男性女性の礼服とスーツの違いと見分け方!使い分け方は?葬儀や結婚式は?
社会人になった時、親や周囲の大人から「礼服をあつらえておきなさい」と言われませんでしたか?
冠婚葬祭があったときにはスーツではなく礼服を着るのがマナーなので、いざという時慌てないでいいように用意しておきなさい、という意図のよう。
でもそもそも、スーツと礼服って何が違うんでしょう。
違いは見た目でわかるものなのか、それともほかに見分け方があるのでしょうか。
この記事では、男性女性の礼服とスーツの違いや見分け方、使い分けについてご紹介します。
・男性や女性の礼服とスーツの違いや見分け方は?
・礼服、スーツの使い分け。葬儀や結婚式、卒業式の服装は?
礼服、スーツとは?
礼服は広義にはスーツの一種!
多くの人がほぼ毎日のように着ているスーツ。
でもそもそもスーツってどんな服なのでしょう。
国語辞典でスーツをひいてみると、共布であつらえた上下一そろいの服とあります。
なので、礼服も広い意味ではスーツの一種なんです。
確かに男性の礼服はフォーマルスーツと呼ばれることもありますよね。
余談ですが、ツーピース、ワンピースやセットアップも共布でできていますよね。
これらの服とスーツとの違いは、レディースファッション的にはアイテムをバラバラにしても使えるか、揃って着用することが基本になるかという点。
スーツはジャケットとボトムを別々に着ることってあまりありませんよね。
スーツは上下合わせて着るのが一番美しいように作られているんです。
男性や女性の礼服とスーツの違いや見分け方は?
礼服とスーツの見分け方のポイントは色と形
女性はともかく、男性の礼服と聞いてイメージするのは黒っぽいスーツ型の服ですよね。
そうなると、黒いビジネススーツと礼服との違いって何なのでしょうか。
そもそも礼服とは冠婚葬祭などの正式な場に着ていく服。
正式な正礼服の燕尾服やモーニングコート、準礼服のタキシードも礼服です。
一般的に私たちが礼服と聞いて思い浮かべるブラックスーツは略礼服で、格式としては少し下がります。
でも今の日本だとブラックスーツは結婚式もお葬式も参列できる、オールマイティな礼服です。
でもこのブラックスーツが、ビジネススーツとの見分け方が難しいんですよね。
色の違い
ビジネススーツとブラックスーツの一番の違いは生地の色。
同じ黒でも礼服の黒は深い黒で、光沢がありません。
墨色と表現されることもあります。
対してビジネススーツは、黒くても物によってグレーや青、赤味がかかっていたり、明るい印象を与えるように光沢があったりします。
黒の違いはぱっと見では判らないかもしれませんが、明るいところや屋外で見ると一目瞭然ですよ。
女性物の礼服も同じように艶のない黒色の布で仕立てられています。
形の違い(男性)
形もブラックスーツと似ていますが違いもいくつかあります。
男性の礼服とビジネススーツの見分け方で一番大きいのは、ジャケットの背中部分。
ビジネススーツの背中にはベントというスリットが入っています。
これは身体を動かしやすくするための加工で、スポーツウェアからビジネススーツに取り入れられた工夫。
逆に言うと、フォーマルシーンに着用する礼服にはベントは用いられないんです。
つまり、礼服のジャケットは背中にスリットが入っていません。
形の違い(女性)
女性の礼服とスーツの形の違いは、一般的にはスカートの丈。
女性のスーツのスカートはひざ丈が普通ですが、礼服は足首より少し上までの長めのスカートです。
冠婚葬祭の時には、肌を極力見せないのがマナー。
なので礼服のスカート丈も長めなんです。
礼服、スーツの使い分け。葬儀や結婚式、卒業式の服装は?
礼服はかしこまった場に!スーツはビジネスシーン向き
礼服とスーツの違いや見分け方をまとめました。
そうはいっても似ていることには変わりないし、お葬式や結婚式にビジネススーツで参加しても別にいいや、と思っている人はいませんか?
それは経験を重ねた社会人にとってマナー違反!
学生さんや若い人であれば大目に見てもらえることもありますが、それでも冠婚葬祭の場にはきちんと礼服を着用して出席するのがベストですよ。
逆にビジネスシーンでは礼服ではなく、自分のスタイルに合ったビジネススーツを着て仕事に挑みましょう。
どこまでカジュアルダウンをしていいかは社風やその人のキャラクターによりますが、キッチリお堅く着る派もちょっと着崩す派も忘れていけないのは清潔感。
スーツには汚れやシワ、臭いがないように小まめに手入れしてくださいね。
葬儀や結婚式の時の服装は?
葬儀の時には、男性は礼服に黒いネクタイを合わせます。
女性の場合は基本的にアクセサリーを身につけてはいけませんが、シンプルなパールのネックレスやイヤリングであればOK。
対照的に結婚式に礼服を着用していく場合には、男性は白いネクタイを。
女性はパールのアクセサリーにコサージュなど、華やかな印象になるようにするといいですね。
ただし結婚式に関しては、近年は親族としての出席でも、若い場合は礼服よりもパーティースーツやワンピースを着ることも多いようです。
その場合もビジネスシーンとの違いを意識するのがポイント。
男性であれば少し光沢のある生地のスーツを着用したり、タイやチーフで遊んでみるのもいいですね。
女性はマナーの範疇でお祝いの席の華となるような色合い、小物使いを心がけると主役の新郎新婦から喜ばれますよ。
子供の卒業式の時の服装は?
礼服を着用するシーンとして案外忘れられがちなのが子どもの卒業式。
保護者として出席する際も礼服を着用するのが正式です。
とはいえ近年はお父さんはスーツの方が大半、お母さんもセレモニースーツを着る方も多い様子。
とはいえ、もしPTAなどで保護者席ではなく来賓として席がある場合には、礼服で出席するのがマナーです。
その時にもコサージュなどで、門出にふさわしい印象になるようコーディネートしてくださいね。
TPOに合わせ大人らしい服装を
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礼服とスーツの違いと使い分け方などをお送りしました。
礼服のブラックスーツとビジネススーツは一見するととても似ています。
でも色や形に注目すると、礼服とビジネススーツの違いは大きいので、見る人が見ればすぐに判ってしまいます。
TPOに合わせた服装をすることは、接する相手に対しての敬意を表すこと。
礼服とビジネススーツを使い分けて、社会人としてスマートに過ごしましょう。