餅のカビの種類と取り方。食べても大丈夫?カビの防止方法?
水回りに押入れに、そして食品に「カビが…」という経験ありますよね。
カビは土の中で胞子から菌糸に成長し、やがてコロニーと呼ばれる集合体を作ります。その後、風に飛ばされ、または自力で飛び出し空気中を浮遊しています。
空気中を浮遊しながら、自分達の条件に合いそうな住処を探しているのです。
温度、湿度、酸素、養分、この条件が揃っている場所を見付けたとき、カビは根をおろします。
そんなカビの歴史はとても古く、5億年以上前には既に存在していたのではないか?と考えられています。
ちなみに、2足歩行するようになった生物アウストラロピテクスが登場したのは約400万~500万年前。新人と呼ばれる現世人類と変わらない特徴を持った生物が現れたのは約1万~2万年前です。
桁違いの歴史を持っていますよね。
そして『餅』が日本に初めて登場したのは、今から約1万5千年前の縄文時代の頃。
その時から、カビvs人間vs餅の闘いが始まったようです。
・餅のカビの種類は?
・餅のカビの取り方。食べても大丈夫?
・餅のカビを防止する方法。上手な保存方法は?
餅のカビの種類は?
餅には、カビに必要な養分であるたんぱく質、でんぷん、脂質、水分が豊富に含まれています。ですから、他の条件が整えば発生して当たり前なんです。
青カビ
食品、家具や押入れでよく見かけます。人や動物の治療に役立つ抗生物質ペニシリンの原料になっています。
一方、ペニシリン・シトナリムと呼ばれる種類のものは、腎臓にダメージを与えるといわれています。
寒さと乾燥に強いカビなので、冷蔵庫の中でも生き延びます。
赤カビ
浴室やキッチンなどの水回りで見かけるピンクのぬめりが赤カビです。
身体の中に入ると、嘔吐や下痢といった症状を引き起こします。
黒カビ
空気中にもっと多く浮遊しているカビです。湿気を好むので、浴室やキッチンの水回り、結露の多い所や日当たりがよくない場所に発生します。
エアコンの中に黒いものが…黒カビです。一度繁殖すると根が深く強いので、塩素系漂白剤などが有効ですが、完全に除去するのは難しいです。
身体の中に入ると、喘息やアレルギーを引き起こす原因になるといわれています。
麹カビ
昔から日本の食文化には欠かせない醤油、味噌、鰹節、清酒に使われています。
麹と聞くと身体によさそう…と思いますが、発ガン性が高いアフラトキシンという有害物質を作り出す種類のものもあります。
乾燥に強いカビなので、乾いた餅にも発生します。
本当はもっとたくさんの種類のカビが1個の餅に発生しており、確認されているだけで20種類以上といわれています。養分の取り合いにならないのかな?と思ってしまいますね。
餅のカビの取り方。食べても大丈夫?
餅の表面に付着しているカビを取れば食べられるのでは…?と思いがちですが、菌糸は木の根を張り巡らせているような状態で、餅の内部にまで入り込んでいます。
ですから、表面のカビを取り除いても、カビは残っているのです。菌糸は目で確認することが出来ないので、取り除くことは難しいです。
生活に役立つカビもいますが、身体を守るためにも、カビが発生した餅を食べるのは避けた方がよさそうです。
餅のカビを防止する方法。上手な保存方法は?
空気中にはいつもたくさんのカビの胞子が浮遊しているので、食品に付着するのは当たり前のことです。「カビが生えた…」と、悔しい思いをしないような方法を探ってみましょう。
まずは、カビを発生させる条件を揃えないことです。しかし、カビの発生する条件は、私達が生活するうえでも必要なものですよね。カビの発生を防ぐことは不可能です。
ですから、大切になってくるのは『保存方法』です。最近は、真空パックのお餅をよく見かけますね。お家で出来る保存方法には、昔からの知恵がありますよ。
冷凍保存
保存期間は1か月~1年と色々説はありますが、早めに食べましょう。
食べ方としては、自然解凍またはレンジで半解凍した後オーブンで焼きます。お鍋や煮込みに使うときは、そのまま使うことができます。
水保存
毎日の水の交換が必要ですが、1か月程保存できます。
和からし・わさび保存
和からしやわさびに含まれている辛味成分には、抗菌作用があるのでカビの繁殖を防いでくれます。お刺身にわさびの組み合わせは、食中毒を防ぐためのものです。
和からしやわさびが乾燥する前(1~2週間ほど)に、入れ替えをすれば1か月程度保存可能です。
カビとの共存
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今回『餅』をテーマにカビをみてきましたが、カビは食品だけではなく、いたる所で知らぬ間に発生しています。
知らぬ間に発生したカビが原因で、身体の調子が悪くなることもあります。しかし、知らぬ間に発生したカビは、地球上の生態系を守り維持するために働いてもいるのです。カビにはカビの役割があるのですね。
日本の気候は、温暖多湿なのでカビが発生しやすい環境です。
カビの発生を減らすような工夫(養分になりそうなものは片づける、こまめに掃除する等)をして、共存していかなくてはいけませんね。