『寂しい』と『淋しい』の違いと使い方。読み方や意味は?
『さびしい』と書く時に、皆さんは、
『寂しい』と書きますか?それとも『淋しい』を使いますか?
「静寂」など熟語に使われる『寂』の字の方が、目にする機会が多いと思いますが、どのように使い分けるのがいいのでしょうか。
今回はそんな『寂しい』と『淋しい』の違いや使い方をまとめていきます。
普段あまり意識することもないかもしれませんが、知っているとちょっとした豆知識として披露することもできますよ。
・『寂しい』と『淋しい』の違いは?
・『寂しい』と『淋しい』の使い方は?
・『寂しい』と『淋しい』を英語で表現すると?
『寂しい』と『淋しい』の意味や読み方は?
『寂しい』の意味
『寂』の字は、家をあらわすウかんむりの下に「叔」ですね。
この、『叔』は、小さいものをあらわす字です。
したがって、『寂』は、家の中がひっそりと静かで物音がしない様子を表しています。
意味としては、
まったく音がしない。
静まりかえっている。
ひっそり。
ということになります。
『淋しい』の意味
「淋」は元来は水が注いだりしたたるさまを表した漢字です。
転じて長雨のことを指すようになりました。
ですから、本来『淋』という字に「さびしい」という意味はありません。
なぜ、『淋』を「さびしい」という意味に用いるのかというと、長雨の風景や長雨の時の気持ちが「さびしい」からではないかと言われています。
読み方
『寂しい』と『淋しい』は、どちらも同じ読み方です。
「さびしい」もしくは「さみしい」と読みます。
「さぶし」→平安時代「さびし」→中世末期「さみし」と変化したと言われています。
現代語では、両方とも使われていますから、どちらの読み方も正解です。どちらの読み方をするか迷った時には、古くから使われている「さびしい」を使います。
教科書や放送用語などで「さびしい」が採用されているので、こちらを標準と考えるといいでしょう。
『寂しい』と『淋しい』の違いは?使い方は?
まず、『淋』は常用漢字ではありません。
ですから、どんな場合でも『寂』を使って構いません。
もしも、使い分けるなら、どのように使うといいのでしょうか。
心に隙間風が吹いているような場合は『寂しい』を使います。
人気がない場所で、ひっそりとした様子を表したい時には『淋しい』が相応しい漢字です。
つまり、感情的で悲観的な心の状態を表す時には、『寂しい』を使います。
客観的にさびしさを味わっているような時は『淋しい』となります。
『寂しい』と『淋しい』を英語で表現すると?
lonesome
solitary
have an empty purse.
『寂しい』と『淋しい』の使い分けポイント
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『寂しい』と『淋しい』の違いや使い方でした。
使い分けのポイントは、次の3点です。
・感情を表す時には、『寂しい』を使い、風景など客観的な状況を表す時は『淋しい』を使う。
・『淋』は常用漢字ではないので、どんな場合でも『寂しい』を使っても間違いではない。
このポイントを押さえておけば、使い分けは完璧ですよ。