【柏手の意味と打ち方】大きな音を鳴らすコツは?拍手との違いは?
柏手(かしわで)を打つ時はどのようにして打っていますでしょうか?
実は、柏手は、ただ手を叩けばいいというものではありません。
打ち方や作法にきちんと決まりがあるのです。
今回は、柏手の意味や打ち方、拍手(はくしゅ)との違いなどをご紹介します。
・柏手は大きな音を鳴らした方が良いの?
・柏手の打ち方。大きな音を鳴らすコツは?
・柏手と拍手の違いは?
柏手(かしわで)の由来は?柏手を打つ意味は?
手をたたくのはなぜ?
古くから日本には手を打つ習慣がありました。
一番古い記録としては、魏志倭人伝への記載です。
そこには「倭人は、偉い人に会ったときに手を打つ」とあります。
柏手は神様だけでなく、人に対しても行われていたことがわかりますね。
手を打つ行為は「魂振(たまふり)」と呼ばれ、立てる音で神様を招き寄せ、互いの魂を動かすために行われました。
一種の神がかりの儀式でもあり、祝福でもありました。
現在は、人に対して柏手を打つことはなくなり、神様に対してだけこの習慣が残ったと考えられています。
なぜ柏手というの?
柏の葉はお皿として用いられていました。
そのため、宮中で調理にあたる人を『かしわで(かしわのひとの意)』と呼んでいました。
「かしわで」は、料理人が手を打って神饌(しんせん=神様に献上するお食事・神棚に供える供物の意味)を共したことから生まれた言葉という説があります。
ほかには、手を打つ時の手の形が柏の葉に似ているからとする説もあります。
柏手は大きな音を鳴らした方が良いの?
柏手は、大きな音を立てればよいというものではありません。
かといって、音を立てなければ意味がありません。
理想とされる音は、“ 大きな音 ” ではなく “ 清らかな音 ” です。
具体的には、
・ ポーン、ポーンという音(バンバンとかパチパチはよくない)
・ 手を力任せに強く打たないで、軽く叩いて出す
神官の方が直々に拍手(柏手)の打ち方のコツをお話されていますよ。
『「神社参拝」~拍手の響きは心の響き』
柏手の打ち方。大きな音を鳴らすコツは?
柏手を打つ時の基本動作は、次の通りです。
1. 二礼
・ 軽くお辞儀してから、お賽銭を入れ、鈴を鳴らす
・ 浅いお辞儀と、深いお辞儀をする
2. 柏手を打つ
・ 足を肩幅より少し狭いくらいに開き、鎖骨のあたりで手を合わせる
・ 右手を左手よりも少しだけ下げ手を打つ(※)
(※)これは神道には、左手を「陽=霊」、右手を「陰=体(身)」とする考え方があるからです。
左手の方が神聖なので上にするのですね。
手を打つ回数は2回が基本ですが、神社によって3回のところ、4回のところなどさまざまです。
3. 一拝
・ 手を合わせて深いお辞儀をする
二拝二拍手一拝のやり方を神官の方が実践されていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
『岩津天満宮 お参りの仕方』
柏手と拍手の違いは?
柏手(かしわで)と拍手(はくしゅ)の違いについて説明します。
どちらも手を打ち合わせて音を出すことを表す言葉ですね。
『柏手(かしわで)』は、先ほど説明した、神社などにお参りするときに手を打つことですね。
これに対して、『拍手(はくしゅ)』には、二つの意味があります。
人は喜んだり賛成したりするときに自然と手をたたきますよね。
コンサートや観劇などでも、良いパフォーマンスに対して手を叩きます。
これを“拍手”といいます。
この拍手は、日本以外でも行われますよね。
そしてもうひとつの拍手の意味は、ずばり“柏手(かしわで)のこと”です。
上記の動画にもあるように参拝の作法の時に「二礼、二拍手、一礼」といいますよね。
実は、拍手が正解で、柏手は書き間違いという説もあるほどなんですよ。
さて、拍手、柏手とくると、もうひとつ日本には「手締め(手打ち)」という習慣もありますよね。
物事がうまく纏(まと)まったときや、納会、打ち上げなどで行われる一本締めや三本締めなどです。
これも日本独自の習慣ですね。
地方によって打つリズムや掛け声は違いますが、意味合いは同じです。
うまく纏まったこと納まったことを確認し、祝福する意味が込めれているんですよ。
柏手(拍手)は神様への挨拶であり祝福
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柏手の意味や打ち方、拍手との違いなどをお送りしました。
柏手は、日本で古くから行われている神様へのご挨拶です。
古くは、神様だけでなく貴人など偉い方への挨拶にも使われていました。
感謝や福を招く意味合いもあるので、参拝や締めのときはぜひ軽やかに清らかな音を出せるように叩いてみてくださいね。