セミの寿命が短い理由。土の中を入れれば実は長寿だった?
セミの鳴き声が聞こえ始めると「夏が来たな」と感じます。
でもだんだん聞いているうちに「暑い!!」と叫んでしまいそうになるかもしれませんね^ ^;
そんなセミは子供たちにとってはいい遊び相手です。
追いかけて捕まえたりセミの抜け殻を探したりして、走り回ります。
そんなセミの一生を追いかけてみませんか?
よろしければお子さんと一緒に読んでいただければうれしいです。
・セミの種類はどれくらいいるの?
・セミの寿命はどれくらい?
・セミが土の中にいる期間は?
・セミは実は昆虫の中でも長寿のほう?
・なぜセミの寿命は短いといわれるの?
セミの種類はどれくらいいるの?
セミと一言で言ってもたくさん種類がいることをご存知ですか?
日本に約30種、世界では約1,600種が知られているそうです。
よく知られているのがアブラゼミ、ツクツクボウシ、ミンミンゼミ、ヒグラシあたりでしょうか。
その地方にしか生息していないセミもいますので興味がわきますね。
セミは羽化して外の世界で鳴き始めてからの生態が主に知られていますが、地中でじっと成長を続けているときの生態についてはまだまだ不明な点が多いようです。
セミの寿命はどれくらい?
それではセミの寿命を知るために、生まれてから天寿を全うするための一生をたどってみましょう。
生まれはどこ?
枯れ木や樹皮の裏側に生まれます。
交尾を終えた雌が産卵管というものを木に刺して小さな穴を作ります。
その穴の中に卵を丁寧に生むのです。
セミの種類によって多少の差はありますが、生みつけられた卵は寒い冬を越し、次の年の梅雨の時期に孵化(ふか)します。
孵化した赤ちゃんはポトンと穴から地面に落ちてしまうそうです。
まだ移動するほどの力がないのですね。それでも頑張って土の中に潜るそうです。
なぜ枯れ木に卵を産むの?
卵を枯れ木に産む行動と梅雨の時期に孵化することには関係があります。
孵化した幼虫は自分で木に穴をあける力がありません。
生きている木に産み付けると木が空いた穴をふさごうとしてしまうのです。
そうなると幼虫は新たに穴をあけることができずに死んでしまうのです。
一方、枯れ木だと穴がふさがる心配はありません。
梅雨の時期になると枯れ木も水分を含んで柔らかくなります。
木から土の中に潜るときも土が柔らかいので弱い力でも潜ることができるのです。
ちゃんと生きていけるようになっているのですね。
セミが土の中にいる期間は?
セミの種類によって違いますが、3年から17年過ごすそうです。
すごく長い年月ですね。
その間にかたい殻に守られながら成長していきます。
栄養は木の根から樹液を吸って過ごしますが、土の中は危険がいっぱいです。
また、天敵にはモグラやケラがいますし、土の中に含まれたいろいろな悪い菌に侵されて死んでしまう場合もあります。
羽化はいつぐらいからしますか?
早いセミですと7月の上旬から羽化が始まります。
ツクツクボウシは遅いほうで8月上旬です。
羽化をするとき、幼虫時代を過ごした土の中から出てくるのは夜暗くなってからです。
日中の明るいときですとアリなどに狙われるからです。
時期が来ると地表ぎりぎりまで上がってきて外の様子をうかがっているそうです。
外敵がいないか、人間の足音が聞こえないか、安全を確かめているのですね。
外の安全を確認した幼虫は木に登って羽化を始めます。
羽化の時間は3~4時間かかります。
無事羽化が終わって
土から出て羽化したあとの寿命は3週間から1カ月といわれています。
ただ自然界は厳しいので特にスズメバチなどの天敵に襲われたりすることが多いのです。
セミは実は昆虫の中でも長寿のほう?
セミの一生をたどってみましたが、生まれてから土の中で過ごし外の世界に出る。
セミの寿命は短いというイメージがあると思いますが、土の中で成長する期間の3年~17年を含めると、むしろ昆虫の中でも短命どころか長寿なのです。
なぜセミの寿命は短いといわれるの?
一般的に寿命が短いといわれているのは、飼育されているセミがほぼ1週間から2週間ほどしか生きられないからです。
セミは夏の虫なのですが、あまり暑さに強くないという意外な一面があります。
さらにセミの成虫の栄養である樹液は、飼われた状態で十分に摂ることは難しいため1週間ほどたつと餓死するようなのです。
その他にも、セミは繁殖するためだけに成虫となるといわれています。
繁殖期間もわずかなので、それで寿命が短いとも言われているようですね。
情緒豊かな夏の訪れ
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夏の虫といえばセミといわれるぐらい夏の虫としてはメジャーですよね。
ただ、生活圏での自然の減少とともに木に張り付いて元気よく鳴いている姿はだんだん見られる場所が少なくなってきているようです。
でも日中に元気に鳴いているミンミンゼミやアブラゼミ、日が暮れ始まるころを教えてくれるように鳴くヒグラシはやはり夏の風物詩ですね。
なんだかんだいっても夏のセミの鳴き声は、日本の風情を感じるためには欠かせない存在です。
土の中で長く生き、羽化して外の世界が見られるのがわずかの期間ですが力強く精一杯に生きてほしいですね。