【立春2025年】意味や縁起の良い食べ物は?立春大吉や節分は?
暦の上で春が始まる立春は、まだまだ寒い季節の中にも、ほんのりとあたたかさを期待させてくれる節目でもあります。
立春と切っても切れない関係には節分があり、一般的に行事として行われるのは節分が主流ですよね。
しかし、立春にも縁起の良い習慣や縁起の良い食べ物がありますので、知っておくとより季節の節目を感じられること間違いなしです。
そこで今回は、立春の意味や期間、縁起の良い食べ物、立春大吉や節分など、立春にまつわる内容をご紹介します。
この記事の目次
立春の意味や期間は?
立春は、1年を24等分して季節に名前を付けた二十四節気(にじゅうしせっき)のうちの一つ。
太陽が天球を移動する道を黄道と言いまして、それを24に分割したものを二十四節気といいます。
それを暦に取り入れて季節の道標(みちしるべ)として使われ始めたのです。
立春はこの二十四節気の一番始めに当たるもの。
日が最も長い春分と、日が最も短い冬至の真ん中にあたる日で、「春が立つ」と書く立春は“春の始まり”という意味です。
立春は1日目のみを意味することもあれば、次の節気である雨水の前日までの期間を意味することもあり、その場合は約15日間が立春の期間となりますよ。
立春の七十二候は?
1年を季節ごとに6つずつ(春夏秋冬の4×6)、合計24個に分割したのが二十四節気。
そしてさらに各節気を3つに分けた(24×3)のが七十二候です。
つまり1年は二十四節気および七十二候から成り立っているというわけですね。
たとえば、春は6つの節気があり、さらに細かくすると18の候に分かれている、ということになります。
立春の七十二候(うち3つ)はこちら。
東風解凍(とうふうこおりをとく・はるかぜこおりをとく)
2/4~8頃:暖かい春風が吹き池や湖の氷がとけはじめる。
なぜ南ではなく東かというと、七十二候は中国からきたもので、中国では春は東を司(つかさど)るとされていたためです。
旬の野菜:ふきのとう‥つぼみが固く、葉が開いていないものを選ぶ。
旬の魚:白魚(しらうお)
旬の兆し:春一番‥立春を過ぎて最初に吹く強い南方の風。
旬の行事:初午‥立春を過ぎて最初の午の日に稲荷神社を詣でる もともとは豊作を祈るため。
黄鶯睍睆(こうおうけんかんす・うぐいすなく)
2/9~13頃:鶯(うぐいす)が鳴きはじめる。
「梅花乃芳(うめのはなかんば)し」とも呼ばれていました(意味は梅の咲く季節のこと)。
うぐいすは「春告鳥(はるつげどり)」。
「梅に鶯」は春の兆し 鶯餅の名付け親は豊臣秀吉ともいわれています。
旬の野菜:さやえんどう‥ビタミンCやカロテンが豊富。緑があおあおとして味が平らなものを選ぶ。
旬の魚:鰊(にしん)‥春告魚(はるつげうお)。数の子は子孫繁栄の縁起物。
旬の兆し:梅の開花
旬の行事:梅まつり
魚上氷(うおこおりにのぼる(あがる))
2/14~18頃:川や湖の氷が割れて魚が現れる。
春先の薄く張った氷を「薄氷(うすらい)」とよびます。
渓流釣りの解禁では岩魚(いわな)、山女魚(やまめ)、天魚(あまご)などが採れます。
旬の野菜:明日葉(あしたば)‥摘んでもすぐ伸びる強い生命力。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富。茎の黄色いネバネバ(カルコン)はアレルギー症状や花粉症に効果的。
旬の魚:岩魚‥塩焼きでも唐揚げでも。
旬の野鳥:めじろ‥初春の風物詩。
旬の兆し:春寒(はるさむ)または余寒(よかん)‥暦では春とはいえまだ肌寒い。
2025年の立春はいつ?今後の立春の日は?
二十四節気は太陽の位置で決められており、立春に入るのは太陽が黄経315度のときです。
太陽の位置は毎年少しずれるので、立春の日や期間はその年によって変わります。
国立天文台暦計算室というところで決められています。
2025年以降の立春の日や期間は下記の通りとなります。
2026年:2月4日 / 2月4日~2月18日
2027年:2月4日 / 2月4日~2月18日
2028年:2月4日 / 2月4日~2月18日
2月4日頃というとまだ寒さが厳しい頃ですが、日本の南の方では少しずつ春の息吹が感じ始めた頃でしょう。
「立春」で春の訪れを告げ、「雨水」で雨が降り注ぎ、積もった雪を少しずつ溶かすという、まさに春を感じさせる移り変わりですね。
立春を思わせる素敵な動画がありますのでご覧いただければと思います。
節分とは?いつのこと?
立春が2月4日頃とお話させていただきましたが、前日が節分ということに気が付かれましたでしょうか。
「立春大吉」での鬼の話や、「立春大吉豆腐」という前日に食べるお豆腐のことなどからも、立春と節分とは深い関わりがあるのです。
つまり季節と季節の境目ですね。
節分によって鬼とされる穢れや悪いことなどを、豆などによって追い払い穢れを取り除きます。
そして綺麗に清められたところで「立春」という春を迎えることになるのです。
ただ、一般的には立春の前日のみが節分として知られていますが、立春だけではなく立夏や立秋、立冬の前日も、実は節分の日なのですよ。
古来より日本人は穢れに対して恐怖し忌みきらっておりましたので、一つの節目を迎えるごとに清めを行い、穢れを持ち越さないように気をつけていたのですね。
特に立春は二十四節気の始めとされていますので、その気持ちが特に大きかったのだと思います。
立春大吉の意味や貼る理由は?
立春大吉とは、立春の頃に『立春大吉』と書かれた紙を門に貼る、禅寺の習慣のことです。
一般家庭でも、玄関や大切な部屋の入口などに「立春大吉」の紙を貼ることができます。
また、立春大吉は縦書きにすると左右対称となり、裏から見ても同じように読むことができます。
家の中に入ってきた鬼が玄関の“立春大吉”を裏から見て、「まだ家の中に入っていなかったのかな?」と勘違いして、そのまま玄関から出て行ってしまうと考えられているのです。
そのため、厄除けや厄払いの意味もあるとされていますよ。
立春の縁起の良い食べ物は?立春朝搾りとは?
立春の縁起の良い食べ物には立春朝搾りや立春の和生菓子があります。
ほかにも立春大福や立春大吉餅、立春大吉豆腐など縁起が良いとされている食べ物がありますので、お近くの和菓子屋や豆腐屋をチェックしてみてくださいね。
立春朝搾りの酒
立春朝搾りとは立春の日の朝一番に仕上がったお酒のことで、立春の日にいただくと福を呼ぶとされています。
このお酒は神主さんにお祓いを受けてから出荷されます。
手に入れるためには事前に予約をしておくと良いでしょう。
また、お酒と同じように立春の朝に作られた和生菓子も縁起が良い食べ物と考えられており、立春の日にはたくさんの桜餅やうぐいす餅が店頭に並びますよ。
立春大吉豆腐
これは2回食べることに意味があります。
豆腐は、邪気を祓う食べ物として知られています。
そこで立春の前日に「今までの穢れや罪を祓う」としていただき、立春当日に「汚れのない真っ白い身体に幸せが来ますように」としていただくのです。
立春大福
小豆や餅には穢れを祓うとか、鏡餅のように神の依代としてお餅を使われることから、立春の朝にできた大福は縁起が良いという意味があります。
桜餅やうぐいす餅など春を代表する和菓子などもあります。
福茶
立春過ぎに初めてくんだ水を『若水(わかみず)』といい、健康や豊作、幸福のご利益があるといわれています。
若水(水道水でも)で入れたお茶が福茶で、煎茶やほうじ茶に、結び昆布や小梅などを入れたお茶のこと。
立春の頃に咲く花は?
立春の頃に咲く花には、福寿草(ふくじゅそう)や黄梅(おうばい)、椿、梅の花などがあります。
まだ季節としては厳しい寒さが続く時期ですが、お花の姿を見ると春の訪れが身近に感じられますよね。
立春の候の時期や挨拶文は?
『立春の候』は立春の期間に使える時候の挨拶で、立春が始まる日から、次の節気である雨水の前日まで使うことができます。
その年によって若干期間は変わりますが、だいたい2月4日~18日前後となります。
挨拶文では、書き出しとして立春の候を使います。
また、結びの文には「春とは名ばかりの寒さ厳しきこの時節、どうぞご自愛くださいませ。」などと立春の候に合わせた言葉を使うとスマートですよ。
立春を季語とした俳句は?
立春の日の情景が目の前に浮かび上がるような俳句をいくつかご紹介しますので、ぜひご鑑賞くださいね。
「立春を待たず苞(ほう)出す座褝草」 中松疏水
「立春や鳩のついばむ昨夜(きぞ)の豆」 吉村征子
「立春のかぜ海の香を運びくる」 鎌倉喜久恵
「立春を過ぎ北国は雪まつり」 梶川智恵子
「立春の椀を彩る香の物」 片山茂子
「立春と思へば軽き身のこなし」 稲畑汀子
幸福を願う節分と立春
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立春の意味や縁起の良い食べ物、立春大吉や節分についてなどについてお送りしました。
現在節分の行事が大きく取り上げられていますが、「立春」も同じくらい大事な行事なのです。
いつもは節分だけで季節の行事を終えてしまっていた方も、今後は春の始まりである立春とセットにして1年の幸福を願ってみてくださいね。