【正月事始め】時期や由来は?煤払い・松迎えの意味は?
『正月事始め』という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
昔からある風習なのですが、今は行われることが少なくなってきているようです。
でもニュースなどでは取り上げられたりしているので、そのお話をしたら「それなら知っている」となるかもしれませんね。
今回は、「正月事始め」の由来やそれにかかわる風習などについてご紹介します。
・正月事始めの由来は?
・煤払いとは?必要な道具や掃除の仕方は?
・松迎えとは?どんな意味?
正月事始めとは?いつのこと?
『正月事始め』は「しょうがつことはじめ」と読みます。
何をする日かというと、お正月を迎えるためにいろいろと準備を始める日のことです。
「煤払い(すすはらい)」や「松迎え」ということは、正月事始めの日に行います。
現在は毎年12月13日に行われています。
正月事始めの由来は?
平安時代の昔から江戸時代のはじめ頃まで、宣明暦(せんみょうれき)の二十八宿という占いが長く使われていたようです。
この二十八宿で、旧暦の12月13日は「鬼宿日(きしゅくび)・鬼の日」という日で、とても良き日とされていました。
この日は、“結婚式以外で行われることはすべて大吉”といわれていたのです。
それならば、年神様をお迎えするためのお正月の準備をする日としてちょうどよいのではないか、ということで、12月13日を正月事始めの日に定めたのが由来です。
そもそも正月とは新しい年神様をお迎えして祝う縁起の良い行事ですから、その準備をするにも縁起の良い日を選んだわけですね。
そして、正月事始めでは、門松の松や火を炊く薪を取りに山へ行く「松迎え」や、一年の煤を払う「煤払い」が行われるようになりました。
煤払いとは?必要な道具や掃除の仕方は?
煤払いとは?
新年に年神様をお迎えするために、1年の間にたまった汚れなどを払い、また清めることが「煤払い」です。
「煤」といってもちょっと分かりづらいかもしれませんね。
昔はお台所や暖を取るための道具(ストーブみたいなものです)に、薪や炭を使っていたのです。
長く使っていると家の隅のほうに黒い煤ができます(となりのトトロのまっくろくろすけみたいなものですね)。
それが一年分の煤となると大変なことですから、「煤払い」をしてきれいにしよう!という由来からおこなわれるようになりました。
とくに年神様をお迎えするわけですから、家の中をきれいにする「煤払い」はとても大切な作業だったわけです。
現代では薪や炭を使うところも少なくなったので、こういう行事をするところも数えるほどになってきました。
今よく見かけるとしたら、ニュースなどで年末の行事としてお寺の「煤払い」の様子が良く伝えられていますが、それが正月事始めの日に行われる「煤払い」です。
現在、一般家庭では、神棚や仏壇をきれいに掃除することが煤払いの代わりとなっているようですね。
必要な道具や掃除の仕方は?
神社など天井の高いところなどは、「煤梵天(すすぼんてん)」といって竹竿の先に藁を付けたものを持って煤払いをします。
一般家庭では煤などはないので、ホコリ取りということになりますね。
掃除のときに使うハタキなどで隅のホコリを丁寧に叩き落とします。
また神棚などは和紙などでそっとぬぐってホコリを取っていきましょう。
松迎えとは?どんな意味?
門松に使う松や、おせちやお雑煮などの料理を用意するための薪など、お正月に必要とされる木々を山へ行って取りに行く習慣がありました。
山へ行くのは一家のご主人で、縁起をかつぎ、おもに恵方の山へ取りに行っていました。
これを「松迎え」といい、12月28日までに松を集めていました。
なぜ門松が松でないとだめなのかご存知でしょうか。
松は“祀る(神としてあがめ安置する)”という言葉が語源となっていて、神聖な儀式には欠かせない木となっていたのです。
そのため、年神様のお迎えするために、入り口となる玄関に置く門松に松の木が使われるようになった、というわけですね。
門松は平安の時代からあったのですから歴史の長さを感じますね。今は、松迎えの習慣はかなり少なくっています。
そのほかに正月事始めにする行事は?
・ 関西ではこの日からお歳暮を贈り始めます。
・ 京都では芸妓さんや舞妓さんが、お茶屋さんや芸の師匠のところに行って「お世話になりました、来年もよろしくお願いします」という意味を込めてご挨拶に行きます。
・ 日にちは12月8日に行われますが、針供養も正月事始めの一つの行事といわれています。
・ 12月25日から28日頃、餅つきが行われることもあります。昔は夕方から翌朝までお餅をつき続けていたようですよ。
正月事始めは師走の大事な行事ですね。
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正月事始めの時期や由来、煤払いや松迎えの意味などをお送りしました。
昔から日本人は縁起の良い日をとても重んじます。
お正月の準備をするのも縁起の良い日から始めるというのもうなずけますよね。
こういう慣習はきちんとした「いわれ」があり、長い年月それが守られてきました。
現在では環境などが違うため簡単に済ます傾向もありますが、特に縁起物についてはどうしてこの行事が行われるようになったか、意味を理解して行うのも大事なことなのではないでしょうか。
師走は何かと忙しいですが、大掃除をするとき、この「正月事始め」のことを思い出していただけたら幸いです。
良い年末年始をお過ごしくださいね。