雨降って地固まるの意味と使い方。結婚式で使える?
「雨降って地固まる」ということわざを聞いたことがありますか?
私はこれまで何度か結婚式に参列した際に、スピーチの一節として何度か聞いたことがあります。
だいたいこの「雨降って地固まる」ということわざをスピーチとして使うのは、中年層~年配の男性の方が多く、長い長いスピーチの終盤ごろに決まっているかのようにおっしゃっていました。
おそらく新郎新婦のご親戚の方か、お仕事関係の上司とか、年齢を重ねた貫禄のある男性が好んで使っているような印象のフレーズです。
今回はこの「雨降って地固まる」ということわざの意味や使い方など解説させていただきます。
・雨降って地固まるとは?どんな意味?
・結婚式などのおめでたい席のスピーチで使っても大丈夫?
・雨降って地固まるの使い方や例文は?
・雨降って地固まるの類義語はあるの?
・雨降って地固まるを英語で言うと?
雨降って地固まるとは?どんな意味?
言葉や、ことわざというものは正しい意味を知ってこそ使わなければなりません。
間違った引用をして恥ずかしい思いをしたり、「実はこの人見た目よりたいしたことない人なのでは?」など、ご自身の周囲からの評価を下げる結果を招いたりします。
なぜ、すぐに本題に入らずにこのようなことを言うのかと思われた方もいらっしゃると思いますので、一例として、よくメディアとかで耳にする言葉で例えて先にお話します。
「ジンクス」
よく耳にする言葉ですね。
たとえば、「試合の前に彼女に電話をするとその日の試合は絶対に勝つジンクスがあるのです」とか、「契約の朝に野菜ジュースを飲むと契約が成立するジンクスが私にはあります」など、縁起が良い、縁起を担ぐ意味として使われています。
ですが、この「ジンクス」という言葉、本来の意味は逆の意味で、不運を招く、縁起が悪いことやものに使う言葉なのです。
国語辞典などでは縁起の良いもの、悪いものの言い伝えなどと解説されているものもありますが、現代社会の風潮のせいでしょうか。
よく縁起がいい例えとして使われていますね。
いい結果を招いたという意味で使うのならば「ジンクスを打ち破ることができて、試合に勝つことができました」と、いう言い方が正しい使い方です。
(本来の正しい意味を理解している人が聞いたら、顔には出さずとも内心では笑われてしまいますよ。)
それではここで「雨降って地固まる」の正しい意味を理解して、正しい日本語の使い方を覚え綺麗な言葉を使える人を目指すことにしましょう。
「雨降って地固まる」の意味とは?
争いや、揉め事の後は、かえって良い結果や安定した状態を保てるようになることのたとえ。という意味です。
「雨が降るのは嫌いだけれど、雨が止めば雨のおかげで土壌が固まり以前よりよい状態になった」という意味合いからできている言葉です。
例えとしては「友人と大喧嘩してしまったけれど、お互いに言いたいことを言い合ったおかげでより一層友情が深まった」など、嫌なことがあったけれども、最終的にはいい結果になったという意味です。
結婚式などのおめでたい席のスピーチで使っても大丈夫?
前述の「雨降って地固まる」というフレーズは、結婚式でのおめでたい席のスピーチとして適当な言葉なのか?と、意味を知れば少し疑問に感じる人も出たかもしれません。
ひと悶着あった末にこの二人は結婚したのか?と勘違いしそうなこの「雨降って地固まる」の意味。
スピーチの使い方としてはよく使い古された言葉だけれど大丈夫なのでしょうか?
正解を言えば結婚式で使っても大丈夫な意味の言葉です。
ですが、前書きで書いたとおり、ある程度の年齢を重ねた方が使うにはふさわしい言葉ですが、若い世代の方がスピーチとして使うにはちょっと不似合いな言葉の意味合いになります。
結婚式で「雨降って地固まる」と使われる意味は、
結婚した新郎新婦は、これから長い人生を共に歩むことになります。
その長い期間には嬉しいことや喜ばしいこともあり、当然、苦しいことや辛いことも起こります。
それでも縁あって結ばれた新郎新婦、手を取り合って、助け合い乗り越えていけますように。
との、エール、応援の意味を込めて使っているので、よくスピーチの締めの言葉として使われています。
ですから、結婚式のスピーチに「雨降って地固まる」という言葉を使うのは間違ってはいない使い方です。
雨降って地固まるの使い方や例文は?
雨降って地固まるの使い方は前項でほとんど解説してしまいましたね。
使い方はあっさりと簡単に説明させていただきます。
どんなに苦しいことや争いごとがあっても、解決すればより一層よい結果をもたらす。
という意味の言葉ですから、使い方としては応援、争いなどが解決した後に使うのが使い方としては正しい使い方になります。
雨降って地固まるの例文は前述でも簡単に解説しましたが、こちらもいくつかあげておきます。
・顔を合わせると喧嘩ばかりしていた二人なのに、今では雨降って地固まって親友になっているね。
・初対面では絶対に気が合わないと思っていた二人、何度も衝突していたけれど今ではおしどり夫婦になるとは、まさに雨降って地固まるとはこういうことだね。
雨降って地固まるの類義語はあるの?
雨降って地固まるの類義語としてはたくさんありますが、調べるまでもなく、私が一番好きな類義語から紹介させていただきます。
・明けない夜はない。
(これはシェイクスピア『マクベス』の一節です)
以下、一般的な類義語です。
・怪我の功名
・災いを転じて福となす
・塞翁が馬
などなど、あげ出せばきりがありませんのでこのあたりで、要するに結果よければすべてよし、結果オーライ!などが類義語としてあげられます。
やはり、苦難や争いのあとには良い結果となるという意味合いの言葉が多いですね。
雨降って地固まるを英語で言うと?
こちらも色々たとえがあります。
※ After rain comes fair weather.
直訳は「雨の後には、晴天が来る」
※ After a storm comes a calm.
直訳は「嵐の後は静けさが訪れる」
※ Rainy days never stay.
直訳は「止まない雨はない」
などなど、やはり天候に関するたとえが多いですね。
無理なく相手に分かる表現を使いましょう!
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今回は、「雨降って地固まる」の言葉の意味と使い方について解説させていただきました。
・「雨降って地固まる」というのは、どれだけ苦難にあっても解決すれば良い結果が訪れるという意味合い。
・結婚式で使われる「雨降って地固まる」という使い方は正しく、どれだけ苦難にあっても二人で頑張って乗り越えてくださいという意味合いの応援の言葉だということ。
(結婚式で使うのであれば、相応の年齢と経験を重ねてから使うようにしてくださいね)
私自身も記事を書きながら「本当に難しいな」と、いつも思っております。
・なるべく正しく綺麗な日本語が使えているのか?
・使い方は間違っていないか?
・意味は間違っていないか?
と、成人している身、特にビジネスシーンでは心配になることも多くあります。
ですからあくまで個人的意見にはなりますが、意味や、使い方が曖昧でよくわからない言葉を無理に使う必要はないと考えております。
聞き手に専門用語や慣用句を連発させるよりも、わかりやすい言葉に噛み砕いて会話をしたほうがより一層、コミュニケーションが深まると私自身が(勝手に)実践しようと言葉選びには気をつけています。
今回のテーマ「雨降って地固まる」という言葉も聞き手によっては難しく感じるでしょう。
類義語もたくさんありますし、やはり相手によってわかりやすい言葉で、正しく綺麗な日本語をつかい続けていきたいものですね。