので、早朝でも全然問題ありません。
参拝時間が早ければ早いほど混雑を避けることができますよ。
ゆっくりと神様に向き合いたいときは早朝がベストですね。
伏見稲荷大社の千本鳥居の奉納値段や意味は?
伏見稲荷大社の千本鳥居は、願いが通った時に奉納していましたが、現在は念日や会社の設立記念などで奉納することが多いです。
千本鳥居をよく見てみると有名企業や芸能人の名前もありますよ。
次に気になるのは鳥居の値段などですよね。
企業や芸能人が多いですが、個人でも鳥居を奉納することができます。
鳥居を奉納する場合、下記の初穂料がかかります。
奉納場所やサイズによっては奉納する際の金額(初穂料)が変わることもあります。
5号 | 直径15cm | 175,000円 |
6号 | 直径18cm | 383,000円 |
7号 | 直径21cm | 482,000円 |
8号 | 直径24cm | 708,000円 |
9号 | 直径27cm | 826,000円 |
10号 | 直径30cm | 1,302,000円 |
1号の直径が3cmなので5号の鳥居だと15cmになります。
鳥居は大きさで値段が変わりますが、奉納する場所により値段も変わります。
「奉納してみたい」という方は詳しい奉納方法などは確認しましょう。
鳥居の建設は予約でいっぱいであることも多いです。
4年から5年待の状態は当たり前で、申し込み後に建てることとなった時に料金を支払う流れになっています。
奉納した鳥居は一生ものではありません。
やはりいつかは朽ちてしまいます。
まちまちではありますが、鳥居が朽ちるまでは4年から5年といわれていますので、奉納を考えている方は目安にしてくださいね。
伏見稲荷大社の千本鳥居のアクセス方法や駐車場は?
場所:伏見稲荷大社千本鳥居
住所:京都府京都市伏見区深草藪之内町68
075-641-7331(伏見稲荷大社)
地図:
【電車でのアクセス】
①JR「稲荷駅」より徒歩約1分
②京阪本線「伏見稲荷駅」より徒歩約3分、「深草駅」より約4分
③京都駅より徒歩約5分
【バスでのアクセス】
南5系統バスで「稲荷大社前」下車後、徒歩約7分
【車でのアクセス】
①名神高速道路「京都南IC」より約20分
②阪神高速道路「上烏羽IC」より約10分
駐車場
伏見稲荷大社には境内の入り口に無料駐車場が用意されており、参拝客に限り利用することが可能です。
住所:京都府京都市伏見区深草藪之内町61
台数:約200台
時間:24時間
ただし、12月30日から1月5日までは年末年始の混雑のため、駐車場は封鎖されます。
伏見稲荷大社は平日含めいつ行っても観光客で賑わっています。
通行止めはありませんが、周辺含め駐車場はすぐに満車になります。
また、観光客が広がって写真を撮ったり観光しているので、車で通るのは注意が必要です。
できるだけ電車やバスを利用したほうが安全かつスムーズですよ。
神聖で幻想的な世界を体感!
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伏見稲荷大社の千本鳥居の意味や由来などをお送りしました。
伏見稲荷大社の千本鳥居は、人々の願いが並んでいるものであることがわかりましたね。
千本鳥居はくぐるだけでも神聖な気持ちになれるので、幻想的な世界を体感できますよ。
意外にアクセスも良いので、年配の方でも行きやすいですし、家族やデートにもおすすめです。
鳥居は一般参拝者にも建てることができます。
ただ申し込みは殺到しており、数ヶ月から数年待ちということもあるそうです。
時代を超えて多くの人の願いに寄り添ってきた伏見稲荷大社。
その美しい景色を、ぜひその目で確かめてみてくださいね!