インフルエンザ出勤停止期間!給料や解熱後は?家族がかかった場合は?
インフルエンザが流行する季節になりました。
インフルエンザには誰でもかかりたくないもの。
でも、もしかかってしまったら仕事はやむをえずお休みするでしょう。
職場のみんなに移したら迷惑になりますからね。
でも熱がひいて峠を越した場合はどうでしょうか。
また、自分はかかっていなくても、家族がインフルエンザにかかった場合はどうなるのでしょうか。
さらに、自分には自覚症状がない場合でも出勤停止になるのでしょうか。
仕事を休んだら、職場のみんなも困るだろうし、仕事もどんどんたまる一方。
そしてお給料はどうなるのだろう‥など、いろいろと悩みごとがでてきますよね。
今回は、そんなお悩みを解決するために、インフルエンザの出勤停止に関わる事柄、期間やお給料などについてご紹介していきます。
解熱後や家族がかかった場合など、状況別の対応についても触れていますので、ぜひご参考になさってくださいね。
この記事の目次
インフルエンザと出勤停止は法律ではどうなってるの?
厚生労働省はこれまでの基準を下記のように改正しました。
幼稚園(保育園)児に関しては、「発症後5日経過、解熱した後に3日経過するまで」登園停止。
学童に関しては、「発症後5日経過、解熱した後に2日経過するまで」登校停止。
これを読んで、あれ、大人は?と思った方もいることでしょう。
そうです、大人に関しては実は何の基準もないのです。
つまり、インフルエンザにかかったら何日間出勤停止というのは、一般的な社会通念(マナー)であって、その規定は会社によって違うのです。
法律では決められていない?
厚生労働省では、『労働者の感染が確認された場合、事業者は、労働者全員を自宅待機させる必要はないまでも、感染拡大防止の工夫をしていただきたい』としています。
また、『就業禁止の措置を講ずることは要しません』ともしています。
つまり、幼稚園(保育園)児や学童と違って、成人(社会人)に関しては、「法律では決めませんから、それぞれの会社で決めてくださいよ」ということなんです。
インフルエンザにかかったら出勤停止?
インフルエンザは、その感染力が強大であることから、かかってしまった場合の出勤についての規定を設ける会社が増えてきました。
ほかの社員に感染した場合のリスクが高いということでしょう。
しかしその対応は、一定期間の「出勤停止」から「マスクをつけて出勤」を義務付ける会社、ほかの社員から隔離した場所での作業を義務付ける会社など、さまざまのようです。
本人がインフルエンザを発症し、高熱で苦しんでいるわけですから「止むを得ず」出勤停止状態になっている場合がほとんどで、会社によっては規定すらなく上司の一存で決められている場合も少なくありません。
万が一インフルエンザにかかってしまったら、まずは会社に連絡をし、出勤についての可否を確認しましょう。
また出勤停止の場合は、どの程度出勤停止期間が必要かを確認した上で感染拡大を防ぐことが重要です。
学校・幼稚園(保育園)や老人介護施設などの仕事の場合は?
もし学校関係者や老人施設関係者など、子供やお年寄りと密接に関わるお仕事をされている場合は、子供やお年寄りに移さない配慮が必要になってきます。
前述したようにこちらの規定に準じて出勤を控えたほうがいいと思います。
幼稚園(保育園)児に関しては「発症後5日経過、解熱した後に3日経過するまで登園停止」
学童に関しては「発症してから5日を経過し、さらに解熱した後に2日以上経過するまで登校停止」
インフルエンザは成人に関してはさほど重症になりませんが、子供やお年寄りがかかった場合は重症になる確率が高いです。
職場とよく相談してくださいね。
インフルエンザの出勤停止期間は?
先にも述べたとおり、成人に関してのインフルエンザによる出勤停止規定は、法律ではなく会社にゆだねられています。
厚生労働省の学童に関しての「発症してから5日を経過し、さらに解熱した後に2日以上経過するまで」を参考にして、解熱後2日から一週間程度にしているところが多いようです。
もう少し具体的に見てみましょう。
まず、定められた期間がある場合の期間を数えるときの注意点として、初日は計算に入れないというルールがあります。
ですから、発症した日(発熱が始まった日)は0日目となり日数に含まず、翌日を1日目として数え始めます。
ひとつの例として表にするとこのようになります。
(※最も期間が短い場合)
発症日 | 発熱 | 発熱 | ||||
0日目 | 1日目 | 2日目 | 3日目 | 4日目 | 5日目 | 6日目 |
1/15 | 1/16 | 1/17 | 1/18 | 1/19 | 1/20 | 1/21 |
解熱 | 解熱 | 解熱 | 出勤O.K | |||
0日目 | 1日目 | 2日目 |
規定は事前に確認しておくと安心です
なかには、医師による「治癒証明」が必要な場合もあるようです。
詳しくは会社に問い合わせるようにしましょう。
インフルエンザによる出勤停止規定のない会社の場合は、上司の一存に任せられているので、よく相談しましょう。
その場合、給与支給(有給扱いか、一部支給か、無給か)についても確認し、その上司が給与支給に関しての権限を持たない場合は、給与責任者に確認をとってもらうことを忘れずに。
インフルエンザによる出勤停止で給与や有給はどうなるの?
家族にインフルエンザ発症者がいる擬似保菌者についての出勤停止規定が存在する会社においては、その給与についても規定されています。
一般的には下記のようになります。
・ 出勤停止期間中は全額支給する(有給扱い)
・ 出勤停止期間中はある程度支給する(一部控除)
・ 出勤停止期間中は支給しない(全額控除)
あくまでも規定が存在する以上「会社側からの出勤停止命令(社員には責任はない)」ということになるため、全額支給、もしくは一部支給とする会社がほとんどのようです。
出勤停止規定の存在しない会社の場合は?
一方、インフルエンザによる出勤停止規定の存在しない会社においては、上司の一存による場合が多いため、出勤停止期間中の全額支給・一部支給は補償されません。
その多くは自己の有給を消化する、有給がない場合は無給で出勤停止となりますので、出勤停止期間を相談する際に、合わせてよく相談しておく必要があります。
家族にインフルエンザ発症者がいる擬似保菌者についての出勤停止規定の存在しない会社において、上司の一存で出勤を止められ、かつ有給がないために無給休暇扱いとなる、最悪のケースについて考えましょう。
どうにもこうにも、踏んだり蹴ったりですね。
この場合、2つの解決策が考えられます。
上司を説き伏せ、出勤する
出勤停止規定がないのですから、出勤する権利があります。
インフルエンザにかかった責任は本人にはありません。
家族がかかった場合は特にそうですね。
ましてや熱が下がっているのですから、本人はインフルエンザに対して免疫ができた状態です。
そのあたりを説明して上司を説得して出勤しましょう。
給与の全額、もしくは一部支給を勝ち取って出勤停止する
『債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は反対給付を受ける権利を失わない』と定められています。
簡単にいうと、「会社側の責任で働けなかった場合は賃金を請求できる」ということです。
『使用者の責任に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当てを支払わなければならない』と定められています。
つまり「会社側の責任で働けなかった場合は最低6割の賃金を請求できる」ということです。
上記の2点を根拠に、該当期間の給与の6割以上の支給を勝ち取って出勤停止する方法があります。
この場合、相談する上司に自分の給与の支給についての権限があるかどうか、よく注意が必要です。
上司にその権限がない場合は、給与責任者に話を確実に通しておいてもらってくださいね。
家族がインフルエンザにかかったら出勤停止?
本人が、インフルエンザにかかった場合の明確な出勤停止基準がない以上、家族がインフルエンザにかかった場合の出勤停止基準も存在しません。
とはいえ、家族に保菌者(疑わしいを含む)がいる場合についても、会社で「出勤停止規定」を設けるところが増えています。
インフルエンザは感染力が強大ですので、社内感染によるリスクも高いということですね。
擬似保菌者についての扱いも個々と同様に、一定期間「出勤停止」とする会社から、「マスクをつけて出勤」を義務付ける会社などさまざまです。
「家族がインフルエンザにかかって、その看病のために自分の有給を消化して休んだ」ということだけは避けたいものです。
心配な場合は、あらかじめ会社に問い合わせをしておくと良いでしょう。
家族がインフルエンザにかかったときの出勤停止期間は?
家族にインフルエンザ発症者がいる、擬似保菌者についての出勤停止規定が存在する会社の場合は、その規定に従ってください。
家族にインフルエンザ発症者がいる場合の出勤停止規定が存在しない場合は、上司とよく相談する必要があります。
インフルエンザの潜伏期間は約2日前後、場合によっては1週間潜伏することもあることから、家族の発症から最低5日、もしくは解熱後最低2日間程度の出勤停止が妥当なようです。
また、家族にインフルエンザ発症者がいる擬似保菌者についての出勤停止規定の存在しない会社においては、出勤停止期間中の全額支給・一部支給は補償されません。
会社に規定が存在しない以上、上司の一存によるところが大きいですから、お互いに十分に理解を得ることが必要になりますね。
家族がインフルエンザにかかった場合の対策や注意点は?
もし家族の誰かがインフルエンザにかかったら、すみやかに会社に報告し、所定の手続きをとりましょう。
特に発症してから2日前後は潜伏期間ですから、自分も「クロ」の可能性があります。
無理な出勤は、ほかの社員にも迷惑がかかりますし、ひいては会社にも重大な損害を与えることにもなりかねません。
また、期間中はマスク、手洗い、うがいを忘れずにして擬似保菌者から発症者にならないように留意しましょう。
空気が乾燥していると感染しやすくなるので、加湿器などで部屋を十分に加湿することも忘れずに。
インフルエンザの解熱後は微熱状態も含む?
まず『解熱』とは、高温だった体温が下がり平熱に戻ることをいいます。
例えば平熱が36.5℃の人の場合、39℃の高熱から36.5度の平熱に戻ったのであれば解熱になります。
39℃から37℃に下がっても解熱とはいわないので気を付けてくださいね。
そして、インフルエンザは感染力が強いので、微熱(平熱より少し高いくらい)程度でも体内にウィルスが残っている限り周囲に感染を広めてしまいます。
熱が下がったからインフルエンザが治ったわけではありませんし、周囲に感染させなくなったわけではありません。
鼻水や咳などの症状が出ている間は、ウィルスが体内に残っている可能性があります。
ですから症状が出ている間は、周囲との接触を控えしっかり休養しましょう。
また、朝体温を測って平熱だったとしても、夕方に測ると微熱程度になっていることもあります。
朝と夕方の2回の測定で、平熱に戻ったことを確認してくださいね。
解熱後は出勤を焦らずじっくり治す!
現在では、医療の進歩により抗インフルエンザ薬を服用することで、インフルエンザの高熱が1~2日で下がってしまうことも多くなりました。
数字はあくまでも目安です。
症状には個人差があるので、5日経ったから、2日経ったから、ではなく、周囲への感染を防ぐためにも、症状が落ち着くまでゆっくりと自宅で休養しましょう。
インフルエンザ解熱後の過ごし方や注意点は?
熱が下がると身体も楽になり何でもできそうな気がしてきますね。
でも高熱により体力はかなり消耗していますし、鼻水や咳などの症状が出ている間は、まだまだ油断は禁物なのです。
入浴
どんな時でも身体は清潔にしておきたいものですよね。
入浴は体力を消耗するので、治りかけたインフルエンザがぶり返してしまわないように長湯はしないで、身体に負担が掛からない程度でリフレッシュしましょう。
入浴の際に大切なのは寒暖差をなくすことです。
湯冷めしないように、脱衣所を小型ヒーターなどであらかじめ暖めておくことをおすすめします。
お酒
発熱中は健康な状態のときより水分をたくさん消費するため、脱水症状を起こさないように気を付ける必要があります。
お酒を飲むとアルコール分解に水分をたくさん消費することになってしますので、身体が完全に元の状態に戻るまで控えた方がよいでしょう。
また薬を服用している場合、薬の効果があらわれなかったり、アルコールによって思いもよらない副作用があらわれたりすることもあるので、薬を服用している間は控えましょう。
食事
おかゆやうどんなど、消化器系に負担のかからないものを中心にして、徐々に元に戻していきます。
いきなり辛いものや脂っこいものを食べると身体が驚いてしまいます。
発熱によって、内臓も含め身体全体がダメージを受けていますので労(いた)わってあげましょうね。
『風邪対策』と『会社の規定確認』をしておくと安心!
【関連記事】
●インフルエンザ学級閉鎖の基準まとめ!文部科学省の見解は?
●インフルエンザウイルスを予防するなら湿度管理?死滅させる対策。
インフルエンザ出勤停止期間やお給料、解熱後の対応などについてお送りしました。
・成人に関してはインフルエンザによる出勤停止の法律はない
・インフルエンザによる出勤停止は会社によってさまざま
ということが分かりましたね。
インフルエンザにかかった場合の規定を設ける会社が増えつつありますが、まだまだ会社によって違いがあるのが現状です。
うやむやのうち、なし崩し的に出勤停止になるのは誰もが納得いかないところ。
自分の会社はどのように規定されているのか、日ごろから把握しておきましょう。
また、こうした事態に陥らないよう、家族全員で予防接種を受けておくことも良い対策ですね。
外出するときには必ずマスクを着用し、外出から戻ったらすぐにうがい、手洗いを忘れずに行いましょう。
この冬はバッチリ対策をして、元気に過ごしたいものですね。