赤ちゃんのしゃっくりの止め方。原因は?止まらない時の対処法。
赤ちゃんは頻繁にしゃっくりします。
大人でもしゃっくりが続くと苦しいものです。
赤ちゃんも長時間しゃっくりが止まらずにいるのを見ると、苦しいのではないかと不安になりますよね。
では、なぜしゃっくりが起こるのか。
赤ちゃんのしゃっくりの原因や、どうすれば止まるのかなどの対処方法についてみてみましょう。
・赤ちゃんがしゃっくりをする原因は?
・赤ちゃんが頻繁にしゃっくりするのはなぜ?いつまで続く?
・赤ちゃんのしゃっくりの止め方は?止まらない時の対処法は?
・しゃっくりが止まらない時は病院に連れて行ったほうが良い?
・赤ちゃんのしゃっくりを抑える対策は?
しゃっくりとは?
喋っている時や、食事中など急にしゃっくりが始まって、なかなか止まらずに困ったという経験は誰にでもあるのでないでしょうか。
そんな誰でも経験したことのあるしゃっくりは、なぜ起こるのでしょう?
しゃっくりの正式名称は“吃逆(きつぎゃく)”といい、横隔膜がけいれんすることで起こります。
横隔膜とは、体の中の胸の部分とおなかの部分を上下にわける膜状の筋肉です。
この筋肉がなんらかの刺激でけいれんすると、声帯の筋肉は収縮してしまいます。
その狭くなった声帯を息が通ることで「ヒクッ」と音が出てしまうんです。
横隔膜のけいれんの原因は、横隔膜の周辺の組織が刺激されることが原因です。
熱いものを飲んだり、咳や激しく笑ったり、アルコールや炭酸飲料を飲むことも刺激の一つだといわれています。
しゃっくりの継続時間は人によって違いますが、多くの人は数分で自然に止まります。
しゃっくりをしている間はとても気になりますが、意識しないでいるといつの間にか止まっているということも多いはずです。
しかし、何時間も止まらないといった場合は気管支などにトラブルがある可能性もあります。
長時間続くしゃっくりが何度も出る場合には病院への受診をおすすめします。
赤ちゃんがしゃっくりをする原因は?
赤ちゃんは、お母さんのおなかの中にいる時からしゃっくりをしています。
妊娠中に普段の胎動とは違うピクピクという動きを感じたことがある妊婦さんもいるのではないでしょうか。
それは赤ちゃんのしゃっくりですよ。
赤ちゃんは大人にくらべて頻繁にしゃっくりが出ます。
その原因は何なのでしょう?
身体が未発達
赤ちゃんも横隔膜のけいれんがしゃっくりを引き起こします。
しかし、赤ちゃんの身体は日々成長中です。
まだまだ未発達の部分もたくさんあります。
横隔膜も未発達な部分の一つ。
そのため、大人よりも刺激を受けやすいため少しの刺激がしゃっくりの原因になってしまいます。
また、心拍数が早いことも刺激の一つなんですよ。
体温、気温の変化
赤ちゃんによってはオムツが濡れていることが寒いと感じ刺激になります。
その刺激や不快感が原因でしゃっくりを引き起こすこともあります。
また、気温差に反応してけいれんが起こることもあります。
大人にとっては適温でも赤ちゃんにとっては不快と感じる気温のこともあります。
冷暖房の適切な調節なども必要です。
母乳やミルクを飲む刺激
飲んだ母乳やミルクを食化するために食道や胃が活発に働くことで、横隔膜が刺激をうけます。
赤ちゃんにとっては母乳やミルクを飲むことも刺激になり、それが原因でしゃっくりが起こることがあります。
また、赤ちゃんにとって飲み物を飲むことはまだまだ練習なことです。
哺乳瓶でミルクを飲むときに、一緒にたくさんの空気を飲み込んでしまうこともよくあります。それも原因の一つです。
赤ちゃんが頻繁にしゃっくりするのはなぜ?いつまで続く?
赤ちゃんによっては、1日に3~4回もしゃくりが出ることもあります。
大人にとっては多いと感じる回数ですが、赤ちゃんにとっては特に珍しい事ではありません。
頻繁にしゃっくりが起こる大きな原因は、やはり身体がまだまだ未発達なことでしょう。
生まれて間もない赤ちゃんは、いろいろな経験を重ねながら少しずつ成長していきます。
しゃっくりという行為は、赤ちゃんにとっては呼吸の方法を学んだり、練習するということなんです。しゃっくりも成長への経験の一つなんですね。
しゃっくりの継続時間が2~3時間という赤ちゃんも珍しくないように、赤ちゃんにとってしゃっくりは苦しいものではありません。
生後6か月未満の赤ちゃんは横隔膜を含めた臓器の発達が未発達なので、一番しゃっくりが頻繁に起こる時期でしょう。
成長と共にしゃっくりの回数も減ってくるはずです。
しかし、成長には個人差があります。
1歳を過ぎても頻繁にしゃっくりをする子もいます。
しかし、ゆっくりでも成長しています。
そんなに心配することはないでしょう。
しかし、回数や継続時間が長く苦しそうな時など、気になる場合は病院に相談することをおすすめします。
赤ちゃんのしゃっくりの止め方は?止まらない時の対処法は?
赤ちゃんが頻繁にしゃっくりをするのは自然なことで、大きな心配はいりません。
大人が思うほどきついとは感じていないんですよ。
時間が経てば止まるものではありますが、気になる場合にはこんな方法を試してみてはいかがでしょう。
赤ちゃんのしゃっくりの止め方は?
○水分を飲ませる
母乳やミルクを飲むことで横隔膜が刺激され、しゃっくりが出る原因になります。
しかし、“飲み込む”という行為は、しゃっくりの改善にも効果があります。
様子を見ながらゆっくり、少しずつ飲ませてあげてください。
ミルクや母乳以外にも、白湯などを飲ませることも効果的です 。
○ゲップさせる
授乳時に空気を一緒に飲み込んでしまうことが原因でしゃっくりが出ていることがあります。
そのため、きちんとゲップさせてあげることが大切です。
授乳後は、背中を優しくトントンと叩いてあげましょう。
おなかに入ってしまった空気を出してあげることでしゃっくりが止まることがありますよ。
○身体を温める
冷房で体温が下がるとしゃっくりが出やすくなってしまうので、身体が冷たいと感じた場合は温めてあげましょう。
しゃっくりが止まらない時は、温めたタオルを胸やおなかにあててあげると止まることがあります。
タオルを温める時は、熱くし過ぎないように気をつけましょう。
○オムツを替える
体温が下がることはしゃっくりの原因になります。
オムツが濡れていると、不快に感じるとともに体温も下がってしまいます。
こまめにチェックし、おしっこをしているようならすぐに取り換えてあげましょう。
○大笑い、大泣きさせる
しゃっくりから気をそらしてあげることも止めるポイントです。
笑ったり泣いたりすることで、しゃっくりが続いていることを忘れてしまうことがありますよ。
一緒に大笑いして止めてあげるといいでしょう。
泣くことも気をそらすことになりますが、無理やり泣かせる必要はありません。
多くの場合、しゃっくりは自然に止まります。
止まらない時の対処法は?
○背中をたたいてあげる
ゲップさせるのと同じように背中をポンポンと優しく叩いてあげましょう。
叩いても収まらない場合は、背中をさすってあげるのもいいですよ。
ゆっくりとふれてあげることで赤ちゃんの気持ちは落ち着きます。
身体がリラックスすることで、横隔膜のけいれんもおさまっていきます。
○うつ伏せ
仰向けの状態からうつ伏せへと体勢を変えてみましょう。
しかし、寝返りができない赤ちゃんの場合は慣れない体勢に泣き出してしまうことがありますので、その時はすぐに仰向きに戻してあげてください。
寝返りができても寝返り返りができない赤ちゃんへこの方法を試す場合には注意が必要です。
うつ伏せのままにしておくと、窒息してしまうことがあります。必ず目を離さず誰かが近くで付き添ってあげてください。
○外出する
環境を変えて気持ちをリフレッシュさせてあげることも効果的ですよ。
公園にお散歩に行ったり、スーパーへのお買い物に一緒に行くのもいいでしょう。
外に出ることで、興味のあるものへ目がいき、しゃっくりが止まることがあります。
しゃっくりが止まらない時は病院に連れて行ったほうが良い?
しゃっくりは、ほとんどの場合自然と止まります。
しかし、病気が原因でしゃっくりが起こる可能性もあります。
こういった症状がある場合は注意が必要です。
赤ちゃんの様子をじっくり見て、必要であれば小児科を受診しましょう。
・呼吸が荒くなり、息苦しそう
・おっぱいやミルクの飲みが悪くなったり、ダラダラと吐いてしまう
・発熱などの症状もある
しゃっくりが出る病気とは?
逆流性食道炎(胃食道逆流症)
赤ちゃんのうちは胃に入った食べ物が食道へと逆流するのを防止する筋肉も未発達です。
そのため、ある程度に成長するまでは逆流が起こりやすいです。
逆流性食道炎とは、胃液が逆流して食堂の粘膜が炎症を起こしてしまう病気です。
ミルクを勢いよく、またはダラダラと吐いてしまったり、しゃっくりをしながらよだれを垂らしたりといった症状がみられます。
難治性しゃっくり
中枢神経の病気が原因で長時間しゃっくりが止まらないという場合もあります。
2日以上続くしゃっくりは難治性しゃっくりと呼ばれます。
胃や肺などの臓器の病気が原因の場合があります。
赤ちゃんのしゃっくりを抑える対策は?
ほとんど自然に止まるしゃっくり。
過剰に心配する必要はありません。
しかし、どうしても気になるという方は、しゃっくりの原因を作らないような対策をしてみましょう。
まず、授乳方法に気をつけてみましょう。
できるだけ空気を一緒に吸い込まないように、哺乳瓶の角度を45度にしてみましょう。
そうすることで余分な空気を吸い込むことを防ぐことができます。
また、胃や食道への刺激を抑えるために哺乳瓶の乳首の穴の大きさを見直すのもいいですよ。少量ずつ飲むことで刺激は減りますよ。
母乳をあげる場合にも、空気を吸い込ませないようにおっぱいと赤ちゃんの口の間に隙間ができないように気をつけてあげるといいですよ。
他にも、赤ちゃんを冷やし過ぎないように気をつけ事も予防策になるでしょう。
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あまり神経質にならないでくださいね。
しゃっくりは誰にでも起こる現象です。
赤ちゃんのうちは特に起こりやすいですが、呼吸の練習でもありますしあまり気にしすぎる必要はありません。
しかし、しゃっくりが病気のサインということも考えられます。
日々、赤ちゃんの様子をよく見て小さな変化にも対応できるようにしておくといいでしょう。