餞別【のし袋の書き方】目上の人(上司)の場合は?金額や裏書は?
転居や留学、退職の際に金品を渡す事を『餞別』(せんべつ)といいます。
餞別の習慣は、旅が危険であった頃に生まれました。
昔は旅は危険で、苦難を伴うのが普通でした。
ですから、餞別は金銭的援助という意味だけでなく、大勢の者の合力によって旅の安全を願う意味も込められていたのですね。
今回は、その餞別を贈る際に気をつけなければならないことをご紹介します。
せっかく餞別を贈っても、のし袋の選び方や、のし袋の表書きの書き方などを間違えてしまうと失礼になってしまうことがあるのです。
書き方ひとつで悪い印象になってしまわないように、気をつけてくださいね!
・餞別の熨斗袋の書き方は?
・退職者や目上の方、上司に贈る場合の書き方は?
・中袋の金額や裏書の書き方は?
・連名で餞別を贈る場合の書き方は?
餞別の熨斗袋の書き方は?
熨斗袋の選び方は?
基本的には、紅白の蝶結びの水引きがついた熨斗袋を使います。
ただし、新婚旅行の場合には、紅白の結び切りの水引きがついた熨斗袋を使ってください。
熨斗袋がなければ白い封筒を使ってもかまいません。
お餞別をこっそりお渡しする場合は、別の白い封筒に熨斗袋を入れて渡すと目立ちません。
表書きの書き方は?
まず、水引の上段中央に『御餞別』『御礼』『おはなむけ』などと書きます。
餞別ではなく、「銭別」と書く方がいますが間違いです。
餞という漢字の偏(へん)は食偏(しょくへん)です。
食べ物に関する漢字に使われます。
また、つくりの方は戔(せん)という字で、「少ない」「小さい」という意味があります。
ということで、食+戔=ささやかな祝宴という意味なんです。
「おはなむけ」も、「花向け」と勘違いしている方がいるようです。
「おはなむけ」は『馬の鼻向け』という意味があります。
昔は、旅行の際に、馬の鼻を目的地に向けてることで道中の安全を祈ったことから、「おはなむけ」という言葉は旅の安全を祈る意味が込められているのです。
次に、水引の下段の書き方です。
お餞別にかぎらず、のし袋に宛名は書きません。
表書きには、差出人の姓名を書くのがマナーです。
退職者や目上の方、上司に贈る場合の書き方は?
会社の方の退職や転勤の際にお餞別を贈るときには、どういうことに注意すれば良いのでしょうか。
目上の方にお餞別を贈る際は、部署一同や有志のグループなどでお餞別を贈るのが一般的です。
もしも、個人で贈りたい場合は、表書きは「御餞別」ではなく『おはなむけ』と書きましょう。
もちろん、「御礼」「御祝い」などを使っても大丈夫です。
中袋の金額や裏書の書き方は?
金額の書き方は?
金額は、中袋の表にすべて“漢数字”で書きます。
書き方は、『金○○円也』と書くようにしましょう。
仮に1万円だとしたら「金壱萬円也」となります。
裏の書き方は?
熨斗袋の中袋の裏には、自分の住所と氏名を書きます。
郵便の時と同じで、左下に書いてください。
連名で餞別を贈る時には、封筒の中にお金を出したメンバーの住所と金額を書いた紙を入れておきます。
誰がいくら贈ったのかを書くのは、一見感謝を強要しているように感じるかもしれません。
でも、記載するのがマナーなんです。
なぜかというと、戴いたものにはお礼をするのが日本の文化なので、金額と連絡先が分かるようにしておくのです。
最後のとじ方は?
最後に、中袋の裏側の封をしたところに『封(もしくは、〆〈しめ〉)』と書きます。
形式的なものですが、「封をしたあと開封していません」という意味になります。
お祝い事の場合は、『寿』や『慶』でも良いでしょう。
中袋はのり付けしてもしなくともよいですが、しないほうが出しやすくて良いかもしれませんね。
どうしても閉じたい場合は、簡易なシールでも大丈夫ですよ。
連名で餞別を贈る場合の書き方は?
連名で餞別を贈る場合の書き方について説明しましょう。
3人までの場合は、目上の方から順番に右側からフルネームで表書きに記載します。
4人以上になる場合は、表書きには代表者の名前を中央に書いて、左側に「他五名」などと、人数を書きます。
「○○部一同」というふうに、表書きの下段にはグループ名を書いてもいいでしょう。
先ほど説明したように、メンバーのリストは別紙に書いて、熨斗袋の中に入れておきましょう。
のし袋の書き方はポイントを押さえて!
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餞別で送るのし袋の書き方についてお送りしました。
のし袋の書き方でのポイントは、表書きの書き方でした。
個人で贈る場合、目上の方には「お餞別」という言葉は使わない方がいいことが分かりましたね。
餞別に限らず、のし袋の書き方には決まりがありますので、記事を参考にして正しい書き方で贈るようにしましょう。