暑気払いの意味と時期。反対語、英語は?特別な行事はある?
毎日ニュースで最高気温の話が最初に出てくるようになると、昼はぐんぐん気温が上がり汗を拭っても止まらず、夜は熱帯夜で寝返りばかりで寝不足が続く、そんな日々が何日も続き始めます。
こんな時は心身ともに疲れているので、何とか元気になりたいものですね。
昔からの風習で「暑気払い」というのを聞いたことありませんか?
どんな意味があるのか、時期はいつなになるのかなどについて書いてみたいと思います。
・暑気払いの時期はいつ?
・暑気払いはどんなことをする時期のことを言うの?
・暑気払いの反対語はあるの?
・暑気払いを英語で言うと?
暑気払いの意味は?
夏の暑さを払いのけること、暑さに負けそうな心身を元気づけること、そのために何かを催すこと、という意味があります。
読んで字のごとくですね。
暑いときは上がった体温を下げるに冷たいものを食べます。
あたたかい食べ物を食べる気持ちにはなりづらいですよね。
いつ頃からの風習なのでしょうか?
これについては確かな時期は分かっていません。
現代でも皆さんにおなじみなのは、江戸時代から続いている“夏にはウナギを食べる”という風習です。
夏バテで栄養が不足してしまいがちな時期にウナギを食べようというご家庭も多いのではないでしょうか。
また、昔は暑さをしのぐために、体を冷やす効能がある漢方薬を飲んだり、枇杷(びわ)や桃の葉を煎じた「枇杷葉」を飲んでいたようです。
「ビワと桃、はばかりながら暑気払い」という江戸時代に詠まれた川柳があるのをご存じでしょうか。詳しく読み解くと、とても面白い意味があるのです。
本来、ビワや桃は実を食べるものです。
その葉っぱだけ煎じて飲むことはちょっと申し訳ないな・・・という気持ちを詠んだ句です。
「葉ばかり」と「はばかられる」という2つの意味をかけた、なんともオシャレな句ですよね。
暑気払いの時期はいつ?
とくに決まりはないようですね。
もちろん暑い時期に行われるものですが、目安としては梅雨明けの6月下旬から9月上旬となっています。
ただ、地域差やその年によっても暑さに違いがありますので、全国的に通用する暑気払いの時期はもう少し期間が短いでしょうか。
小暑 7月7日頃で少しだけ暑い、夏本番前という意味が込められています。
大暑 7月23日頃もっとも暑い日とされています。
立秋 8月6日前後で秋の訪れを言いますが夏真っ盛りという感じです。
処暑 お盆が過ぎた8月23日頃です。
参考までに北海道では、7月に入ってやっと暖かくなってきたかなと感じお盆のころを境に秋を感じるようになります。
残暑はありますが本州のような残暑ではなく、あっという間に秋となりますので暑気払いの時期はほんのわずかです。
暑気払いはどんなことをする時期のことを言うの?
昔は漢方薬などで暑気払いをしていましたが、現在は食べるものや飲み物で暑気払いをするようになりました。
代表的な行事として最も多いのが暑気払いと称した飲み会ですね。
毎日どこかしこで行われていて、飲み会のあとは暑さも飛んでゆくような陽気さになっているようです。
ここで飲み会のことを書いても・・・と思いましたが、実はこの“飲み会”というのはとても理にかなっているのです。
まず最初に乾杯するビールですが、これは麦でできているのはご存知ですよね。
この麦は夏バテを防ぐ効果を持っています。
さらに利尿作用があるので体の不要なものを出してくれるので夏バテ防止をしてくれているのです。
でも飲みすぎは逆効果ですから皆さんほどほどにしてくださいね。
このほかにも、つまみと称されているキュウリやスイカなども体を冷やす作用があるので、夏バテ対策となるものを自然と取り入れているのです。
暑気払いの反対語はあるの?
暑気払いは“暑さを飛ばす”という意味で行われます。
この暑い夏のおかげで売り上げが伸びている業界があります。
例えば清涼飲料水やアイスなどの冷たいお菓子を代表として、いろいろ恩恵を受けているところがあります。
それらの業界では少しでも暑い夏が続いてくれるようにという意味で、「暑気払い」の反対として「暑気寄せ」「暑気乞い」という言葉が使われたりするのです。
関係者にとっては切実な願いなのかもしれませんね。
暑気払いを英語で言うと?
突然ですが「暑気払い」を英語で何というか知っていますか?
「beating the summer heat」や「avoiding the summer heat」と言うそうです。
最近は会社で外国人の方がいらっしゃるところが結構あります。
その方たちを暑気払いに誘うときに何と声をかけるのか戸惑いますよね。
誘い方としては、
How about some [a] beer to help us forget the heat?
暑気払いにビールでもいかがですか?
なんていかがでしょうか。
暑気払いで食べ物に興味を持ってみてはいかがですか?
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暑気払いという言葉を調べていくと、人間の体は自然に体にいいものを欲して口にしているのだなと感心してします。
麦でできているビールやそうめんも夏には欠かせないものですね。
そうめんは口当たりがいいので、食欲がないときでも食べられます。
暑気払いで飲まれるビールも、麦が夏バテに効果的だということや、つまみなども栄養面で損なわないように体が自然と欲していることが分かりましたね。
今年も暑気払いで暑い夏をかしこく楽しみながら乗り切りましょう!