【旧正月の意味と時期】新暦と旧暦の違いは?お祝いする国や過ごし方は?
『 旧正月 』というと中国や台湾などを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
日本では正月というと1月1日から始まりますが、旧正月は2月に行われます。
暦は世界共通のものではないのでしょうか?
旧正月というからには、今の日本でのお正月は新しいお正月なのでしょうか。
言葉としてはニュースなどで耳にする機会があっても、内容まではなかなか分からないでいる方も多いと思います。
そこで今回は、旧正月の意味や時期、過ごし方などについてご紹介します。
この記事の目次
旧正月とは?新暦と旧暦の違いは?
旧正月とは?
旧正月とは、旧暦においてのお正月の日のことを指します。
旧暦は中国が始まりとされていて東アジアで使われています。
もちろん日本でも中国から伝わってきて旧暦を使っていました。
一番わかりやすい例を出しますと、七夕が新暦では7月7日ですが旧暦ですと8月7日。
それぞれ地方ごとに別の時期に行われていますね。
東北の大きなお祭りの1つ、仙台の七夕まつりは旧暦の日に行われています。
そのほかにも、中秋の名月は旧暦を使って日にちを決めています。
普段何気なく使っている中で旧暦は根付いているのです。
新暦と旧暦の違いは?
日本では飛鳥時代から明治5年まで旧暦を使っていました。
ではここで、新暦と旧暦について少しお話させていただきますね。
〔旧暦〕
旧暦とは、月の満ち欠けを元にしてできた『太陰太陽暦』というものです。
新月を「1日」として始まり、月が満ちてまた欠けて新月になる前日までを一ヶ月としています。
この場合一ヶ月が平均すると29.5日になります。
これから一年を導き出しますと354日となります。
現在は365日ですから11日少ないことになりますね。
このままの日にちで行きますと季節がずれてくるのです。
そこで3年に一度「閏(うるう)月」を設けて1年が13ヶ月として季節を合わせることになっていたのです。
〔新暦〕
世界で共通の暦ですね。
『太陽暦(グレゴリオ暦)』が使われています。
こちらは太陽を基準に作られています。
地球が太陽の周りを1周するのにかかる時間が1年で、4年に一度ズレを調節するために閏(うるう)年をもうけています。
旧暦は日本に入ってからもさまざまな変革をしてきて、日本でいう旧暦とは「天保暦」のことを指します。
新暦に変わったのは明治5年12月3日に明治6年1月1日となりました。
旧正月が1ヶ月ほどずれるのも、この時の改定の時期が関わっているからでしょう。
旧正月にお祝いする国は?どんなお祝いをするの?
旧正月にお祝いする国は?
旧正月という言い方は日本だけのようで、各国ではそれぞれ違う言い方で正月をお祝いしています。
そしてその時は国中でお祝いをしてお休みとなっています。
各国の正月の言い方と休みについてはこちら。
旧暦の大晦日から7日間休みとなります。
旧暦大晦日から旧暦1月3日までの4日間休みとなります。
旧暦大晦日から旧暦1月2日までの3日間休みとなります。
どんなお祝いをするの?
ではどのようなお祝いの仕方があるのか、中国を中心にお話しますね。
〔飾り付け〕
日本でいうと門松などのようなものですが、『倒福』というものがあります。
春聯(しゅんれん)という赤い紙に、「福」という字を “ 逆さま ” に書いたものを家の入口に飾るというものです。
しかしなぜおめでたい日に福を逆さに貼るのでしょうか。
一見、逆効果のようにも見えますよね。
この“福を逆さに貼る”という理由については、ピンチに機転を利かせて乗り越えたこのような由来があるといわれています。
その昔、明の洪武帝(こうぶてい)が春節にお忍びで散策してるときに、ある絵を見て、馬皇后(ばこうごう:洪武帝の皇后)を嘲笑したものであるとして、その絵を描いたものを処罰しようとしました。
絵と関係のない者は、家に福の文字を書いた紙を貼るように言い、貼っていない者を処罰しようとしました。
これでは無実の人が罰せられると思い、馬皇后は事前にすべての家に福を貼らせました。
ところが1軒だけ、福の文字を逆さに貼ってしまった家があったのです。
福を逆さに貼るのは平和でないことを意味するとして、洪武帝はその家のものを処罰するように言いました。
しかし、馬皇后は、福を逆さに貼れば『洪武帝の使者が家に来る』すなわち“福が来る”ということで、故意に逆さに貼ったのだとなだめ、事なきを得たということです。
それ以来、馬皇后の機転と思いやりに感謝し、民衆は福を書いた赤紙を逆さに貼り、家族の平安を祈るようになったといわれています。
〔食べ物〕
年越しそばやおせち料理のようなものはやはりあるようです。
中国は広いので地域によってさまざまですが、たとえば年越しに餃子を食べたり、餡の入ったお団子を食べたりするそうです。
また縁起の良いとされる食べ物などもあるようですね。
特に魚料理は「豊かな生活になるように」という願いが込められているようですよ。
〔催し物〕
お正月といえば爆竹や龍舞などが街を賑わしています。
爆竹に関しては空気の汚染問題などで規制があったりするところもあるようですが、それでもとても賑やかな催し物があります。
旧正月の時に横浜の中華街に行くと、中国の春節のお祝いで賑やかにしていますのでプチ体験ができて楽しめますよ。
旧正月の海外の過ごし方は?
中国を始めとして正月になると、多くの人々が家族の元へと帰るために帰省を始めます。
その帰省ラッシュは民族大移動のごとく約30億人近い移動となるそうです。
この帰省ラッシュは社会問題にもなっているぐらいで、休みの延長も検討されているようですね。
海外旅行も増えてきて、日本でも中国からの旅行者が増えていますね。
日本の旧正月2025年はいつ?日本でもお祝いはするの?
日本での2025年 旧正月は1月29日(水)です。
旧正月がたとえ平日だったとしても特別に休みということはありません。
旧正月が休日ではないからお祝いなどをすることが廃れていった、というお話も聞きます。
たしかにそれも一つの要因かもしれませんね。
そんななか一部の地域では旧正月のお祝いをしているところもあります。
沖縄や奄美大島の一部地域で今も行っているようです。
港のあるところですと船に大漁旗をつけたり、旧正月の前日に沖縄そばを食べたりなどするそうです。
沖縄黒島の旧正月の動画がありますので御覧ください。
旧正月はアジアにとって大事な行事です。
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旧正月の意味や時期、祝い方、新暦と旧暦の違いなどをお送りしました。
旧正月は日本では祝う地域が少なくなっていますが、海外では大事な伝統行事です。
古くから中国から伝わるものが多い日本でも、日にちは違っても正月という形で残っていますし、細かなところでも旧暦の名残を大事にしています。
旧正月のお祝いという形はなくても、この旧正月の日に神社に参拝に行くのもよいのではないでしょうか。