熱中症、熱射病、日射病の症状の違い。応急処置と対策方法。
暑くなるにつれてマスコミや自治体が、「熱中症に注意」「日射病にお気を付けください」「今日は熱射病の恐れあり」とアナウンスを始めます。
なんとなく聞き流していましたが、考えてみるとこの3つは同じものなのか、それとも違うものなのか不思議になりました。
熱中症、熱射病、日射病は全部同じ症状なんでしょうか。
それとも症状や対処法が違うのでしょうか。
ここでは熱中症、熱射病、日射病の違いや症状、対処法について紹介します。
・熱中症、熱射病、日射病の違いは?
・熱中症、熱射病、日射病それぞれの症状は?
・熱中症、熱射病、日射病それぞれの対処法は?
・熱中症、熱射病、日射病それぞれの対策は?
熱中症、熱射病、日射病の違いは?
熱射病+日射病=熱中症
熱中症、熱射病、日射病、どれも似た字面ですよね。
結論から言うと、熱中症とは夏など暑い環境下で起こる健康障害の症状をまとめた呼び方で、熱射病と日射病は熱中症の中の症状の呼び方です。
熱中症は症状の重症度に応じて日射病、熱けいれん、熱疲労、熱射病の4つに分類することができます。
症状の重症度は日射病<熱けいれん<熱疲労<熱射病の順です。
こう書くと日射病の段階ではさほど重症ではないように感じられますが、それは大きな間違い。
日射病の段階でも辛い症状が現れるんですよ。
熱中症、熱射病、日射病それぞれの症状は?
熱中症は軽症から命の危険まで。熱射病が最も重い
熱中症は暑さから引き起こされる体調不良の総称なので症状もさまざま。
軽いものだとめまいや立ちくらみ、重症になると訳のわからないことを言い出す、意識を失うなどの意識障害が発生します。
日射病は熱中症の中では軽症の部類です。
具体的な症状はめまいや立ちくらみ、大量の発汗など。
反対に熱射病は熱中症の中でもっとも重い症状が出ている状態。
体温が40℃を超えてしまい、脳にも異常が起こっている状態になってしまいます。
意識がもうろうとしたり、他人からの呼び掛けにきちんと答えられないようになってしまいます。最悪の場合は死に至ることもあるので細心の注意が必要です。
熱中症、熱射病、日射病それぞれの対処法は?
熱中症、熱射病、日射病の対処の基本は冷やすこと
これは帝京大学医学部が公開している熱中症の応急処置の方法の動画です。
日射病の段階ではまず日陰に座らせ、扇いだり濡れタオルを首に巻くなどして体温を下げます。
同時に水分補給をしましょう。
できればスポーツ飲料だと尚ベストです。
熱射病の段階、つまり意識障害まで至ってしまっているときにはまず救急車を呼びましょう。
救急車がくるまでの間、まず横たわらせ、衣服をゆるめます。
濡れタオルで身体を覆い、風を送って体温を下げてください。
あれば氷枕や氷のうなどで首や脇の下や太ももの付け根などの太い血管があるところを冷やします。
この段階で意識が回復しても必ず医療機関を受診しましょう。
熱中症、熱射病、日射病それぞれの対策は?
熱中症、熱射病、日射病の対策は同じ!
熱中症はなってからの対処より予防対策をするのが一番大切です。
気温が高い日はもちろん、気温はあまり高くなくても湿度が高い日には熱中症対策をする必要があります。
こまめな水分補給はもちろん、朝食をしっかり食べる、寝不足にならないようにするなどが熱中症対策に有効です。
小さい子供の場合は一気に重症の熱射病になりやすいので、外出の時には保護者が気をつけてこまめな水分補給や休憩、首の付け根を冷やすなどの熱中症対策を取ってあげてくださいね。
また、熱中症は外だけでなく家の中でも起こります。
暑い日には我慢せず冷房を使う、家の中でもこまめな水分補給をするなど心がけましょう。
熱中症、熱射病、日射病に気をつけて夏を過ごそう
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一昔前よりも確実に暑くなった日本の夏。
熱中症は乳幼児やお年寄りがなりやすいといわれていますが、どんな人も他人事ではありません。
若い人や働き盛りも「自分が熱中症になるはずがない」と過信していると、日射病、そして命を落とす危険もある熱射病に陥ってしまう恐れがあります。
体調管理に気をつけて、しっかり水分と栄養を摂って夏を元気に乗り切りましょう。