【一周忌の挨拶例文】喪主・親戚・友人の場合は?長さや献杯時は?
故人が亡くなってちょうど一年目の命日を一周忌(いっしゅうき)といいます。
この日には、一周忌法要の儀式を行います。
親戚や故人が親しくしていた人を呼んで行いますから、施主(喪主)としてはしっかりとした挨拶をしたいものですよね。
今回は、そんな一周忌法要全体の流れを作る上でも大事な施主の挨拶について、長さや内容などをご紹介します。
初めての施主でもうまく挨拶できるように、ポイントを押さえた短い挨拶の例文もご紹介しますのでどうぞご参照くださいね。
一周忌と一回忌の違いについてもありますよ。
この記事の目次
一周忌での挨拶の長さや内容は?
挨拶の長さと内容
施主は、僧侶や参列者へのお礼を挨拶で伝えます。
加えて、施主の挨拶は司会の役割も兼ねていますから、法要全体の流れを案内する役割も果たしましょう。
挨拶の長さは、短くてかまいません。
あまり挨拶が長いと、高齢者や子供もいることと思いますので参列者が疲れてしまうことも考えられます。
全体的な挨拶の長さは3分以内くらいまでがいいですね。
短い分にはどれだけ短くでもかまいません。
故人との思い出などを話したいと思われる時でも、長くても5分以内にしたほうがよいです。
一周忌での喪主の挨拶例文。
一周忌での喪主の挨拶例文を、法要の始まりから一連の流れとともに状況別にご紹介していきます。
① 法要始まりの挨拶
参列者に集まってもらったことに対するお礼を言います。
本日はお忙しい中を(お足元が悪い中~や、暑い中~など臨機応変に)お集まり頂きましてありがとうございます。
それではこれより故◯○の一周忌の法要を始めさせていただきます。
(僧侶の方を向き) それではよろしくお願いします。
故◯○の部分は戒名を告げるのが正式です。
戒名では伝わりにくいと感じた場合は、氏名を告げてもいいでしょう。
② 僧侶へのお礼の挨拶
本日は、誠にありがとうございました。
ささやかではありますが、お礼の席をご用意させていただきましので、どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。
本日はありがとうございました。
心ばかりではございますがお礼でございます。
どうぞお納めください。
(お布施・お車代・御膳料をお渡しする)
③ 法要終わりの挨拶
法事に来ていただいたお礼と、今後のお付き合いを願う言葉を述べます。
ここでは、少し故人のことにふれてもいいでしょう。
正座での法要でしたら、まず最初に「お足をお崩しください」と言ったほうがいいでしょう。
一周忌が終わると会食が用意されます。
会食会場への案内もこの時に合わせて行うのが普通です。
そのまま帰ってしまう人も意外とおられるので、きちんと誘導しましょう。
やっと法要が終わったと思った後に長い挨拶は苦行となってしまいますので、長くならないように気をつけてくださいね。
本日はお忙しい中をお集り頂きましてありがとうございました。
早いもので○○が亡くなりまして1年になりました。
一周忌の法要も無事終えることができ、故人も安心していることと思います。
これも生前親しくして頂いた皆様のお力添えの賜物と深く感謝いたしております。
どうか、これからも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
ささやかではございますが、お食事をご用意させていただきました。
お時間の許す限り、どうぞごゆっくりなさっていってください。
本日はまことにありがとうございました。
本日は、父○○の一周忌にたくさんのご列席をいただきまして、ありがとうございます。
早いもので、家族にとってはあっという間の1年でした。
その間の皆様からの暖かいお言葉やお力添えをいただきましたことを、重ねてお礼申し上げます。
大勢の人に囲まれて賑やかなことが大好きでした故人も喜んでいると思います。
本日はたいしたおもてなしもできませんが、心ばかりのお食事を用意させていただいております。
お時間が許す限り、どうぞ故人を偲んで歓談していただけたらと思います。
本日は誠にありがとうございました。
④ 献杯時の挨拶
お食事の前に献杯をしますね。
献杯とは、乾杯のことです。
喜び事ではないのと、故人に盃を捧げて一緒に飲むという意味もあります。
挨拶をしていただくのは、喪主でもいいですが、兄弟などの親族や、故人と親しかった方や、お世話になった方にお願いすることもありますね。
結婚式の乾杯の時もそうですが、盃やコップをもったまま長い話を聞くのはつらいものがあり、あまり長くなると杯をテーブルに置いてしまう人もでてきます。
ここでもやはり短めを心がけましょう。
私は故人の兄であります○○と申します。
本日はたくさんの方々にお集まりくださいまして、弟もさぞかし喜んでいることと思います。
故人になりかわりまして、また親族代表としてお礼を申しあげます。
本日は、我々親族家族が知らなかった皆様方の故人の思い出話などをうかがわせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いします。
では、これより献杯をさせて頂きたいと思いますので、ご唱和をお願いいします。
献杯。
⑤ 会食終わりの挨拶
会食も一段落して、そろそろ帰る時間なども気になってくる頃に会食終了の挨拶をしましょう。
最後まで出席してくれたことへの感謝の言葉を述べます。
時間としては料亭や飲食店などの個室でしたら時間が決められていたりしますので、そのあたりを目安にしましょう。
長さは、それまでの挨拶にいろいろと言ってきているため、お礼を言うくらいでとどめておくとよいですね。
お土産がある場合にはこのタイミングでお渡しします。
本日はお忙しい中を最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
まだまだおはなしを伺いたいのですが、そろそろお時間となりましたので、ここまでにさせて頂きたいと存じます。
どうぞ、これからも変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
ささやかではありますが、お手元にお礼の品をご用意いたしました。
本日はまことにありがとうございました。
そろそろお時間となってまいりましたので、お開きとさせていただきたいと思います。
これからも変わらずどうぞご支援・ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
ささやかですが、故人の供養としてお礼の品を用意させていただきました。
どうぞお忘れなくお持ち帰りくださいませ。
本日は本当にお忙しい中ありがとうございました。
どうぞお気をつけてお帰りください。
⑥ 僧侶への挨拶(僧侶がお斎に出る場合)
僧侶がお斎に出る場合は、この時にお布施・お車代・御膳料をお渡しします。
本日は長い時間をお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
こちらは、お礼の気持ちでございます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
挨拶の時に気をつけたい言葉は?
挨拶の時に間違いやすい言葉をご紹介します。
ここを間違えるとちょっと恥ずかしい思いをするかもしれませんので、覚えておいてくださいね。
一周忌と一回忌
実は、一周忌と一回忌は別の日です。
一回忌は故人が亡くなった時になるので、『 一回忌 = 葬儀 』です。
ですので一回忌という表現は本来はほとんど使われないんですね。
一方、○周忌という言葉は、亡くなってから○年目という意味になります。
ですから、故人が亡くなって最初の命日に行う法要は『一周忌』です。
○回忌という数え方は、数えでカウントしますから、満2年が『三回忌』になります。
つまり、大まかなながれをいうと、葬儀(一回忌) → 49日 → 一周忌(1年後・二回忌)→ 三回忌(2年後)となりますね。
2年間に4度、喪服を着ることになります(地域や習慣により異なる場合もあります)。
乾杯と献杯
献杯(けんぱい)とは、故人を偲んで盃を捧げるときに使います。
乾杯は、お祝いの時の言葉ですから、一周忌に限らず法事の際には乾杯ではなく献杯です。
一周忌での親戚代表の挨拶例文。
基本的に挨拶は全て施主が行いますが、施主から、挨拶を促された場合は親族代表として挨拶します。
よく挨拶を依頼される場面としては、会食の開始(献杯の挨拶)を告げる場面です。
本日はお忙しい中、亡き○○の一周忌法要にお越しくださいまして、ありがとう御座います。
親族を代表しまして心より御礼申し上げます。
ささやかなおもてなしでは御座いますが、○○をしのび、生前の思い出話などしながら、ごゆっくりなさってくださいますようお願い申し上げます。
それでは‥献杯。
一周忌での友人代表の挨拶例文。
ご紹介いただいた故人の友人の○○でございます。
故○○さんには、生前大変お世話にもなりました。
一緒に○○をしたこと、○○したことなど、今でも昨日のことのように思い出されます。
今日は、皆様とともに故人を偲びたいと思っています。
それでは、ご唱和お願いいたします。献杯
一周忌までの流れは?
初七日(しょなぬか)
葬儀が終わって1週間目(亡くなる前日から数える地方もあります)のことを言います。
近頃は疲れているからとか、また集まってもらうのが気の毒ということから、葬儀が終わった日に、お骨になった時に行われる法要と同時に行われることが多いですね。
その後1週間ごとに「二七日(ふたなのか)」「三七日(みなのか)」と「七七日(四十九日)」まで、あの世に行くまで7つ関所があるのでお経を唱えて、無事に通過できるできるように祈ります。
地方によっては、四十九日が3ヶ月にわたるのはよくないと、「五七日(三十五日)」で切り上げることもあるようです。
これまでのことを『追善供養(ついぜんくよう)』と呼びます。
家族以外の知人や友人が集まってする法要は初七日と四十九日。
しかしそれ以外の日も遺族の方が了承してくれたのであれば、お参りに行っても大丈夫です。
百箇日(ひゃっかにち)
亡くなられてから100日たった時に行う法要です。
これも家族だけが多いですね。
初盆(はつぼん)または新盆(にいぼん)
亡くなられてから初めてのお盆に法要します。
ただし「四十九日が過ぎてから」のお盆です。
お盆は故人があの世から帰って来る日なので、まだ行っている途中の四十九日までは行いません。
そして一周忌(初盆が先のこともあります)となりますね。
一周忌
そして1年たっての一周忌となりますね。
亡くなってから年が一周したので一周忌といいます。
前述したように、次の2年目の年は、3年目に入るので三回忌といいますね。
周忌では2周忌というように、周忌に1足したものが回忌の数字となります。
三回忌は亡くなってから3年目にする、と勘違いする方がいますので気をつけましょう(2年めが三回忌の年)。
数え歳の数え方と同じと覚えておくといいですね。
三回忌の次は七回忌(6年後)。
三と七の年に法要が行われます。
だいたい七回忌からは家族でという方が多いようですね。
三十三回忌(32年後)で締める方もいますが、五十回忌(49年後)まで行う方もいます。
これらを『年忌法要(ねんきほうよう)』といいます。
一周忌は心の整理の節目
一周忌が終わると「ホッと一息ついた」「心が少し落ち着いた」と言われる方が多いですね。
そのためにも法要をされることは、心の整理の節目になっていいことだと思います。
家族や親族だけでやりたいと言われる方も多いですね。それもいいと思います。
反対に家族葬で呼べなかった知人や友人を招待されたら、とても喜ばれますね。
今は「こうしなればならない」というしきたりなどがなくなってきている時代です。
無理に形式にとらわれず自分たちが満足できることをされたらと思いますよ。
挨拶はシンプルに
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一周忌法要での施主、親戚、友人の挨拶例文をお送りしました。
施主が挨拶をするタイミングは、法要の初めと終わり、献杯と会食の終わり、僧侶へ御布施を渡す時です。
長々と話す必要はありませんから、参列への感謝の気持ちを伝えましょう。
積もる話は個別にいった方が進行を妨げません。
会食時にゆっくりとお話しするといいですね。