【教授・准教授・講師・助教・助手】違いや順番は?年収や年齢の平均は?
大学に入って今まで授業をしてくれる人が先生だけだったのが、教授や准教授などいろいろな役職を持った人がいます。
誰が一番偉くてどんな違いがあるのか戸惑うことばかりですよね。
でも知らないでいると、気が付かないうちに礼を失することにもなりかねません。
そこで今回は、教授・准教授・講師・助教・助手のそれぞれの違いや、また将来この職業を目指すことになった時にどれくらいの年収になるのかなどをご紹介します。
この記事の目次
教授・准教授・講師・助教・助手の偉い順番は?
偉い順番はどうなっているの?
まず偉い順番からみていきましょう。
『 教授 > 准教授 > 講師(教諭)> 助教 > 助手 』 となっています。
助手から始まって教授になるまでには長い道のりがあります。
それぞれ昇格するときには論文の数や内容、またほかの教授達の推薦などをもらって昇格していきます。
それでは教授・准教授・講師・助教・助手の違いについてそれぞれみていきましょう。
教授・准教授とは?
教授とは?
教授のお仕事は学生への授業や、学生の研究への指導などがあります。
また自分自身の研究もしなければなりません。
教授になるためには論文の数が多く、また内容にもかなりの成果を求められることになります。
また書籍なども多く執筆されていることもあります。
これらの成果を元に、教授会というところで審査をされて認められてから教授となります。
この教授になるのは一握りの人だけがなるのでとても険しい道程です。
ちなみに現在教授として在籍しているのは約7万人ということです。
そして教授となると、定年ははっきりと決まっておらず、大学によってさまざまです。
定年を65歳としている大学が多いようですが、70歳近くまで定年を延長する動きがあるようですので65歳~70歳が定年と考えて良いでしょう。
准教授とは?
准教授のお仕事は教授と同じように学生への授業や研究への指導、そして自分自身の研究となります。
准教授になって初めて自分の研究室が持てるようになります。
准教授になるためには教授の推薦をもらって教授会で認めてもらうことも必要ですが、准教授や教授などは定員が決まっていますので、その席が空いてからとなります。
ちなみに2007年に助教授が廃止されて准教授という立場ができました。
講師とは?常勤講師・非常勤講師、教諭との違いは?
講師には常勤講師と非常勤講師という言葉があります。
この場合、常勤講師は正式な講師ですが、非常勤講師は正式な職位でなく、いわば会社でいうところのアルバイトやパートのようなもの。
つまり講師の仕事をしている人であって、講師という立場ではないということですね。
なので非常勤講師という言葉の意味は、単に仕事の形式を示すものということとなります。
そのため、非常勤講師は上記の職位順(偉い人順)の講師には当てはまりません。
常勤講師
正式な職位。
講師の仕事はほぼ准教授に準じています。
立場的には准教授より下と見られています。
大学によっては自分の研究室を持つこともできるようですので、限りなく准教授に近い立場です。
論文の数や内容が准教授にするには少し足りないという感じで、その准教授になる準備段階の場所にいる立場と考えられているようです。
非常勤講師
学生への授業のみを担当するということです。
いわばパートやアルバイトと同じで給料は時間制、副業も認められています。
常勤講師と違うのは大学(学校)の所属ではありませんので、その大学の准教授や教授(校長など)への昇格はないということです。
非常勤講師には、ほかの大学の教授を努めている方や塾の講師が副業としている場合もあります。
また実業家や芸能人の方など、知識や技術を教えるために非常勤講師を勤めたりすることもあります。
教諭と講師の違いは?
ちなみに教諭と講師の違いですが、教諭(先生)は教員採用試験に合格して正式に採用された人をいいます。
常勤講師は正式採用されてはいませんが、仕事内容はほぼ教諭と同じで、1年などある程度期間が決まっていて、産休の先生の代わりに来る人も多いです。
教諭の仕事を担当しながら正式採用を目指し、採用試験の勉強をしている人も多くいます。
一方、非常勤講師は正式採用されておらず、仕事内容は担当の授業のみです。
また非常勤講師は公立の学校で働く場合は公務員になります。
会社でいうと、教諭は正社員、常勤講師は契約社員、非常勤講師はパート・アルバイトとなります。
ちなみに大学の講師や非常勤講師は教員免許は特に必要ではありません。
教員免許が必要なのは、幼稚園や保育園、小中高の学校(校種別に必要)です。
専門学校の場合も教える専門知識や技術をもっていれば教えることができます。
ただし学校により条件などがいろいろと異なる場合があります。
助教・助手とは?
助教
助教とは字のとおりに授業を助ける、授業も持てるとなります。
ただこの場合、主要な科目以外の授業を任されることが多いようです。
そのほかに実験や演習とかの授業も持つことがあります。
助手・技術員
助手は授業が持てず、実験や演習のお手伝いを主な仕事としています。
そのほかに、教授や准教授の資料や書類などの整理などのお手伝いをします。
助手は若い方の勉強の場でもあり、資料などの手伝いをしながら自分自身の論文などの勉強としているようです。
教授・准教授・講師・助教・助手の年収や年齢の平均は?
次にそれぞれの年収や平均年齢をみてみましょう。
時期や場所、状況などによって変動はあります。
教授
平均年齢は約58歳です。
平均年収は約1,100万ほどですが、大学によって約900万~1,400万円とかなりの開きがあります。
また教授クラスになりますと、多くの書籍を出版している人も多いですので、その印税なども収入として入ってきます。
准教授
平均年齢は約47.6歳です
平均年収は約850万ほどになります。
講師
平均年齢は約44.4歳です
平均年収は約700万ほどになります。
正式採用されている教諭、そして常勤講師や非常勤講師では金額や待遇はかなり変わってきます。
常勤講師は教諭よりやや低くなります。
非常勤講師は時給制で1時間2,000円~3,000円ほどです。
助教
平均年齢は約38.8歳です
平均年収は約550万ほどになります。
こちらも大学によって差が大きく約450万~600万円ほどの違いがあります。
助手
平均年齢は約35.8歳です
平均年収は約550万ほどになります。
助教とあまり変わらないようです。
教授・准教授・講師・助教・助手の英語表記は?立場は日本と同じ?
教授・准教授・講師・助教・助手の英語表記は?
准教授『 associate professor 』
講師『 lecturer 』
助教『 research associate 』『 Assistant Professor 』
助手『 research assistant 』『 assistant 』『 associate 』
立場は日本と同じ?
英語表記と実際の日本での役職の違いについては微妙に違っているようです。
それぞれの国でも捉え方が違っていますし、書籍などでの表記もさまざまで物議をかもしだしているのも事実です。
特に助教授という立場がなくなって以来、混同するようになってきているようですね。
以前助教授はAssistant Professorという訳し方をしていましたが、今は助教となります。
仕事の内容的には助教授と准教授はほぼ同じなので、この点からも英語表記がかなり難しいことが伺えます。
生涯勉強!
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教授・准教授・講師・助教・助手の違いなどについてお送りしました。
教授までにはさまざまな道のりがありますが、学生へ教えたり自分自身の研究をしたり、さらには論文を書いたりと生涯勉強となります。
自分自身の研究にかける時間が少なくなり、将来を危惧されている部分もあります。
ですがノーベル賞などで日本人の研究が認められているニュースを見ると、大変なご苦労があったことと思うと同時に、日本人として誇らしくも思いますね。