「すみません」と「すいません」の違いはこれ!正しいのはどっち?
「すみません」と「すいません」は、どちらが正しい日本語なのでしょうか?
使い分けるとしたら、どんな場合なのでしょうか?
今回は、「すみません」と「すいません」の違い、正しい使い分けについてです。
・「すみません」「すいません」は挨拶表現?手紙やメールでは「すみません」を使いましょう!
・「すいません」は「サーセン」に近い!ビジネスではご法度!
・ビジネスシーンやきちんと謝る場合に使う言葉は?
「すみません」と「すいません」の違いは?日本語として正しいのはどっち?
「すみません」の語源
「すみません」は、漢字で書くと「済みません」と書きます。
言葉の成り立ちとしては、
済み・澄み(動詞) + ませ(助動詞) + ぬ(助動詞)=「済みませぬ」
となります。
済むは、何かが「終了する」という意味で用いられますね。
これが、気持ちに対して用いられると、
ということになります。
どんな気持ちが済まないのかというのは、使われ方によります。
謝罪の意味で使われる時には、
「相手に対して失礼な事をしてしまい、このままでは気持ちが澄みませんから、お詫びしたい」
という気持ちの表れになります。
感謝の意味で使われる時には、
「何のお返しも出来ないで、心が澄まない」
という気持ちの表れになります。
ですから、感謝の気持ちの表れではあるものの、語源としては、お返しが出来ないことを謝る気持ちを表してることになります。
呼びかける時などに使われる「すみません」は、
という意味で、やはり元々は、謝罪の言葉です。
「すみません」と「すいません」
「すいません」は「すみません」が変化した形です。
関西の 「すんません」「すんまへん」などと同じで、話し言葉です。
「すみません」よりも「すいません」の方が撥音(はつおん)しやすい為に変化したのです。
このような言葉は、たくさんありますね。
たとえば「体育」は、ふりがなをふるときには、「たいいく」ですが、言葉としては「たいく」と発音するひとが殆どではないでしょうか。
「すみません」「すいません」は挨拶表現?手紙やメールでは「すみません」を使いましょう!
先ほども説明したように、文字にする時は、「すみません」を使うのが、正しい使い方です。
ごく親しい友達同士のメールなどなら、許容範囲かもしれませんが、文字にする時には、「すみません」を使う習慣をつけておいた方がいいでしょう。
「すいません」は「サーセン」に近い!ビジネスではご法度!
「すみません」は、軽い謝罪の言葉です。
ビジネスシーンで謝罪として使用する場合には、少し軽すぎる言葉といえます。
その上、正式な「すみません」ではなく、砕けた口語表現である「すいません」を使うと、ますます軽い感じがしてしまいます。
ビジネスでは、軽い言葉というのは、信用を無くします。
より丁寧な言葉を求められる時や、どうしても「すいません」と発音してしまうひとは、他の言葉に置き換えるといいでしょう。
お礼を伝える時
→ありがとうございます
→恐れいります
お詫びをする時
→大変失礼いたしました
→お詫び申し上げます
ビジネスシーンやきちんと謝る場合に使う言葉は?
正式な謝罪の場では、普段より丁寧な表現が求められます。
いざという時に、慌てない為にも、普段から正しい敬語表現を身につけておきたいですね。
「すみません」は、謝罪の時によく使われる言葉ですが、実は敬語ではありません。
言い替える言葉としては、「失礼いたしました」「申し訳ないことでございます」や「申し訳なく存じます」、「お詫び申し上げます(いたします)」があります。
使い分けとしては、軽微なミスは、「失礼しました」を使います。
ちょっと、ぶつかってしまったような時ですね。
相手に迷惑をかけてしまった時には、「申し訳ございませんでした」が相応しいでしょう。
ただし、書き言葉の場合は、「申し訳ないことでございます」や「申し訳なく存じます」、「お詫び申し上げます(いたします)」などと書きます。
社内文書にミスがあった場合などですね。
深刻な失敗をした際に使うのは、「お詫び申し上げます」がいいでしょう。
更に心を込めた表現としては、「心より深くお詫び申し上げます」「衷心よりお詫び申し上げます」でもいいですね。
始末書を書くレベルのミスの場合に使う言葉です。
それよりも、高いレベルの謝罪の言葉は、「慙愧(ざんき)の念に堪えません」です。
通常では考えられないような、重大過失があった際に使う言葉になります。
「すいません」は口語表現
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「すみません」と「すいません」の違いについてでした。
「すいません」は口語表現なので、書き言葉としては相応しくないということが分かりました。
また、「すみません」も、厳密にいうと敬語ではないので、正式な場面では使いません。
謝意を伝える時には、「ありがとうございます」「恐れ入ります」を使い、謝る時には「失礼いたしました」「お詫び申し上げます」を使う方がよいということも覚えておきましょう。