【しもやけの原因と治し方(手足の指)】即効治す方法や予防対処法は?
寒くなってくると、手や足の指にできる『しもやけ』に悩まされる方は多いのではないでしょうか。
中には子供のころから毎年しもやけになるという方もいることでしょう。
しもやけになる子は減少気味ですが、逆に大人では増加傾向にあるといわれています。
かゆさで仕事に集中できなかったり、ひどくなると痛みや腫れを伴ったりと、日常生活に支障が出ることもあるやっかいな“しもやけ”。
できることならすぐに治したいですよね。
そこで今回は、しもやけの原因や効果的な治し方、予防方法などについてご紹介します。
子供にしもやけができてしまった時の対処法についてもありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
今年の冬は「しもやけをなるべく作らず、できてしまったら即効で治す」ようにしていきましょう♪
この記事の目次
しもやけの症状は?
しもやけは、痒みや痛みを伴った腫れや赤い発疹ができる炎症のことで、正式な病名は「凍瘡(とうそう)」といいます。
しもやけの初期症状は、手足の先に感じる痒みや痛み、皮膚の赤みや腫れなど。
しかし、症状が進んでくると、手や足全体、耳たぶ、頬や鼻など、わりと広範囲に痒みと腫れが広がり、水ぶくれになることもあります。
痒みや痛みの特徴としては、温かい場所に入ると痒くなり、寒いところでは痛むのが一般的です。
このような症状がでたら、しもやけを疑うとよいでしょう。
また、痒いだけでなく、じんじんと熱を持ったような感覚を感じる方もいます。
また、しもやけと間違えやすい疾患としては、「ひび」「あかぎれ」です。
見分けるポイントは、皮膚の亀裂や、出血があるかどうかです。
しもやけは、「痒い」だけで、皮膚の亀裂などは起こりません。
「ひび」や「あかぎれ」は、皮膚に亀裂ができますので、出血や染みるような痛みが伴います。
ただし、「しもやけ」と「ひび」「あかぎれ」の両方を併発している場合もあります。
炎症後の症状の違い
炎症を起こしてからは、大人と子供によって症状が異なります。
子供は大体「樽柿型」というタイプの症状になることが多いです。
樽柿型は発症した部位が、まるで樽か柿のようにパンパンに腫れあがるためこう呼ばれます。
赤紫色に膨れ上がり、ゴムのように固くなるので大変痛々しい状態になってしまいます。
一方大人、特に女性は「多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)型」という症状を起こしやすいです。
こちらは樽柿型とは異なり、全体的にむくんだようになり赤い発疹がぽつぽつと出始めます。
指のところどころに赤い斑模様が現れ、指がいびつにむくむので、こちらも大変辛い状態になります。
こうなってしまうと、酷い人はまともに眠ることができないほどの痛みやかゆみに悩まされることがあります。
また、ダメージを受けた皮膚が硬化して、あかぎれ や ただれも引き起こしてしまい、日常生活を送ることがむずかしくなってしまうでしょう。
しもやけがかゆい原因は?
しもやけが痒くなるのは、なぜでしょう?
それは、しもやけになる原因を知ると分かります。
しもやけの原因は、冷えや寒さによる血行障害です。
手の指先や足のつま先などは、血管が細く、もともと血行が悪くなりやすい部分です。
この部分が冷えると、細い血管がさらに収縮して、血行障害を起こすのです。
この、血液の循環が悪くなる状態が長く続くと、炎症が起きて、しもやけになるのです。
こうして、できてしまった、しもやけは、温めた時に痒くなることが多いです。
というのも、冷えて血行が悪くなって炎症を起こしている血管に、温められて急に血液が流れると、刺激になって、痒く感じるのです。
しもやけの原因についてさらに詳しく見ていきましょう。
しもやけの原因は?
冷え
しもやけを起こしやすい時期は、気温が4~5℃以下になった頃。
一日の気温の差が大きいと、さらにしもやけになりやすい気象条件になります。
気温差
しもやけの最も代表的な原因と言えるのが「気温差」です。
人間の体には体温を調節する機能があり、熱いときは血管を広げて熱を放出したり、逆に寒いときには血管を収縮させて熱を体外に逃がさないようにしたりします。
ですが一日の気温差が激しいと、血管を広げたり収縮させたりすることが繰り返され、血液の循環にトラブルが起こることがあります。
特に手足は抹消なので、そのようなトラブルが起こりやすく、皮膚の腫れやかゆみの原因となってしまうのです。
一日の気温差が10度を超えるような環境になると、しもやけが起こりやすいと言われています。
体質
しもやけの一番の原因は前項の気温差ですが、もともとの体質によってしもやけになりやすい方もいるようです。
ここでは、どんな体質がしもやけになりやすいのかを見ていきましょう。
当てはまる方は要注意ですよ。
[低血圧・血行不良]
血液の循環がスムーズにいかず、しもやけになりやすくなります。
もともとの体質で血行不良の場合だけでなく、靴や下着などの締め付けで、血行不良になっている場合も含まれます。
パンプスやブーツなどを履いていて、足がきつくて苦しいと感じたことはありませんか?
その時、足は血の流れをせき止められて血行不良状態に陥っています。
この状態で寒い中を過ごしたら血管はさらに縮み、しもやけを余計引き起こしやすくなってしまうでしょう。
また、冷え性や冷えやすい体質の方も、しもやけになりやすいといわれています。
[汗をかきやすい]
汗が冷える際に急激に皮膚の温度が下がり、しもやけになりやすくなります。
[遺伝]
しもやけの原因には遺伝も影響しているという可能性もあります。
身内にしもやけの方がいる場合は少し注意が必要かもしれませんね。
ビタミン不足
しもやけにはビタミン不足も影響しています。
しもやけになりやすい方は、ぜひ一度食生活も見直してみましょう。
濡れたまま放置
また、濡れたままにしておくというのも体を冷やしやすくする行為です。
水分は蒸発する際に、周辺の熱も放出してしまいます。
運動した後汗をかいたままにしてしまうと、せっかく温まり血のめぐりも良くなった体が、すぐに冷え切り血管が収縮しきった状態になってしまいます。
冬場の運動後は、よりケアに気を使った方が良さそうですね。
体を圧迫する衣服や靴が増え、ジョギングなど冬場でも運動のブームが続いたためか、寒冷地方以外でもしもやけを発症した方の報告が増えています。
しもやけは寒い地方でこそ起こりやすいと思われがちですが、血行不良、冷えがおこりやすくなった現代では身近な病となっているのです。
しもやけの治し方!即効性のある方法は?
しもやけのあの、なんともいえない痒さはツライですよね。
なんとか早く治したいものです。
「しもやけって、温めたら治る?」
「温めたら痒いから、冷やした方がよい?」
など、しもやけの治療方法はよく分からないものです。
実際にしもやけになってしまったら、どのように治せば良いのでしょうか。
ここからは、手足の指のしもやけの基本的な治し方についてご紹介していきます。
温める
お湯で温めると痒くなるので、温めるのは辛いですが、温めないと血行はよくなりません。
お風呂や足湯に入るなどして、血流をよくしましょう。
特に重炭酸湯が効果的です。
そのときに、しもやけの部位を軽くマッサージするのも良いですね。
お湯と水に交互につける(即効性あり)
患部を、お湯と水に交互に浸ける方法です。
このやり方は温冷浴(温冷交代浴)と呼ばれる入浴法からきています。
温まって広がった血管に冷たい水をかけて血管を縮めることで、体に宿った熱を持続させる効能があるのです。
古くからある民間療法ですが、効果がありますよ。
軽症であれば、これだけで治ってしまう場合もあるため即効性もありますね。
まずはお湯(40度前後)と水(5度前後)を用意します。
その後は、しもやけの部分をお湯と水に交互につけるだけです。
つける目安はどちらも1、2分程度で大丈夫です。
お湯につける時間は少し長めに、水につける時間は短めにするように注意してみてくださいね。
これによって血管が改善され、しもやけに効果がありますよ。
大人だけではなく、子供や赤ちゃんにも対応できる方法ですよね。
低血圧の改善にも使われる方法なので、しもやけにも高い効果を発揮します。
市販の軟膏を利用する
しもやけに効果のある軟膏も多数販売されていますので、それらを利用するのも治し方のひとつです。
ただ、副作用のあるステロイド薬などもありますので、購入の際は薬剤師に相談するのがおすすめです。
市販薬であまり改善されない場合や、子供や赤ちゃんで市販薬を使うのが不安な場合は、皮膚科を受診するのが良いですね。
また、しもやけ用の塗り薬も市販されています。
保湿力があり、ビタミンEが入ったものがおすすめですよ。
湿布を貼る(即効性あり)
湿布にしもやけを治す効果があるのをご存知でしょうか。
湿布に含まれる鎮痛成分が痛みやかゆみを抑えてくれますし、温湿布であれば血行も良くなります。
早ければ1日でしもやけが改善されることもありますので、即効性もあります。
湿布を小さく切って患部に貼り、まずは1日過ごしてみてくださいね。
縄跳びをする(即効性あり)
「しもやけに縄跳び!?」と思われた方もいるかもしれませんが、縄跳びの動作を想像してみてください。
つま先でジャンプをしますよね。
この動作を続けることで、足先の血行が良くなり、足のしもやけの治し方としては抜群の効果がありますよ。
子供であれば遊びながらしもやけを治すことができますよね。
約10~20分ほどで十分ですので即効性も抜群!ぜひ試してみてくださいね。
また、軽い筋トレやストレッチでも効果がありますよ。
針を刺すのはNG
古い民間療法では、針で皮膚を刺して、滞った血や水ぶくれになった水を抜いてしまうという荒療治もあります。
しかしこれは素人がやると、傷口からばい菌が入って化膿したり、悪化したりする危険がありますからおすすめできません。
しもやけがかゆい時の対処方法は?効果的な塗り薬は?
しもやけは炎症からくるかゆみに耐え切れず、掻き毟ってしまうことでその症状を悪化させます。
子供ですと我慢できずについ掻いてしまい、余計症状をひどくさせてしまうケースもありえますね。
まずは痒みを抑えることから始めると、それだけ早い回復が望めるでしょう。
しもやけがかゆい時の対処法としては、まず血行を良くすることが大切です。
前記したお湯と水に交互につける方法は、血行を良くするのに高い効果を発揮しますし、湿布もかゆみに効く場合があります。
また、仕事中などでお湯と水がすぐに用意できない場合は、手足をグーパーさせて血行を促進するのもおすすめですよ。
どうしてもかゆみが収まらない場合は薬に頼るようにしましょう。
軽症のしもやけであれば、市販薬で治ることがほとんどです。
しもやけに効果的な塗り薬は?
虫刺されなどに使われる痒み止めの薬には、しもやけからくる痒みにも対応しているものがあります。
そういったタイプの薬をこまめに塗ることでかゆみに対処していきましょう。
おすすめの塗り薬クリームの例を下記にあげておきます。
[オロナインH軟膏(大塚製薬)]
肌トラブル関係では一番有名な薬になります。
殺菌効果に大変優れているため、炎症や掻き毟ってできた傷から雑菌が入るのを防いでくれます。
[ユースキンA(ユースキン製薬)]
ひび、あかぎれ、しもやけ用のクリームです。
こちらは有効成分にビタミンEを含んだタイプになります。
ビタミンEには血管を拡げる作用があり、収縮した血管を開きやすくしてくれます。
[間宮アロエ軟膏(ライオン)]
日本で唯一のアロエ成分配合のクリームです。
アロエは多くの効能を持つ素材で、抗菌・殺菌作用、傷の治癒、鎮痛と正にしもやけにぴったりの効果をもたらしてくれます。
[当帰四逆加呉茱萸生姜湯エキス錠(クラシエ)]
塗り薬ではありませんが、体を温める効果のある漢方薬です。
しもやけだけでなく、冷えからくる症状を和らげてくれます。
このほか、ベルクリーン軟膏(クラシエ)、紫雲膏(クラシエ)、ユベラリッチ(エーザイ)、メンソレータム軟膏(ロート製薬)などもおすすめ。
子供のしもやけに使うならば、家族みんなで使うことができる「ファミリーメディカルクリーム」をうたい文句としているユースキンAがおすすめです。
1歳未満の赤ちゃんの場合は、刺激が気になるならばベビーオイルを使うといいでしょう。
こちらを塗り込みながらマッサージしていくと格段に治りが早くなります。
迷ったら受診を
薬のタイプに迷ったり、症状が深刻であったりする場合は、できるだけ早く医療機関を受診することをおすすめいたします。
しもやけの薬に限らず、病院で処方される薬は、市販の薬よりも、有効成分が多く配合されていたり、最新の成分が入っていたりします。
症状次第では、医療機関でしか手に入れられない外用剤などを処方してくれることもありますよ。
触ると痛いほどの重症になっている場合は、受診して処方薬をもらいましょう。
また、しもやけの薬は多くの市販薬が販売されていますから、種類が多過ぎて選べないかもしれません。
そういう時には、薬剤師に相談しましょう。
症状に合わせて、一番効果的な成分が入ったものを選んでもらえます。
しもやけの予防方法は?
手袋や靴下を着用し、体を冷やさない
冷え、血管の圧迫がしもやけを引き起こすのは、原因の説明時にもお話した部分ですね。
体の冷えは血行不良に直結し、しもやけになりやすい状態になってしまいます。
特に手足は冷えやすいので、厚手の手袋や靴下を着用してなるべく冷やさないようにしましょう。
靴下用のカイロなども販売されていますので、ぜひ活用してみてくださいね。
露出することが多い顔部分には、帽子やマフラー、マスクなどで対応していきましょう。
また、冬場だけは、体を締め付けるような靴や衣服も、できるだけ避けるようにしてください。
体が濡れたらすぐに拭き取る
皮膚が濡れたままの状態で放置してしまうと、水分が蒸発する際に急激に皮膚の温度が下がり、しもやけの原因となってしまいます。
汗をかいた後や水仕事の後などは、しっかりと水分を拭き取り、できれば温めるところまでしておきたいですね。
こまめにふき取ったり暖めたりすることで、手の熱を奪われにくくなり血管の収縮を抑えることができます
また子供ですと、遊んだ後に汗をびっしょりとかきますので、そちらも冬場はまめにふき取って濡れた衣服を早く取り替えるようにすると良いでしょう。
ビタミンEを摂取する
前記のとおり、ビタミンEは末梢神経の血行を促進・改善してくれる働きがあります。
ぜひ一度食生活を見直し、ビタミンEを積極的に摂り入れれば血の巡りが良い体にすることができます。
また、その際にはビタミンEの吸収を良くしてくれるビタミンCやβカロテンも一緒に摂ることがおすすめですよ。
アーモンド、とうがらし、大根の葉、いくら、たらこ、うなぎ、あゆ、イワシ、鯛、エビ、カニ、ひまわり油、なたね油、など
ピーマン、ゆず、レモン、ケール、めんたいこ、ブロッコリー、など
こうした食材を使った料理を日々取り入れるのも高い効果がありますよ。
手と足のしもやけに悩んでいる方は、さらに具体的な予防方法も見ていきましょう。
手と足のしもやけの予防方法は?
手のしもやけ予防方法は?
手は、足と違って、締め付けによる血行不良は起こりにくい場所ですね。
もしも、血行が悪くなるようなサイズの合わないアクセサリーを付けているなら、外します。
そして、保温と乾燥に気を配りましょう。
とはいえ、手は、濡れたり、冷えたりしやすい場所です。
外出の時には、濡れたり冷えたりしないように手袋をして対策をします。
そして、手を洗ったら、しっかりと拭き取りましょう。
足のしもやけ予防方法は?
足のしもやけは指、特に小指がよくなります。
一番血行が悪い部分だからですね。
ですから、血行が悪くならないように保ちます。
靴や靴下は、キツイものや締めつけるものは避けます。
できれば、ボアの付いた靴など、暖かさかキープできる靴がおすすめ。
足先に負担がかかるうえに、保温性もないハイヒールのパンプスなどはよくありません。
そして、乾燥させておくことも大事です。
足は意外と汗をかく場所ですから、靴の中が湿気た状態になりがちです。
この湿気は、冷えの原因になりますから、靴下をこまめに履きかえるなどの対策をすると良いでしょう。
今年の冬はもうしもやけに悩まない!
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しもやけの原因や治し方などについてお送りしました。
できればしもやけに悩むことなくこの寒い時期を乗り越えたいですよね。
しもやけの原因を知っていればしっかりと予防ができますし、即効性のある治し方もあることがお分かりいただけたかと思います。
しもやけができてしまった場合は早めに治療を行いましょう。
軽いしもやけであれば、今回ご紹介した治し方で十分に対応することができますよ。
こまめな栄養摂取や保温、血行を意識したライフスタイルの改善によって、しもやけ知らずの快適な生活を目指していきましょう!