結納品の意味や値段。飾り方や並べ方は?処分の仕方は?
結納品は、婚約の儀式である結納で使われる縁起物のことです。
本来は、現物そのものを用意していましたが、現代では、それらのお品物を様式化した縁起物でやり取りします。
結納品には、それぞれおめでたい意味が込められており、用意する品数、飾る位置、地域によって異なる考え方など、様々な慣習があります。
みなさま経験のないことなので、難しく感じられるのですが、一度知ってしまえば、より意味を感じて結納の儀式を行うことができます。
ここでは、結納品の意味や値段、飾り方や結納後の処分の仕方まで、結納品にまつわるあれこれをご紹介します。
・結納品の飾り方や並べ方は?略式の場合は?
・結納品の目録とは?書き方は?
・結納品の処分の仕方は?
結納品の意味は?値段はどれくらい?
結納品は、割り切れないように、5品、7品、9品の奇数で用意します。
お品物の内容は、関東式と関西式の2つの方法で少し異なります。
・目録(茂久録)(もくろく)
・熨斗(のし)
・金包(きんぽう)
・寿栄廣(すえひろ)
・友白髪(ともしらが)
・寿留女(するめ)
・子生婦(こんぶ)
・松魚節(まつうおぶし)
・家内喜多留(やなぎだる)
関東式の場合は、目録も結納品のひとつとして数え、水引飾りが小さくシンプルに作られているのが特徴です。
これらの結納品を、白木で作られた台にまとめて載せます。
コンパクトな家の作りが多い地域に即した形で、結納の儀式が発展したと言われています。
・熨斗(のし)
・寿栄廣(すえひろ)
・御帯(おんおび)(小袖料と言うこともある)
・松魚(まつうお)
・家内喜多留(やなぎだる)
・結美和(ゆびわ)
・高砂(たかさご)
・寿留女(するめ)
・子生婦(こんぶ)
関西式の場合は、目録をお品物に含めず数えるのが通例で、水引飾りが大きく立派な形であることが特徴です。
両家の考え方や地域性に即して、5品、7品で揃えられることもあります。
飾りの意味や値段は?
熨斗(のし)
あわびを叩いて延ばし、乾燥させた保存食のことで、不老長寿の薬ともされてきました。
海のものを尊ぶ日本では、昔からお祝いのお席に添えられてきました。
金包(きんぽう)、御帯(おんおび)、小袖料(こそでりょう)
結納金のことです。
昔は男性から女性への贈り物として帯や着物を送っていたものが、お金に変化したもの。
結納金の金額は、地域や両家の考え方によっても異なりますが、100万円〜150万円を包みます。
寿栄廣(すえひろ・末広)
末広がりに繁栄しますようにと願いを込めた白い扇子のことです。
夫婦が末長く幸せになりますようにという願いを込め、ペアで贈られます。
友白髪(ともしらが・友志良賀)
白髪に見立てた白い麻糸を束ねたものです。
共に白髪になるまで添い遂げようという長寿の願い、強い繊維である麻のような絆で結ばれるようにという願いを込めたものです。
寿留女(するめ)
お祝い事につきものの、酒の肴「するめ」のことです。
噛めば噛むほどに味がでることから、味のあるお嫁さんになって欲しい、末永くという意味が込められています。
子生婦(こんぶ)
昆布のことです。
昆布は繁殖力が強いことから、子宝に恵まれるように(子孫繁栄)の願いを込め、「よろこぶ」の言葉にもかけたお祝いの品物です。
松魚節(まつうおぶし)
鰹節(かつおぶし)のことです。
鰹は「勝ち魚」とも言われ、おめでたいお席に欠かせない魚。
肴料として、1〜3万円を包みます。
家内喜多留(やなぎだる・柳樽)
祝い酒を入れる柳の樽のことです。
家の中に喜び事が多く留まりますようにという願いが込められています。
もともとはお酒そのものを贈っていましたが、現在では酒料として現金1〜3万円を包みます。
結美和(ゆびわ)
婚約指輪のことです。
関東式の場合は、結納品に含めず、婚約記念品として贈り目録には記載しないこともあります。
高砂(たかさご)
老夫婦の人形の飾りです。
共に老いるまで仲良く入られますようにという意味が込められています。
友白髪と同じ意味合いがあり、高砂は関西式でよく使われます。
こうした結納品は、結納品専門店のほか、贈答品を扱うギフトショップや、デパートの贈答品売り場などで取り扱われています。
価格帯は、品数や飾りのグレードなどによって幅があり、3万円程度から数十万円になるものもあります。
結納金の額や、先方のお返しの額、両家の考え方などに合わせて、選ばれるのがよいでしょう。
購入先で、よく相談しておくとスムーズに準備できますね。
結納品の飾り方や並べ方は? 略式の場合は?
結納品は飾り方や並べ方にルールがあります。
<関東式>
飾りとひとつの白木の台に並べます。
右から、目録、熨斗、金包、松魚節、寿留女、子生婦、友白髪、寿栄廣、家内喜多留の順に並べます。
<関西式>
飾りをひとつずつ白木の台に載せます。
後列右より、御帯、家内喜多留、松魚、中列右より、寿栄廣、高砂、熨斗、前列右より、寿留女、結美和、子生婦の順に並べます。
これらは、正式の9品の場合ですが、略式で7品、5品の場合は、それらに応じて並べます。
こうした飾り方は、結納品を購入したお店で説明してくれるほか、結納品セットに写真入りの飾り方説明がついていることも多いです。
結納品を飾るのは、男性側ですので、事前によく見ておき、あまり時間をかけずに準備できるといいですね。
結納品の目録とは?書き方は?
目録とは、品名や数を記した、お品物の明細書のようなものです。
半紙に筆書きで、熨斗 一連、寿栄廣 一対、と品目が書かれ、最後に、「右の品幾久しく目出度御受納下さいませ」と添えられます。
幾久しく、というのは結納での決まり文句のようなものですね。
結納品を購入される際に、こちらの目録も必ずセットで用意することになります。
目録は自筆される方は、ほとんどいらっしゃらず、お店の専門の方に書いてもらうことが多いです。
結納品の処分の仕方は?
めでたく結納が終わり、さて結納品はどうしたらいいの?となりますよね。
結納品は、結納がめでたくまとまったことをお披露目するため、結婚式まで女性の自宅へ飾っておくもの。
結婚式の後、どのように扱うかは、いくつかの方法があります。
とんど焼きで焚きあげる
地域に寄って呼び方が異なりますが、お正月明けにしめ縄飾り、古いお守りを燃やす地域行事があります。
そこに持参し、焚き上げてもらう方法があります。
神社でお祓いしてもらう
神社によっては、結納品清祓いを行うところがあります。
祈祷してもらって、神社に処分を任せるか、もしくは自宅に持ち帰り地域のゴミ出しルールに沿って処分します。
水引をリメイクし飾り物にする
お清めしたらゴミとして処分しても大丈夫、と言われても結納の品として贈られたものを処分するのは抵抗がある方も多いですよね。
そのような場合は、結納飾りの水引を羽子板にまとめ、飾り物にするサービスを利用してみてはいかがでしょうか?
結納品専門店などで取り扱いがあり、費用は数万円です。
記念の品を身近に置いておけ、贈ってくださった相手の気持ちも大切にできるため、私が担当するお客様にはとても人気のサービスでした。
全てを処分せず、一部は残しておく
水引の飾りなどは処分しても構わないものですが、結納品のうち、目録、末広、高砂は手元に置いておきましょう。
特に目録は、いただいた結納品の品数などを記録してあるものです。
ご兄弟がまた結納をする時に、前はどうしたかな、と確認することができますし、先方からいただいたものの記録にもなりますので、手元に置いて置いた方がよいでしょう。
また、末広はお祝い事の席で身につけることもありますし、場所を取るものではないので、手元に置いておきたいですね。
そして、高砂は縁起物の人形ですので、できればケースなどにいれ、飾っておきたいものです。
基本的には使いまわすことのないもの
結納品は、結婚という一緒に一回の儀式に際して贈られるものです。
基本的には兄弟に譲ったり、親から子へ受け継いだりするものではないので、使い回すことはありません。
全てを取っておいても、また機会が来たら使えるものではないということも覚えておきましょう。
地域や両家の考え方に習い、スムーズに準備しましょう
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難しいと思われがちな結納品ですが、様々なお祝いの意味が込められていることを知ると、結納という儀式の重みが違ってくるかもしれません。
両家の考え方や、古くから続く儀式の意味合いを知ることは、結婚というプロセスの中でもきっと役に立ってきます。
結納品店のスタッフや、担当のウェディングプランナーのアドバイスも聞きながら、無理なく準備を進めるといいですね。