五月人形(兜飾り)を出す時期と飾り方!片付けや処分方法は?鯉のぼりは?
5月5日は、端午の節句。
端午の節句には、五月人形や鯉のぼりなどの五月飾りが欠かせませんね。
男の子をお持ちの家庭では、五月人形や兜、鯉のぼりを飾ることでしょう。
五月人形や兜、鯉のぼりを飾る時期(期間)は一体いつからいつまでなのでしょうか?また、飾り方や片付け方も気になるところです。
今回は、五月人形や鯉のぼりを飾る時期や飾り方、片付け方や処分方法などについてご紹介します。
この記事の目次
五月人形や鯉のぼりを飾る時期は?
こどもの日(端午の節句)は、毎年5月5日ですから、それまでに五月人形や鯉のぼりを飾ります。
時期については、特に決まりはありません。といっても、だいたいの目安の時期は知りたいところですよね。
目安となるタイミングをご紹介します。
できるだけ早く飾る
できるだけ早く飾る=先手必勝、という考え方です。
これは、何月何日ということではなく、「ご近所より早く」ということになります。
お雛様を片付けたら飾る
端午の節句は、節句のひとつですね。
ですから、上巳の節句(桃の節句・3月3日)のお雛様を片付けたらすぐに飾るという考え方です。
お雛様が飾っている期間に出すと季節感がバラバラになってしまいますからね。
春分の日が終わったら飾る
お雛様は、3月3日を過ぎたらすぐに片付ける習慣がありますが、地域によっては春分の日(3月20日頃)まで飾る地域もあります。
そういった地域では、春分が終わった後から飾るという方もいるようです。
大安に飾る
4月の初旬から中旬までに飾る。
一番一般的なのがこの時期でしょう。大安を選ぶ家庭も多いですよ。
『鎧飾り五月人形の飾り方』
五月人形の飾り方。三段飾りや平飾りは?
五月人形には大きく分けて平飾り・三段飾り・ケース飾りがあります。
ケース飾りは設置が簡単ですが、平飾り・三段飾りの場合は飾り方に戸惑うこともあるかもしれません。ここでは、基本の飾り方を、ご紹介します。
『簡単な兜の飾り方』
平飾り
まず、飾る位置の後ろに屏風を飾ります。
中央に置くのは、当然ながら兜や鎧です。
そして、左側に弓、右側に太刀を飾るのが基本になります。
写真なども一緒に飾る場合は、一番手前に飾ります。
平飾りの場合、お供え物の柏餅やちまきは、飾りの手前に置きます。
三段飾り
上段に、平飾りと同じように鎧兜などを飾ります。
二段目には、左右にこいのぼりなどの飾りを置き、中心に太鼓、向かって左側に陣笠、右側に扇子を飾ります。
下段には、左右に篝火、真ん中に八足台、を飾ります。
お供えの柏餅は左側に、ちまきは右側に供えるのが決まりです。
五月人形の飾る場所は?良い方角は?
床の間があるなら、床の間が一番です。なければどこでもかまいません。五月人形を飾る場所には、特に方角などの決まりごとはないからです。
とはいえ、たまに北向きに飾るのは良くないと考える人もいますので、気になるなら一応北向きを避ければ良いでしょう。
あとは、色褪せを防ぐために直射日光の当たらない場所で、カビが生えないように湿気の多くない場所にすれば問題ありません。
五月人形や鯉のぼりをしまう時期や片付け方は?
五月人形や鯉のぼりをしまう時期は?
一般的には、雛人形は「片付けなければお嫁に行きにくくなるため、桃の節句が終わったらすぐにしまのがよい」とされています。
しかし、五月人形や鯉のぼりに関しては、そのような謂(いわ)れはありません。雛人形と違って、早く片付けなくてはいけないというジンクスもありません。
ケース飾りなどは一年中出しっぱなしという家もありますよ。五月人形は、子どもを守ってくれるお守りとしての意味もあるためですね。
ですから、端午の節句が過ぎてから、都合のよい時に片付ければよいでしょう。
気をつけたいのが、片付ける日の天気です。
カビを防ぐためにも、空気が乾いた天気の良い日がいいでしょう。そのため梅雨時は避けた方がよさそうですね。
縁起を気にする人は「大安」や「友引」の日を選ぶようですよ。
雛人形は虫干しを兼ねて、重陽の節句(9月9日)にも飾られますが、兜や五月人形にそのような習慣はありません。
鯉のぼりはしまった方が良い
鯉のぼりは屋外に飾るものなので、長期間飾りっぱなしでは、どうしても劣化が早くなります。
ですので、特別な理由がない場合は、鯉のぼりは端午の節句を過ぎたら仕まった方がいいでしょう。
五月人形の片付け方は?
五月人形については、埃を柔らかい刷毛などで掃い、和紙に包んで仕舞います。
湿気が多い場所、高温になってしまう場所は避けましょう。
鯉のぼりの片付け方は?
屋外に飾っていた場合は、洗ってから仕舞います。鯉のぼりを洗うの?と思うかもしれませんね。
でも、室内に飾るために特別に作られたものを除いて、鯉のぼりは雨に濡れることを想定して作られたものです。
ですから、洗ってから、充分に乾かして片付けましょう。
五月人形や鯉のぼりは何歳まで?
五月人形や鯉のぼりは、男の子の成長を願うものなので、大人になるまで飾るものです。
大人というと18歳?20歳?それとも‥?いろいろな説がありますが、大きく分けて次の3つの時期があります。
【7歳まで】
昔は子供の死亡率が大変高かったのです。
特に7歳まで成長できるかどうかということで、「7歳までは神のうち」と言われていたぐらいでした。いわゆる七五三と同じような考え方ですね。
そこで7歳まで五月人形を飾るとされていました。
【15歳まで】
数えで15歳というと、武士の社会では元服として大人になったとされています。元服までは子供として飾るとされています。
【20歳まで】
現在の成人の年までということですね。
これらの説はありますが、現在の家の諸事情などを含めて考えると、実際には15歳ぐらいまで飾る方が多いようですね。
ただ、現在では、何歳まで飾るという決まりは特にありません。
五月人形の上手な仕まい方は?
仕舞いやすくするためにすることは?
とにかく、パーツが多いので、なくしたら大変です。
そして、最初に入っていたはずの箱に、なぜかうまく収まらないという事態も起こりがち。
対策として、開封時に写真を撮っておくといいですね。
さらに、細かいパーツが入っていた小箱などには、何が入っていたかメモしておくと仕まう時にスムーズですよ。
収納の手順は?
さて、実際の仕舞い方を説明しますが、事前準備として、手袋などをして、手の汚れが人形につかないようにしましょう。
1.埃をはらう
優しくハタキをかけ、金属部分は眼鏡ふきなどの乾いた布で汚れを拭います。
柔らかい素材の小筆や未使用の化粧筆などがあれば、細かいパーツの埃も払いやすいです。
2.緩衝材で包んで収納
和紙や手ぬぐいなどで、人形や兜などを包んでから、箱に収納します。
3.虫対策・湿気対策
人形用の防虫剤や樟脳(しょうのう・クスノキから抽出した防虫剤)などを一緒に入れておきます。
変色の原因になるので、直接人形に触れないように入れましょう。
湿気が気になる場合は、乾燥剤も入れておくと安心ですね。
五月人形の処分方法は?
飾らなくなった五月人形は、どのように処分したら良いのでしょうか?
五月人形をしまったままにしておくのはよくない?
五月人形が長い間押し入れなどにしまいこんだままになっている場合もあると思います。
じつはこの長い間しまい込むということは、人形にとってはよくないことです。
年に一度でも出して風通しをよくしておかないと、シミやサビの発生の原因となってしまいます。
また人形が閉じ込められたままで要るのはよくない、という謂われもあるからですね。
神社などで供養してもらう。
お人形には魂が宿ると言われています。
特に五月人形は、男の子の身代わりとなって災厄から身を守ってもらうというお人形です。
そのため、供養をしてもらうのが気持ちとしては安心できる処分の仕方ではないでしょうか。具体的な供養の仕方は後述します。
寄付をする。
五月人形の保存状態が良い場合ですが、親戚や友人、もしくは福祉施設などに寄付をするという方法があります。
「五月人形は身代わりとしての役目を持っているから一人に一つが良い」という考え方がありますが、特にこだわりがないようでしたら、次の方に大事にしてもらうというのもお人形にとっては良いのではないでしょうか。
また福祉施設などへの寄付については、市役所など各自治体に問合せをして、「五月人形を寄付したいのですが」と伝えて福祉施設を問い合わせると教えてもらうことができます。
また直接福祉施設に問い合わせてみても良いでしょう。
ネットオークションで売る。
五月人形をネットオークションで見かけることもあります。
ただ落札率があまり良くないことと、実際に落札されて送る時の梱包に手間がかかること(梱包代も含めて)を考えると少々面倒に感じるかもしれません。
リサイクルショップ(買い取り)に持っていく。
4月に入った頃ですと買い取りをしてくれるところもあるようです。
その時、五月人形のメーカー名と大きさを連絡して、買取してくれるかどうかを事前に確認すると良いでしょう。
普通のゴミとして処分しても大丈夫?
ゴミとして処分する方法もあります。
分別をしてそれぞれのゴミとして出すか、粗大ごみとしてまとめて処分するか、各自治体によって処分の仕方が違いますので、事前に問い合わせか確認をしてからその指示通りに処分しましょう。
この処分の方法は一番簡単ですが、お守りの人形として子供の頃から大事にしてきたものをゴミとして処分するには、精神的になかなかふみきれるものではないかもしれませんね。
ゴミとして処分すること自体はなんの問題もありませんので、ご自身やご家庭の決めたやり方で行うと良いでしょう。
ゴミとして捨てる前に、お人形さんや飾り物へ感謝をしておくとより良いですね。
五月人形を供養するには?
五月人形の供養をする方法についてです。
供養とは?
人形を供養するというのは、「今まで災いなどを引き受けてくれてありがとう」というお人形への感謝から、祈祷(きとう)をしてその後お焚きあげをしてもらいます。
どこで供養してくれる?
まず近所の神社やお寺に問合せてみましょう。そこで人形供養を行ってくれる場所があるかもしれません。
その際には手数料や、供養を行ってくれる日など詳しく聞いておきましょう。
また近くに供養してくれるところが見つからなかった場合、一般社団法人「日本人形協会」というところで人形の供養代行サービスを行っております。
供養代行サービスの申し込みをすると、お人形を送るための「お人形差出キット」というのが送られてきます。
そちらに必要事項などを記入し、お人形を梱包すると郵便局の方で取りに来てくれるという仕組みになっています。
注意事項など詳しく書いてありますのでよく読んで手続きをしてください。
お人形の供養についての動画がありますので、どのように供養してお焚きあげするのか参考までにご覧いただければと思います。
五月人形は出しっぱなしでも大丈夫!
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五月人形や鯉のぼりを飾る時期や飾り方についてお送りしました。
雛人形と違って、五月人形は出しっぱなしでも問題がないことが分かりましたね。
床の間に飾るのが一番ですが、床の間がない場合は、平飾り、三段飾り共に、特に方角などは気にしなくていいことが分かりましたね。
また、一旦仕まった場合は、4月中に飾り始めるのが一般的で、早く飾りたい場合でも、雛人形を片付けた後、ということでした。
手放す前には手を合わせ、「お守りいただき感謝します」と自分なりにご供養をするようにすると、お人形も喜ぶのではないでしょうか。