春の七草の覚え方。意味や漢字の書き方は?春の七草粥とは?
春の七草と聞いてもあまりピンとこないかもしれません。
ただ、なんだか聞いたことはあるし、春の草と書くからなんとなく知っているような気にもなりますよね。
この、あまり聞き覚えがない春の七草ですが、古くから続く行事であり、深い意義があります。
今回は、春の七草の意味や覚えた方、七草粥などについてご紹介します。
・春の七草の種類は?漢字はどう書くの?
・春の七草の覚え方は?
・春の七草粥の意味や効果は?食べる時期は?
春の七草とは?どんな意味があるの?
昔から日本では、年の初めに『若菜摘み』という雪の間から芽を出した草を摘む風習があり、これが春の七草の原点とされています。
この若菜摘みですが、百人一首でも「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」と詠われており、昔から広く浸透していたことが分かりますね。
そして、春の七草とは、春の若菜の中でも代表的な7種を選んだものになります。
春の七草の種類は?漢字はどう書くの?
古く短歌で詠まれた7種が「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ」で、この7種を春の七草と言います。
漢字は順に「芹、薺、御形、繁縷、仏の座、菘、蘿蔔」と書きます。
このうち下記の5種は名称が現在用いられているものとは異なり、それぞれこのように変わっています。
「ゴギョウ → ハコグサ」
「ハコベラ → ハコベ」
「ホトケノザ → タビラコ」
「スズナ → カブ」
「スズシロ → ダイコン」
現在用いられている名称のカブやダイコンと聞くと、聞きなじみがありますよね。
春の七草の覚え方は?
では、春の七草を覚えるにはどうしたらいいのでしょうか。普段聞きなじみがない分すこし覚えづらく感じますよね。
そんな時は、5・7・5・7・7のリズムに合わせて口ずさむ覚え方が自然で覚えやすいですよ。
「セリ・ナズナ ゴギョウ・ハコベラ ホトケノザ スズナ・スズシロ」という形ですね。もともとが短歌なので、この後に「これぞ七草」と続きます。
(5)セリ・ナズナ
(7)ゴギョウ・ハコベラ
(5)ホトケノザ
(7)スズナ・スズシロ
(7)これぞ七草(春の七草)
人によっては最後の7の音を「春の七草」に変えて覚えている人もいるようです。
この覚え方で口ずさみながら覚えると、いつのまにかスラスラ言えるようになりますよ。ちょっとした豆知識として披露することもできますので、覚えておくのもいいと思います。
春の七草粥の意味や効果は?食べる時期は?
さて、春の七草の成り立ちについてはよくわかりました。
では、春の七草粥とはどんなものでしょうか。
春の七草粥は、新春の1月7日に食べる風習があります。
お粥に春の七草を入れることで災いを除け、長寿富貴を得られるといわれていたため、無病息災を祈って食べられてきたのです。
春の七草一つ一つに効用がありますが、おもなものを挙げると下記の通りになります。
春の七草の効用
鉄分が多く含まれているため、増血作用や血液を綺麗に保ち、高血圧や動脈硬化の抑制も期待できます。
また、胃腸の調子を整える効果も持っているので、お正月で食べ過ぎて疲れてしまった胃腸に優しいですね。
ビタミンKが豊富に含まれ、骨粗しょう症の改善効果が期待できます。
また、熱を下げたり尿の出をよくしたりする作用があります。
詳しい成分ははっきりとは分かっていないのですが、咳やのどの痛みを和らげる効果があります。
タンパク質が比較的多く含まれ、ミネラルなどの栄養も富んでいます。
また、尿の出をよくする作用のある作用や止血、鎮痛作用なども期待ができ、古くから薬草として親しまれています。
高血圧の予防や胃腸の働きを整える効果があります。
一点注意してほしいのが、ホトケノザにはキク科のものとシソ科のものがあり、この二つは全くの別物になります。
シソ科のホトケノザは食べられないので、春の七草のホトケノザはキク科のものになります。
ジアスターゼという酵素が含まれており、消化を促進させる作用があります。
七草粥を美味しく食べるポイント
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春の七草の意味や覚え方、七草粥の効果などについてお送りしました。
身体のためにも良い春の七草粥ですが、苦みがあったり特徴的な風味がしたりと、あまり好ましい味ではなかったりと敬遠されがちです。
そんな時は七草の下処理をきちんとして作ってみましょう。
七草の葉物を細かく刻んで、塩を少しまぶして青臭さを抜きます。それから七草をサッと熱湯にくぐらせます。
このひと手間で青臭さは軽減されますよ。
どうしても味が苦手だ、という場合は、ほかの食材や調味料をプラスしてみてはいかかでしょうか。