菖蒲湯の由来と効能!子供の日に入る意味は?作り方や入り方は?
5月5日は子供の日。
男の子が主役の節句ですね!
端午の節句とも言われ、柏餅を食べたり菖蒲湯に入ったり、菖蒲を頭に巻いたりする習慣があります。兜や鯉のぼりも飾ったりしますね。
菖蒲湯?頭に巻くとは?と、思う方も多いのではないでしょうか。
菖蒲湯は日本の風物詩ですが、なぜ子供の日に菖蒲湯に入る習慣ができたのでしょうか?
そういえば小さい頃に何か葉っぱのようなものが入ったお風呂に入った気がする‥といった記憶がある方もいることでしょう。
今回は、子供の日になぜ菖蒲湯に入るのか、その由来や効能についてご紹介します。
この記事の目次
菖蒲湯の由来は?子供の日に入る意味は?
菖蒲湯とは?
菖蒲湯とは5月5日の端午の節句の日に、菖蒲の葉をお風呂に入れて入る風習です。
春から夏への季節の変わり目から、体調を崩さないように、丈夫に過ごせますようにいう意味もあります。
菖蒲は夏の季語でもありますね。
菖蒲湯の由来は?
菖蒲湯の起源は、中国にあります。
なぜ5月5日に行ったかというと、春から夏への変わり目で急に暑くなる時期だったからです。
昔は急に暑くなると、病気にかかりやすく、亡くなる人が多かったのです。
このように季節の変わり目には、体調を崩しやすいということから、端午の節句には菖蒲湯に入るなど菖蒲を使った風習があったというわけですね。
また、5月を『毒月』と呼び、厄除け・毒除けをする意味で香りの強い菖蒲やヨモギ・ガジュマロの葉を門に刺して、厄除けをしていました。
日本で行われたのはいつ頃?
この習慣が奈良時代に日本に伝わると、宮中で菖蒲を吊るす習慣が定着しました。
江戸時代、武家社会で菖蒲と尚武(武道、軍事などを大切だと考えること)をかけて5月5日を尚武の節目として祝うようになったのが、端午の節句の始まりだと言われているそうです。
菖蒲湯に浸かる習慣は江戸時代からと言われていますが、その理由については諸説あります。
・もともと日本にあった、田の神を迎えるための禊(みそぎ)の習慣と合わさって菖蒲湯に入る習慣になったという説。
・端午の節句や武士の出陣前に武運長久を願って湯に浸かったことが起源という説。
つまり、こどもの日だから菖蒲湯に入るのではなく、『端午の節句』だから菖蒲湯に入るとうことですね。
子供の日に入る意味は?
しかし、やはり菖蒲は縁起が良いものとして考えられており、子供の日にはその縁起を担いで、菖蒲湯に入ったりすることが習慣となったわけです。
こうやってみると、子供の日にもいろいろな意味がありますね。普段はあまり意識しないと思いますが、昔からの風習は大切にしたいものですね。
あまり厳かに行うこともありませんが、楽しみながら生活に取り入れてみるのも良いのではないでしょうか。
菖蒲湯の効能は?どんな効果があるの?
菖蒲に含まれる成分は?
まず、菖蒲湯で使う菖蒲はサトイモ科の植物です。
たまにアヤメ科の花菖蒲を売っている花屋もあるので、一応確認した方がいいかもしれません。
菖蒲には、アセロンやオイゲールという精油成分が含まれています。
一般家庭で菖蒲湯に使うのはおもに葉の部分ですが、実は葉よりも、根茎部分の方が多く成分が含まれています。
その精油成分が、菖蒲の独特の香りの元なのです。
本来、菖蒲湯は香りで邪気を払うための習慣なので、根茎の部分が手に入るならぜひ一緒に使いたいものですね。
また根の方にいくほど効能も高くなります。
菖蒲の効能は?
具体的な効能としては、
血行促進 ・腰痛 ・神経痛
冷え性 ・筋肉痛 ・リュウマチ
肩こり・保湿効果・リラックス効果
などが、主な効能とされています。
菖蒲の根の部分の方に、血行促進や保湿効果が多くありますが、一般的にお店では葉の部分しか売られていない場合もあるので、根の部分を使いたい場合は漢方薬局で相談すると良いですよ。
『よもぎ』を入れてダブル効果
ところで、スーパーなどで菖蒲を購入すると「よもぎ」もついてくる場合があります。
この「よもぎ」にも効能がありますので、ぜひ湯船に入れてみてくださいね。
具体的には、保湿効果 ・血行促進 ・肩こりに効果が期待できるとされています。
ただし、よもぎ湯には陣痛作用があるので、妊娠中の人は「よもぎ」は使わないようにしてくださいね。
菖蒲湯の入り方は?頭に巻くと頭が良くなる?
5月5日の子供の日が来たら、菖蒲をお風呂に入れて『菖蒲湯』にします。
香りが強いのは「葉」ですが、効能が得やすいのは「茎」や「根」の部分です。
根は手に入りにくいので、せめて茎は活用したいものですね。茎は切り取らずに葉と一緒に使いましょう。
入れ方は各家庭さまざまかもしれませんが、買ってきた菖蒲を軽く洗ってお風呂にそのまま入れるやり方が一番多くそして簡単です。
では、菖蒲湯の作り方や入り方をご紹介します。
① 菖蒲を10本程度束ねる。
② 空の浴槽に①の菖蒲を入れる。
③ 少し高めの42~43℃くらいのお湯を入れる。
④ 適度に冷ましながら、成分が湯に馴染むのを待ってからゆっくり浸かる。
この方法が一番手軽な方法ですね。
精油成分(香り)をもっと高めたい場合は?
菖蒲の葉で肌を切るのが心配な人や、もっと精油成分を抽出したい場合の方法もご紹介しましょう。
① 菖蒲の葉を包丁で細かく刻む。
② 布袋(パック)などで包み、洗面器に入れる。
③ 上から熱湯注ぎ、10分間浸ける。
④ 抽出したエキスを浴槽に入れる。
抽出が手間な場合は、刻んだ菖蒲を編みのネットなどに入れ、そのままお風呂に入れると簡単ですよ。
頭に巻くと効果あり?
菖蒲湯につかりながら菖蒲の葉をはちまきのように頭に巻くと、頭がよくなると言われています。また、お腹にまくと健康になるという話もあります。
どちらも、菖蒲に含まれている葉油が直接肌に触れると血液の循環がさらに活発になることから始まったおまじないだと思われます。
ただ菖蒲そのものには多くの効能があり、なによりもリラックス効果が高いので、それが心身の健康に良いという面が好まれているようですね。
菖蒲湯は乳児が入っても大丈夫?
さぁ!子供の日だから菖蒲湯に入るぞ!と思っても、「小さな子供が入っても大丈夫なの?」「皮膚の弱い子は?」と気になる方もおられるのではないでしょうか。
結論からいいますと、大丈夫です!0歳児でも問題はないそうですよ。
長風呂はのぼせてしまいますので良くないですが、菖蒲湯自体は問題ありません。
いい香りもしますので、子供たちと菖蒲湯を楽しみましょう♪
少し痒みがある場合がある?
通常は問題ないようですが、私自身の経験を参考までにお伝えしますね。
私も子供たちも、特にアレルギーなどの肌トラブルはないのですが、菖蒲湯に入って体が少しだけ痒くなったことがあります。
湿疹などの目立った皮膚トラブルはないのですが、「あれ、かゆいかも?」と思って、あまり長い時間菖蒲をお風呂に入れないようにしています。
柑橘類や市販の温泉の元などを入れても、皮膚がちょっとピリッとしたり痒みのようなものがあったりする場合があるので、一概には言えません。
ちょっとした刺激はあるものですし、かゆみはむしろ血行が良くなっているからという見方もできますね。
菖蒲湯に関してだけではないのですが、お子様の様子を見守りながらゆっくりとお楽しみくださいね。
菖蒲湯以外の菖蒲の楽しみ方は?
菖蒲酒
菖蒲酒の作り方は簡単です。
本当は根部分を刻んでお酒に浸けると解毒作用があって一番いいのですが、葉を使います。
葉にも、食欲増進と疲労回復、血行促進に効果があると言われています。
菖蒲の葉を2センチ程度に刻んで、お酒に30分程漬けておくだけです。
香りが移って、リラックス効果も得られますよ。
菖蒲枕
本来は、菖蒲を編んで枕を作って5月4日の夜に使用するのですが、編むのは大変ですし菖蒲の葉も大量に必要です。
そこで、枕の下に菖蒲を敷いて寝るのが一般的です。
枕の下にひくと、シーツや枕が汚れそう‥という場合は、枕元に飾るだけでも香りは楽しめますね。
こうして菖蒲枕に使った菖蒲は、5月5日の端午の節句に菖蒲湯として使います。
菖蒲湯や菖蒲を楽しみましょう♪
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菖蒲湯の由来と効能、お風呂の入り方などをお送りしました。
中国から伝来した、厄払いの習慣が元になっていることが分かりましたね。
菖蒲の香りには、リラックス効果だけでなく、血行促進や腰痛・神経痛などいろいろな効能があることも分かりました。
菖蒲湯は、楽しむためにそれ程手間がかからないので、ぜひ試してみてくださいね。