【御香料の意味と金額相場】御香典との違いは?お札の入れ方は?
訃報は突然訪れます。
突然の訃報に、「故人は何宗だったかな?宗派は何だったかな?どの不祝儀袋を使う?金額は?」など頭が真っ白。
自分にはまだまだ関係ないかも、ではなく訃報は突然に!です。
細かい決め事のようにも感じますが、いざというとき適切に対応できるように、故人を気持ちよく送り出してあげるためにも知っておくことが大切ですね。
今回は、御香料の意味や相場、御香典との違いなどについてご紹介します。
御香料の読み方や意味は?御香典との違いは?
御香料は『ごこうりょう』と読みます。
通夜や葬儀のときに持参する不祝儀袋の表に書く言葉です。
御香料より御香典(ごこうでん)の方が馴染み深いかもしれませんね。
どちらの言葉にも『香』が含まれています。
なぜ『香』なのかといいますと、昔は、それぞれの家に代々受け継がれていた『香』がありました。
通夜や葬儀のときには各家々の香を持ち寄り故人にお供えしていたそうです。
現代ではお香を供える代わりとして、またはお香の代金としてお金を包み故人に供えるようになりました。
加えて故人に対する供養だけでなく、遺族(喪家)の負担を軽くするために、通夜や葬儀にかかる費用を負担しあう相互扶助の意味も含まれています。
御香料と御香典の違いは?
御香料と御香典の意味に違いはありません。
御香料も御香典も不祝儀袋の表に書く言葉のひとつです。
御香料の金額相場は?
四や九はよくないイメージがある数字なので、この数字がつく金額は避けた方がよいでしょう。
一般的には、偶数をさけ奇数を選びます。
また故人との関係や年齢、立場などで包む金額は変わってきます。
20代:10,000~100,000円
30代:10,000~100,000円
40代:10,000~100,000円
20代:3,000~5,000円
30代:3,000~10,000円
40代:3,000~10,000円以上
20代:3,000~5,000円
30代:3,000~10,000円
40代:3,000~10,000円
こちらは、あくまでも目安になります。
故人との関係の深さや想いを考慮して決めてくださいね。
御香料の袋の種類は?
通夜や葬儀のときに持参する現金を包む水引の付いた袋のことを不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)といいます。
一般的には『香典袋』と呼ばれています。
「人生に一度でよい」弔事という意味から、結んだら解けないように固く結んである『結び切り』と呼ばれる水引が使われています。
不祝儀袋の水引と金額の関係
不祝儀袋の水引にもいくつか種類があり、中に包む金額に合わせて選びます。
また水引の本数が多いほど格が上がるようです。
[5,000円以下]
水引が印刷されているもの。コンビニや100均などでも販売されています。
[1~2万円]
黒×白、または双銀と呼ばれる銀×銀の水引が7~10本束になったもの。
[3~5万円]
双銀の水引が10本以上束になったもの。
[10万円以上]
袋の素材には高級和紙が使われ、袋や水引のデザインも特別なもの。
不祝儀袋と宗教の関係
[仏式]
不祝儀袋に蓮の花が描かれたものを用います。
[神式]
不祝儀袋には蓮の花が描かれておらず無地の白いもので、双白と呼ばれる白×白の水引が束になったものを用います。
御香料の袋の書き方は?
必ず薄墨を使い書きましょう。
涙で墨が滲(にじ)んでしまった、突然のことだったので墨を磨る時間がなかったなど、薄墨を使うことで悲しみを表しています。
表書き
宗教・宗派によって使用する言葉に決まりがあります。
故人や喪家の宗教・宗派に合わせて書くことになります。
[仏式]
御霊前、御香料、御香典を共通に使うことができます。
ただし浄土真宗の場合は『死後すぐに仏になる』という教えがあるので、御仏前または御香料、御香典を使用します。
[神式]
御霊前、御玉串料、御神前などの言葉を使用します。
『御霊前』は宗教を問わず使えるので、宗教がわからないときには『御霊前』を使用します。
また仏教とは知っているけれど宗派がわからないときには『御香料』を使うと、故人や喪家に対して失礼に当たりません。
水引から下の段には、自分の名前または参列する人の名前をフルネームで記入します。
連名の書き方
[夫婦の連名]
中央右に夫のフルネーム、左に妻の名前を夫の名前の隣に書きます。
[夫の代理で妻が出席する場合]
夫のフルネームを中央少し右寄りに書き、夫の名前の左下に「内」という字を小さく書きます。
[3名以内の連名]
中央右から左に向かって目上の順に書きます。
会社名を入れる場合は、一番右の人の右上に書きます。
[4名以上の連名の場合]
〔グループ名がある場合〕
「○○(グループ名)一同」とします。
〔会社で出す場合〕
中央に代表者名「代表取締役社長○○ ○○」を書き、右上に会社名を書きます。
〔会社や団体の中の1グループとして出す場合〕
中央に部署名やグループ名「営業部一同」などを書き、右上に会社名や団体名を書きます。
中袋の書き方
不祝儀袋には、お金を包むための中袋や中包みと呼ばれる袋が入っています。
この袋には包んだお金の金額、参列した者の住所、氏名などを記入します。
表書きを連名にしたときや人数が多いとき(一同や有志で出したとき)は、表側に合計金額、裏側に代表者の住所・氏名を書き、別紙に全員分(代表者含む)の住所、氏名、金額を記入し入れておきましょう。
また中袋が入っていると袋が二重になるので「不幸が重なる」と捉える地域もあります。
このような風習がある地域に参列するときは、中袋が入っていない不祝儀袋を用意してくださいね。
金額の書き方
金額を記入するときに使う漢字は『一、二、三・・』ではなく『壱、弐、参・・』を使います。
一 → 壱、二 → 弐、三 → 参、五 → 伍、七 → 七、八 → 八、十 → 拾、万 → 萬、円 → 圓(円でも可)
(例)3万円の場合 → 金 参萬圓
4は“死”、9は“苦”を連想させるのでNG。
6は偶数で割り切れるのでこれも使われません。
2や8は偶数ですが、夫婦を意味する2や末広がりを意味する8は用いても大丈夫とされています。
御香料のお金の入れ方は?
包むときのお札は『何はともあれ一刻も早く駆けつけたかった』という意味や気持ちから、ボロボロすぎてはいけませんが古いお札を使います。
新札しかなかった‥というときには、一度半分(二つ折り)に折りたたんでから包めば大丈夫です。
全てのお札の向きを揃えて、中袋の表側にお札の裏側がくるように袋に入れます。
中袋を上包みに包み、上向きの折り返し部分に下向きの折り返し部分を重ね水引を被せます。
下向きの折り返し部分を外側に重ねるのには『悲しみを流す』という意味が込められています。
『香典袋の包み方(お金の入れ方)』
作法の大切さ
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御香料の意味や相場、御香典との違いやお札の入れ方などをお送りしました。
決して大きくはない不祝儀袋に込められたたくさんの気持ち。
故人への感謝や懐かしむ気持ち、後悔の想いもあるかもしれません。
気持ちがあれば作法が多少間違っても、ではなかったのですね。
細かい作法のひとつひとつが故人に対する気持ちの表れ。
今回は、作法=想いなのだなということがよく分かりました。
御香料は御香典と同じ意味ということも分かりました。
必要になった時は参考にしてみてくださいね。