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文化財防火デーの由来や目的は?どんな消防訓練が行われるの?


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1月には文化財防火デーという名の記念日がありますがご存知でしょうか。

 

“文化財防火デー”はちょっと聞き慣れない言葉ですね。

知らない記念日は実は結構あるんです。

今回の文化財防火デーもその1つですね。

一体どんな意味があって、どんなことをする記念日なのでしょうか。

 

文字を見て推測できるように、文化財の防災活動ということを目的とした日ですが、あまりなじみがない方が大半かもしれません。

 

今回は、そんな文化財防火デーの由来や実際の活動についてご紹介したいと思います。

 

なんとなく気になっていた方、今まで全く知らなかった方も、話のネタや知識を得るためにもぜひ参考にしてみてくださいね。

・文化財防火デーとは?時期や由来は?
・文化財防火デーではどんなことが行われるの?消防訓練の内容は?
・消防訓練は参加や見物はできるの?

 

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文化財防火デーとは?時期や由来は?

文化財防火デー 時期

 

文化財防火デーはいつ?何をする日なの?

昭和30年に定められた「文化財防火デー」
日にちは毎年の1月26日と決まっています。

 

では一体何のために設けられた日なのかといいますと、下記の目的があります。

・大切な歴史的文化財を火災や震災、その他の災害から守りしっかり保存していくため。
・全国規模で文化財の防火運動を展開していくことで、国民に文化財の大切さに気づいてもらい、意識や知識の向上を図っていくため。

このように、歴史的な文化財を守っていくために、全国レベルで防火防災訓練をしたり啓発活動をしたりしていくというわけですね。

 

文化防火デーの由来は?

文化防火デー 由来

 

文化防火デーの由来は、一件の火事から始まります。

昭和24年1月26日奈良県のある法隆寺の金堂で火災が起こりました。

 

法隆寺といえば、現存する世界最古の木造建造物。
聖徳太子所縁のお寺としても知られています。

 

その貴重な建物で火災が起こり、重要な壁画が焼損してしまいました。

 

この火災による歴史的文化財の損失は、国内外ともに大きな衝撃でした。

それは、当時の新聞での扱いにも見て取れます。

 

当時は物資不足で新聞は数ページ朝刊のみを発行していましたが、火災翌日、朝日新聞大阪本社版は表裏2ページのうち1面の約半分を火災の記事に当てています。

 

壁画の前で合掌する佐伯定胤住職の写真は当時の人々に強い印象を残しました。

 

さらに、裏面にも各地の文化財保護体制の不十分さを指摘する記事を掲載。

 

当時ロンドン・タイムスの東京支局長であったフランク・ホーレー氏も

「法隆寺は外国人にとっても非常に興味を持たれ・・・(中略)・・・日本人はこうした“貴重なもの”の取扱いが全く下手でデタラメだ(1月27日の朝日新聞より)」と非難しました。

 

文化財保護法と文化財防火デーが制定

文化財保護法 制定

法隆寺金堂火災を受けて、文化財保護の世論が高まります。

 

このとき、国宝を定めるための法律や、日本の古美術品等の海外流出を防止するための法律はありましたが、文化財を総合的に保護する法律はありませんでした。

 

そして昭和25年に文化財保護法が制定されました。

これは、文化財の指定や登録・保護を統括的に定めた法律です。

 

さらに昭和30年に、“文化財保護委員会(現・文化庁)”と国家消防本部(現・消防庁)”が、火災のあった日を教訓とすべく1月26日を「文化財防火デー」とすることを正式に定めました。

文化財 法律

 

1月26日が選ばれた理由は2あります。

 

1つは、1月26日が法隆寺金堂の焼損した日であることから分かると思います。

 

ではもう1つの理由はなんでしょうか。

 

もう1つの理由は、実は1月と2月、そして3月にかけては1年のうちで最も火災が発生しやすい時期なのです。

 

なぜこの時期に火事が多いかというと、それは下記の理由からです。

① 空気がとても乾燥しているため。
② 寒いのでストーブなど火の使うものをよく使うため。
③ 温かい料理を作ることが多いので日常的に火を多く使うため。
④ お湯を沸かすことも多いため。
⑤ 焚き火をすることもあるため。

あまり馴染みのない文化財防止デーではありますが、内容そのものは国民の生活へも深く関わりのあるものなんですよ。

 


文化財防火デーではどんなことが行われるの?消防訓練の内容は?

文化財放火デー 消防

 

文化財の防災には、文化庁、消防庁、都道府県・市区町村教育委員会、消防署など多くの部署が関わります。

さらに、文化財所有者の権利や意向も絡みます。
ちょっと考えただけでも、連携が難しそうですよね。 

ですから、「もしものとき」に、どのように連携し協力していくのかを確認するためにも、文化財防火訓練が全国で行われているのです。

 

消防訓練 内容

 

具体的な訓練内容は、
初期消火、避難誘導、119番通報、応急救護、文化財搬出など。

 

通常の火事と大きく違うのは、「文化財の搬出」訓練が行われること。
絵や仏像など大きなものも実際に搬出します。

四天王寺で文化財防火デー消防総合訓練

 

 

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消防訓練は参加や見物はできるの?

消防訓練 参加

 

消防訓練は、実際に消火や搬出にあたる人だけで行う場合もありますが、見学できるものや参加できるものもたくさんあります。

例えば、2018年1月26日に醍醐寺(京都府)消防合同訓練では、近隣の小学生を見学に招いています。

 

市民の見学や参加を受け入れる背景にあるのは、文化財防火デーが、「価値のある文化財を火災や震災、その他の災害からしっかり守る」だけでなく、「全国規模で文化財防火運動を展開していき、国民の文化財に対する意識や愛護の向上を図る」という目的を持った記念日だからでしょう。

 

文化財関係者や消防関係者だけなく、国民全体の意識も高めていくための大切な活動ともなっています。

文化財防火デー

 

 

文化財のための防災訓練が行われる日

文化財 防災訓練

 

化財防火デーの由来や実際の活動についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

 

あまり難しい内容ではなかったことと思います。

 

文化財防火デーは、大事な文化財が焼損したことによって設けられた記念日。

 

活動の様子は見学できることもあるので、お住まいの地域の広報誌などで確認してみてはいかがでしょうか。

 

また“文化財防火デーの時期には火災が発生しやすい”ということも頭の片隅に入れておくと、より安全ですよ。

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