【虫出しの雷】意味や時期は?いつ以降最初に鳴る雷をさすの?
日本語には季節を表す言葉がたくさんあります。
そのなかで『 虫出しの雷 』という言葉がありますがご存知でしょうか。
この言葉だけですと「雷が関係している?」と感じるものの、いつの季節を表しているか、また正確にはどんな意味なのかわかりづらいですよね。
そこで今回は、「虫出しの雷」の意味やいつ頃の季節を表すのかなどについてご紹介します。
・虫だしの雷の意味や読み方は?
・虫出しの雷はいつ以降最初に鳴る雷のこと?ほかの呼び方はある?
・虫出しの雷は春のお告げ!冬眠から覚めるのは虫だけではない?
虫だしの雷の意味や読み方は?
「虫出しの雷」の意味は?
書いてあるままの言葉の意味を受け取ると、虫を出すための雷?と考えられますが、大まかな意味ではあっています。
詳しく説明しますと、冬眠をしていた虫を穴から出すための雷のことを言います。
春になると木や花が芽吹くのと同時に、冬眠していた虫たちが雷によって春がきたことを知り、穴から出てくる情景を思い浮かべることができますよね。
「虫出しの雷」の読み方は?
読み方は「 むしだしのかみなり 」もしくは「 むしいだしのかみなり 」と読みます。
虫出しの雷はいつ以降最初に鳴る雷のこと?ほかの呼び方はある?
虫出しの雷はいつ以降最初に鳴る雷のこと?
この雷は、「立春」を過ぎてから初めて鳴る雷のことを指しています。
辞書によっては啓蟄(けいちつ)の頃に鳴る雷とも言われています。
この立春や啓蟄について、少しお話しさせていただきますね。
昔から日本には、中国から伝わってきた二十四節気(にじゅうしせっき)という季節を表す言葉があります。
そのなかで、立春は2月4日ころ、啓蟄は3月6日ころのことを言います。
立春は、“春になりますよ” という意味合いがあります。
二十四節気の最初の季節を表します。
啓蟄は、“冬眠をしていた虫が穴から出てきます” という意味合いになります。
虫出しの雷の意味を考えると啓蟄になる雷のほうが合っているような感じもありますね。
しかし日本では地方によって気候に多少のずれがありますから、どちらも “ 春を告げる ” ということを表すのであれば、立春の後の初めての雷との解釈もありうると思います。
ほかの呼び方はある?
虫出しの雷 にはほかにも下記のような呼び方があります。
[春雷(しゅんらい)]
春に鳴る雷という意味です。
時期は3月から5月に欠けて寒冷前線が通過する時になる雷で、この時には雨や雹(ひょう)などが降ったりします。
春が訪れたことを知らせる雷ともいわれています。
[初雷]
「はつかみなり」もしくは「はつらい」とも読みます。
年が明けてその年になってから初めて鳴る雷、立春後に初めて鳴る雷といわれています。
初雷は短歌では春の天文季語として使われていて、「虫出しの雷」が別名としても扱われているようです。
虫出しの雷は春のお告げ!冬眠から覚めるのは虫だけではない?
今までのことから、「虫出しの雷」は春を告げてくれる雷のことを表すということが分かりました。
ですが目覚めて出てくるのは虫ばかりではありません。
冬眠をしているのは両生類や爬虫類もそうですよね。
熊ももちろん冬眠しています。
それらの動物たちが春の訪れを知って目覚めて、土の中からあらわれはじめます。
虫出しの雷 のことを “ 目覚まし時計 ” と表現されることもありますが、冬眠している生き物たちにとってはまさに的確な表現ですよね。
「虫出しの雷」を聞いてみて♪
【関連記事】
●立春はいつ?意味は?食べ物や立春大吉について。
●啓蟄の意味と時期。読み方や語源は?カエルや蛇も出てくる?
虫出しの雷の意味や時期、いつ頃の雷なのかなどについてお送りしました。
春先の雷は何気なく聞いていた方が多いと思います。
ですがこの雷によって虫や動物たちが冬眠から目覚めて活動を始めるのだと思うと、また風情があっていいですよね。
寒い日が続いていた時にふとそんな雷を聞くと、もうすぐ暖かい春が近くまでやってきているのだなと気持ちがちょっとうれしくなります。
日本語には本当にいつも新鮮な感動を覚えるものです。
何気ない日常の中で特に季節を表した言葉には、その言葉を作り出した方たちの思い入れなどがあるのを感じます。
昔からの言葉の意味を噛みしめながら日々を過ごしていくのも楽しいものですね。